秋葉原「やきとん元気」 アキバから徒歩3分。活気と雑多が作るお祭り酒場

秋葉原「やきとん元気」 アキバから徒歩3分。活気と雑多が作るお祭り酒場

2018年6月4日

多かれ少なかれ、秋葉原で「どこで飲む?」というシーンがありますよね。そんなとき、サブカル電気街で正統派の酒場を探そうとすると、実は結構悩むんです。例えばやきとんが食べたいとき、どうしますか?

「やきとん元気」は、そんなシチュエーションに応えてくれる強い味方。浅草橋西口にある人気店「西口やきとん」の系列店です。

秋葉原駅昭和通り口から徒歩3分という駅近立地なのに、一歩路地にはいれば意外なほど静かです。「え、ここ本当にアキバ?」な雰囲気にはじめての人は驚くこと間違いありません。

店先はテラス…というより、地方都市の屋台のような雰囲気で、季節がよいと夜風を浴びる即席ビアガーデンです。大衆酒場をより雑多にかき混ぜた空間に、たくさんのノンベエと元気いっぱいのスタッフが入れば、毎晩がお祭りムードです。

立ち飲みからはじまった同系列らしいお財布に優しい値段が並ぶ品書き。大根みつ漬けなど100円(以下税別)から小鉢が用意されています。ビールはアサヒ系オンリーで、樽生スーパードライは大ジョッキが550円です。大びんはお得な550円。

酎ハイは1ml:1円で、ジョッキサイズ別に、小300円・大500円・メガ1,000円。

お酒の種類は絞られていますが、「元気」は特製のレモンハイか山の手の割材・ホイスなど、酎ハイ類があればたっぷり楽しめます。

乾杯は、キンキンに冷えたアサヒスーパードライと、看板ドリンクの特製レモンサワーです。しゅっとした昔ながらの形状が嬉しい500ジョッキです。

やきとんは1本100円と、アキバで買い物をしたあとの懐事情でも優しい価格設定です。お通しはありません。

串が焼ける前に、まずはゆでハツ・ゆでタン(200円)から始めてみるのはいかがでしょう。モチモチとした食感で旨味をじんわり感じます。

名物の皿ナンコツ(250円)も外せません。トロトロに煮込まれたナンコツは、プヨプヨとした部分とスジの繊維が絶妙なバランスです。甘く煮られて、豚脂のコクもあいまって独特な印象です。そして、猛烈にお酒を誘います。

続いて抹茶ハイ。濁ったお茶ハイはいいものです。モツの脂を心地よく流してくれます。

かごしま黒豚のカシラ(200円/本)。ぷりっぷりなカシラアブラです。カリっとした表面にわさびを載せて頬張れば、意外としつこくなくスイスイと進みます。

100円の串では鶏もあり、元気のつくねは鶏肉です。ねぎまのタレなど王道も美味しいです。

さらに加わる黒板メニュー。カンパチ串やしめ鯖などの魚介のほか、黒豚角煮や肉豆腐も食欲をそそる並びです。

ここはひとつ、ちょっと贅沢をしてみますか。350円の特上串はどんなものか気になりますから。そして頼んだロースとヒレ。なんとアルミホイルに包まれています。

一回り大ぶりで、確かに贅沢感があります。豚ヒレや豚ロースの素焼きということになりますが、よいお肉はそのままで十分美味しいものですね。

こちらはホイスハイ(小300円)。ウイスキーをもじって命名された「ホイスキー」で「ホイス」。やきとん元気はウイスキーなら400円なので、純粋に代用ドリンクとして安さがありますが、それだけではない独特な魅力があるものです。戦後の経済成長を支えた豚モツには、同じ時代に作られた飲み物があいます。

やきとん元気は、簡素な作りですが毎日賑やかな大衆酒場。この空間に身をおいて飲んでみると、それが不思議と居心地よく思えてきます。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

やきとん 元気
03-5829-9910
東京都千代田区神田佐久間3-37-30 轟ビル 1F
17:00~24:00(日祝定休)
2,000円