石神井公園「くうのむ ちゃのま」 大衆酒場好きがつくる理想の形。カウンターに酔う。


石神井公園駅前で2016年8月に創業、新進気鋭の酒場「くうのむ ちゃのま」。酒場好きの店主が全国を飲み歩き、そこで飲んで食べて感じたものを編集して作られた「酒場好きの理想形」です。

石神井公園駅の周辺は南北ともに飲み屋街は大きく広がっていますが、「くうのむ ちゃのま」は北口のやや離れた場所。店の周辺は静かで、しみじみ飲める環境です。

 

一段高い場所の揚げ場、客席前の板場、角に囲炉裏を配した厨房。それを囲むようにL字カウンターを配したつくり。ベッドタウンということで、夫婦や家族連れの利用に向いたテーブルもあり、この日も家族で飲む光景が多数見られました。

 

古材を多数使用し、壁面にはタイル張り、照明は山荘風のランタンやステンドグラスのランプシェードを取り入れ、派手すぎない程度の和モダン。

 

カウンターは厨房の調理風景も肴に飲める特等席。並ぶ大皿料理に目移りしつつ、まずはビールから始めましょうか。

 

生ビールはキリン一番搾り(ジョッキ500円)、瓶ではキリンラガー(大びん600円)と黒ビールで一番搾り黒。日本酒で注目はあまり取扱店は多くない澤乃井(青梅)の樽酒です。日本初の全量純米酒化した純米ブームの牽引役、蓮田の神亀酒造など顔ぶれにこだわりが感じられます。

 

酎ハイはバリエーション豊富で、ベース焼酎はオリジナルのガラスの壺にはいった亀甲宮を使用しています。

 

ガス圧、鮮度もばっちり。美味しい一杯が登場。喉を潤すいつもの一杯。キリン一番搾りで乾杯。

 

提供する料理は手作りであることにこだわるお店で、ほっとするお通しから始まります。

 

ちゃのまのこんだて。魚料理ととんかつが二枚看板。いろりで焼くとろいわしや、チロリに入れて酒燗器を用いて温めている串おでんなど、目移りする内容です。

 

まずはすぐでる料理から。目の前に並ぶ大皿から選ぶのは楽しい。むかれてちゅるりと置かれたトマトに目が行きます。

 

ただの冷やしトマトかと思いきや、パクチーと甘酸っぱい出汁をかけて供されました。箸置きはおなじみ崎陽軒の瀬戸物醤油入れ「ひょうちゃん」。

 

ビールジョッキをすっと乾かしたあとは、ここは珍しい澤乃井樽酒といきましょうか。カウンターの内側で静かに存在をアピールしている樽。そこから片口に酒を流し、目の前で升に注ぐ。天然粗塩をお好みで角に載せて、口へ運びましょう。

 

ほら、とっても美味しい。樽酒の香り、木升の風合い。何でもない日もちょっぴり良い日に感じます。

 

品書きの刺身盛り合わせは二人分で1,500円とありますが、一人飲みの人はその半分というわがままも聞いてくださいます。丁寧に一切れずつ、めじまぐろ、囲炉裏で軽く炙った太刀魚、さより、いしだい、いさき、そしてきんめ。なかなか贅沢です。

包丁さばきを目の前で眺められるので、盛られていく過程を肴に升酒も進みます。

 

店主が好物と添え書きされたウーロンハイ。これだけ他の酎ハイよりも手頃で一杯300円。酒場好きはウーハイ好き?

 

品書きのところでさらりと流しましたが、酒場でとんかつが看板料理というのは珍しい。専用の揚げ場が一段高いところにあり、注文を受けてから豚肉に塩コショウと専用のケースに入るパン粉をまぶして揚げられる本格派。

 

家業はとんかつ屋という店主。それを聞いて納得。そして、酒場にとんかつが意外と合う。かつ煮や同じもち豚を使用した肉豆腐なども期待できそうです。

 

揚げものにはハイボール。といってもウイスキーベースではなく、キンミヤに天羽の赤ラベルを垂らした下町ハイボールで。炭酸は対称に位置する新小岩からやってくるドリンクニッポンです。

 

色付きの焼酎ハイボールにとんかつ。色々不思議で、色々こだわりがあり、それが絶妙なバランスで心地よい空間をつくりあげています。もともと店主は名店づくりで有名な「汁べゑ」などを手がける会社で10年以上の修行された方。

新しいけれど洗練もされている「ちゃのま」で”くうのむ”してみては。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

くうのむ ちゃのま
03-5923-5677
東京都練馬区石神井町2-13-5
17:00~24:00(不定休)
予算3,000円



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