荒川区役所近くで42年愛された伝説の焼肉店が「二代目」として帰ってきた!『焼肉もりちゃん』といえば、唯一無二のテグタンスープの巨大な肉塊が伝説でした。路地裏から大通り沿いへ、煙モクモクから無煙ロースターへ。日比谷線を途中下車してでも食べに行きたくなる、劇的進化を遂げた名店をご紹介します。
目次
路地裏の伝説が、大通りで再始動

かつて、南千住の入り組んだ路地裏に、地元の人々が足繁く通う焼肉店『焼肉もりちゃん』がありました。俳優の唐沢寿明さんゆかりの店としても知られ、創業から40年以上、煙と熱気の中でスタミナ満点の肉を提供し続けてきました。ですが、残念ながら、建物の老朽化などの理由から、2025年10月に惜しまれつつも閉店。
また一軒、貴重な町の焼肉屋さんが閉店してしまったとガッカリしていたところ朗報が!二代目として店を移転再開するという情報が入りました。

場所は東京メトロ日比谷線・三ノ輪駅から徒歩3分ほど。日光街道沿いという分かりやすい立地になりました。以前のディープでセピアな趣も味わい深かったですが、二代目は明るく清潔感あふれる空間です。
特筆すべきは無煙ロースターの完備。仕事帰りの服でも匂いを気にせず楽しめるようになったのは、現代の焼肉事情にマッチしています。

店内は4人掛けテーブルが4卓のみ。こぢんまりとしていますが、その分、お店の方との距離感も近く、アットホームな雰囲気は健在です。先代の味を守りたいと立ち上がった二代目チームの熱意が、店内の端々から伝わってきます。
黒ラベルと絶品塩ハラミで乾杯
生ビール(サッポロ黒ラベル):700円

席につき、まずは何はなくともビールです。銘柄はサッポロ生ビール黒ラベル。完璧に洗浄されたサーバーから注がれる一杯は、きめ細やかな泡が蓋をしています。ちなみに、瓶ビール(800円)は酒場好きの心をくすぐる「サッポロラガー(赤星)」が用意されています。二代目店主さんの好みなのだそう。
冷えたジョッキを掲げて、乾杯!

まずは「ナムル盛り合わせ(600円)」をつまみながら、メニューを吟味します。もやしとほうれん草のシンプルな味付けが、これからの肉への期待を高めてくれます。
ハラミ:1,600円

「おすすめは何ですか?」と尋ねると、即答で「ハラミ、しかも塩」との答え。
ハラミといえば内臓肉特有のクセをカバーするためにタレで食べることが多い部位ですが、あえて塩推し。これは自信の表れでしょう。

運ばれてきたハラミは、鮮やかな赤身に粗挽きの黒胡椒と白ごまが振られ、食欲をそそるビジュアル。網に乗せても無煙ロースターのおかげで煙に巻かれることなく、じっくりと焼き加減を見極められます。

口に運ぶと、その柔らかさに驚きました。噛むほどに赤身の濃厚な旨味が溢れ出し、塩ダレが肉本来の甘みを引き立てています。臭みは皆無。新鮮な肉特有の、サクッとした歯切れの良ささえ感じます。
こぶくろ:800円

続いての驚きは「こぶくろ」。皿に盛られたそれを見て、思わず「大きい!」と声を上げてしまいました。「オオブクロですね」と二代目と笑い合います。

一般的なコブクロの倍はあろうかというサイズ感。

丁寧に下処理された淡いピンク色の身には、ピリ辛のタレがしっかりと絡んでいます。

焼けばブリブリとした弾力が増し、淡白ながらも奥深い味わいが楽しめます。
これはマッコリをあわせたいと注文。店主さんがこだわって仕入れているという日本では珍しい銘柄がでてきました。甘さ控えめでシャープな飲み心地です。
てっちゃん:800円

定番の「てっちゃん」は、先代から受け継いだ真っ赤な辛味噌ダレでいただきます。

脂の乗ったホルモンが焼ける香ばしい匂い。

口に含むと、トロトロの脂の甘みと、ピリッと刺激的な味噌のコクが渾然一体となって押し寄せます。ここですかさずマッコリを合わせる。至福の瞬間です。

ドリンクメニューには「焼酎もりちゃん(麦・芋)3,600円」や「ワインもりちゃん(白・赤)4,800円」といったオリジナルボトルも。グループで訪れてボトルを入れるのも、この店の正しい楽しみ方かもしれません。
特上テグタン:1,800円

いよいよ真打ち登場!移転前のもりちゃんを全国区の知名度にした特上テグタンです。

真っ赤に染まったスープが大きな丼で運ばれてきました。一見すると激辛スープのようですが、レンゲを入れるとズシリと重い手応えが。スープの中心から持ち上がってきたのは、たっぷりのネギとゴマをまとった、握りこぶし2つ分はある巨大な牛スネ肉の塊。

骨周りの肉を使っているため、煮込まれることでホロホロに柔らかくなっています。箸で崩しながらスープと一緒に啜ると、唐辛子の刺激の奥から、牛骨と肉の重厚な旨味が波のように押し寄せてきます。

辛い、でも旨い。汗をかきながら最後の一滴まで飲み干したくなる、魔性の味わいです。二人なら満腹になること間違いなし。
予約必須、進化した名店へ

42年の歴史を一度閉じてから、わずか1ヶ月半でのスピード再開。そこには、店を継いで二代目となった、元常連さんの強い意志が感じられました。「この味を絶やしてはいけない」その気持ちわかります!
テーブル4卓という限られた席数ゆえ、一人でふらりと立ち寄るよりは、仲間と予約をして訪れるのが確実です。今度の週末は、東京メトロ日比谷線を途中下車して、伝説の肉塊にかぶりついてみませんか。
店舗詳細




| 店名 | 二代目焼肉もりちゃん |
| 住所 | 東京都荒川区南千住2丁目1−1 |
| 営業時間 | 17時00分~22時30分 不定休 |
| 創業 | 初代 1983年創業 二代目 2025年12月9日創業 |
![Syupo [シュポ]](https://syupo.com/wp-content/uploads/2022/01/syupo-logo.png)
