【閉店】野方「みはる食堂」長崎料理と豊富な鮮魚！素晴らしい店と出会う

西武新宿線の野方駅の南側にヤッホーロードという名の小さな歴史あるアーケードがあります。昭和の雰囲気がそのまま変わらず残るそこには、忘れてきたあの頃の思い出がそこらに隠れているように思います。まるでタイムトラベルをしたかのような、不思議な感覚になりながら、ふらりふらりと梯子酒をしつつたどり着いたのが今回のお店「みはる食堂」です。

冒頭から言っておきます。このお店、超素晴らしいです。何が良いかはこれから書いていきますが、久しぶりに想定以上の出会いとなりました。こんな発見があるから飲み歩きはやめられません。

食堂という名前ですが、営業は18時からで業態としては飲み屋さん。長崎料理のお店で、式見のすり身揚げや五島うどんに雲仙のとろろ昆布トッピングなどもあります。長崎ご出身の皆さん、ここは必見ですよ！

まずはドリンクを。生ビールはヱビスビール、瓶ビールに黒ラベルと赤星がある。野方という街そのものがサッポロビール率が高いのですが、ここもぶれることなく星。日本酒は黒板を…となっていますが、もちろん長崎の地酒が豊富に揃っています。

一杯目は生ビールで。サッポロヱビスビール。冷蔵庫で冷やされたジョッキに丁寧に注がれるビール。美しい見た目。もちろん美味しい！では乾杯。

おつまみは、まずは驚かされる鮮魚の膨大な種類。天然生本まぐろの脳天、ホホ、かしら、赤身など、これだけでもびっくりするのですが、ヒラメにホウボウに長崎といえば鯖も忘れてはいけません。こんなにお刺身が揃う個人居酒屋、あんまりないですよ！

焼き物、煮魚、一品料理も豊富で、セコカニ（松葉ガニの雌）の甲羅づめなんてものも。生牡蠣は1個300円からで、牡蠣料理も色々並んでいます。

こちらは基本のメニュー。魚ロッケも気になるし、大村のさつま揚げだって食べたい。のりも有明産ですか。値段もこの通りとってもリーズナブル。

お店は若い男性がお二人できりもりされています。オープンしてこの1月でちょうど一年とのこと。以前は喫茶店だったのかな。居抜きな感じでちょっと不思議なつくりですが、それもまた味があっていい。カウンターで一人飲む人もいれば、近くにお住まいのご夫婦が楽しい時間を過ごされている光景もあります。

日替わりの骨せんべい（150円）で、まずは一品目がくるまでのつなぎ役を。これでも十二分にお酒が進みます。こうなると佐世保の日本酒をお燗で飲みたくなってくるなぁ。

メインディッシュ、生牡蠣の登場です。肉厚ぷりぷり、300円なのにこんなに立派なのをだしてくれるなんて、もう感動です。レモンを軽く絞って一口でつるりっと。はぁー、幸せ。

ビールは赤星に変更。大衆的だけどしっかり料理がいいお店。そんなところには赤い星がよく似合います。

大村のさつま揚げ（300円）をおつまみに、のんびりとここちの良い時間が流れます。ベッドタウンの商店街ということもあり、とても静かな感じだしお客さんも地元の人達だけだからリラックスして飲まれています。そんな空間に自分も座っていると、心がほかほかしてきます。

あ、このままだとぼーっとし過ぎてしまう。居心地が良すぎる、どうしよう。そうだ、こういうときはクエン酸サワ―です。

まだまだ魚を食べたいところですが、全部魅力を紹介してしまうのはあまりにももたいない。あとは皆さんご自分で飲みに来ていただくとして、私は野方在住の方イチオシのご飯物、納豆しらすチャーハンをいただくことに。

納豆とシラスを醤油味で炒めたチャーハン。味が想像つかないでしょう。これがとってもお酒に合うんです。チャーハンはおつまみだと思っている私ですが、これはいい。オリジナリティがあるしなにより美味しい。

さて、次は壱岐麦焼酎の村主をロックでいきましょうか…そうして、野方の幸せな夜は流れていくのでした。

牡蠣がいい、鮮魚がいい、料理の腕がいい、客層もいいし接客も酒場らしくてとてもいい。野方という立地を含め、このお店はかなりツボにはまりました。取材などではなく、プライベートで父を連れて飲みに行きたい。そう思った一軒です。

こういう銘店に出会えるから、毎日の梯子酒はやめられません。美味しかったです。
ごちそうさま。

ちなみに、ヤッホーロードのヤは「野」、ホーは「方」。素敵なセンスね。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）

みはる食堂
03-5356-7988
東京都中野区野方5-24-3
18:00～翌3:00（火定休）
予算2,800円