吉祥寺『まりや』山芋が味の決め手!70年続く畳敷きの老舗お好み焼き店

吉祥寺『まりや』山芋が味の決め手!70年続く畳敷きの老舗お好み焼き店

1955年(昭和30年)、酒屋として始まった老舗『お好み焼き まりや』。吉祥寺の変遷を見つめてきた木造一軒家の店でしたが、2020年についに移転。それでも、海の家や民宿を連想する「畳座敷」のスタイルは健在です。お好み焼きを囲みながら、ワイワイとビールを楽しむ昭和の吉祥寺の夜がいまもここには残っています。

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飲食ビルの2階に広がる、懐かしの入れ込み座敷

若者文化と昔ながらの商店が共存する街、吉祥寺。駅北口のヨドバシカメラ裏手、雑居ビルが並ぶ一角に『まりや』はあります。残念ながら老朽化のため、数メートル離れた場所に2020年に移転。

新店舗は飲食ビルの2階、一見すると他のお店と変わらない入り口の先です。

一歩足を踏み入れ靴を脱いで上がると、そこは別世界。店内はすべてが板と畳を敷いた入れ込み座敷で、カウンターやテーブルはありません。

旧店舗時代

旧店舗は木造二階建てで、地方の小さな民宿で食事をしているような情緒がありましたが、新しいビルの中でもその雰囲気は受け継がれています。

民家の玄関のような入口でした
二階の広間は、廊下や部屋を繋いだつくりでした
武蔵野台地の風が吹き抜ける空間は開放感たっぷり
昭和のトタンが並ぶ窓からの眺め
年季の入った分厚い鉄板で焼くと美味しかった

あえて掘りごたつにしていないのが「まりや」流。それがかえって「実家」のような安心感を生み出し、この空間を愛する人々で賑わっています。近隣の会社員から家族連れ、吉祥寺慣れした落ち着いたカップルまで客層は様々。吉祥寺の喧騒から離れた、落ち着いた時間が流れます。

まずは黒ラベルをグッと飲んで、さあ焼きましょう

サッポロ生ビール黒ラベル:660円

まずはサッポロ生ビール黒ラベルのジョッキで乾杯。畳の上で飲むビールは、また格別です。

「まりや」のルーツは「酒屋萬里屋」。角打ちがやがて鉄板焼屋へと変化したようです。そのためか、お好み焼き以外の鉄板焼きメニューも充実しています。名物は「まりや好み」(890円)。白菜と豚バラ肉を塩コショウとカラシ醤油で炒めた一品で、これぞ酒の肴です。

ミックス:890円 チーズ:290円

お好み焼きは、今も600円台からと良心的な価格設定。基本は自分で焼くスタイルです。今回は「ミックス天」に「チーズトッピング(290円)」を追加。生地は山芋たっぷりというのが昔からのこだわり。約半分が山芋なのでは?と思えるほど、混ぜると強い粘りを感じます。

鉄板の上でじっくりと蒸し焼きにすれば、粉っぽさは皆無で、驚くほどフワフワの仕上がりに。口当たりが軽く、いくらでも食べられそうです。

キリンラガービール中瓶:660円

このお好み焼きには、やはりビールが合います。追加でキリンラガービールを。旧店舗時代から、この畳座敷にはラガービールの茶色い瓶がよく似合いました。

〆は昔ながらの「縮れ麺焼きそば」

お好み焼きでお腹は満たされますが、〆にもう一品。「まりや」に来たら「焼きそば」も食べておきたい。

ソースが香ばしく焦げる音と香り。使われているのは、昔ながらの縮れ中華麺です。この少し懐かしい味わいが、老舗のお好み焼き屋の〆にぴったりです。

時代が変わっても「まりや」は吉祥寺にあり

創業から70年。吉祥寺の街並みは変わっても、ここは時間が止まったかのようです。

移転しても変わらない畳の温もりある空間。店員さんは学生アルバイトが多いようですが、皆さん楽しく接客されていて、それもまた吉祥寺らしさが感じられるから好きなんです。子供の頃に通った近所のお好み焼き屋気分をぜひ。

店舗詳細

お酒のメニュー
料理のメニュー
店名お好み焼き まりや
住所東京都武蔵野市吉祥寺本町1-30-16 2FA号
営業時間17時00分~23時00分
火曜日定休
創業1955年(2020年に現店舗へ移転)