山手線で最もディープな駅前風景が広がる鶯谷。その改札口の目の前、徒歩0分の場所に終戦まもない頃から時を刻む町中華があります。名物のチャーハンと焼酎ハイボールで、ノスタルジックなひとときを過ごしませんか。今回は、山手線の駅に最も近いであろう町中華をご紹介します。
神社の敷地にある、駅徒歩0分の老舗

JR鶯谷駅の北口改札を出ると、目の前には独特の空気が流れています。左手には朝から飲めることで知られる大衆食堂「信濃路」がありますが、今日の目的地はそのお隣「大弘軒(たいこうけん)」です。

驚くべきことに、住所は「元三島神社 1F」。神社の敷地内にありながら、山手線のホームに接する「徒歩0分」という圧倒的な立地。長い年月、この場所で通勤客や地元の人々の胃袋を満たしてきました。

店内は朱色のカウンター席と、テーブルが並ぶコンパクトな造り。まさに「典型的な個人経営の中華屋さん」といった雰囲気です。この空間が落ち着くんですよね!

壁には麺飯類だけでなく、餃子やカニ玉、麻婆豆腐といった一品料理の張り紙が並びます。飲み物もビール、清酒に加えてレモンサワーまで揃っており、昼からの通し営業の「町中華飲み」スポットとしても利用可能。
コショウが効いた「しっとり系」チャーハン

パイプ椅子に腰掛け、まずは缶入りの「宝焼酎ハイボール」をお願いしました。冷蔵庫から取り出された冷たい缶が、なんとも良い雰囲気です。グラスも用意してくれて、なによりロックアイスが入っているのが嬉しい!

注文はもちろん「チャーハン」。 カウンター越しでは、大将がリズミカルに中華鍋を大きく振って炒めています。

運ばれてきたチャーハンは、美しく丸く盛られた「しっとり系」。具材はチャーシュー、卵、ネギといった王道のものですが、刻まれたナルトの主張が強めで、その食感が楽しいアクセントになっています。

一口食べると、胡椒がしっかりと効いた、やや濃いめの味付け。パラパラ系とはまた違う、米一粒一粒が旨味を吸ったような一体感があります。

このチャーハンをつまみ、そこへぐっと宝の焼酎ハイボールを流し込む。たまにはこんな一軒目もいいですよね!
昭和の空気感が残る場所
創業から70年以上。鶯谷駅前の風景は変われど、ここは昭和の空気感がそのまま残っています。
駅の目の前という便利さで、サッと食事を済ませるもよし、一品料理で飲むも良し。支払いは現金のみ、そして今となっては貴重な全席喫煙可という、昔ながらのスタイルを貫いています。
時代の流れに迎合しない、この「変わらなさ」こそが、多くの人を惹きつける魅力なのかもしれません。山手線でお腹が空いたら、ふらっと改札を抜けて訪ねてみてはいかがでしょう。
店舗詳細


| 店名 | 中華料理 大弘軒 |
| 住所 | 東京都台東区根岸1丁目7−5 1階 |
| 営業時間 | 11時30分~20時00分 日定休 |
| 創業 | 70年以上前 |
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