練馬区・氷川台でもつ焼きといえば『新発田屋』です。フワフワな煮込みとハラミを焼肉風に漬け焼きしたスタミナが名物。沿線では貴重な大衆酒場の一軒。店名の「新発田(しばた)」は新潟の地名で、新潟の料理やお酒も提供されています。
目次
創業20余年。個人店のあったかい雰囲気
池袋から地下鉄副都心線・有楽町線で10分ほど。練馬区北東部に位置する氷川台。緑豊かな城北中央公園、そして石神井川が流れる穏やかなベッドタウンです。
地下鉄氷川台駅の開業が1983年と比較的新しいため、他の街と違い横丁や飲み屋街のような場所はありませんが、いくつか渋い酒場が存在します。
そのひとつが、駅徒歩2分の新発田屋。赤提灯と「串焼」の幟が家路につく人々を誘います。
『新発田屋』の店名から想像出来る通り、大将は新潟・新発田の出身。東京の老舗もつ焼き暖簾「加賀屋」での修業を経て、約20年前に創業しました。
2000年頃オープンの酒場とは思えない、「ザ・大衆酒場」な店内に癒やされます。テーブル席が並ぶ先に、調理場とそれを囲むカウンター席という構造です。訪ねた時刻は18時。カウンター以外はすべて席が埋まるほど賑わっています。
品書き
お酒
樽生はサッポロ生ビール黒ラベル:540円。瓶はサッポロ黒ラベル中瓶:550円、ヱビス プレミアム ブラック小瓶:460円。
サワー・割もの類は、ハイサワーハイッピーセット:430円、ホッピー(ホッピー・黒ホッピー)セット:460円、ハイボール:430円、レモンハイ:430円、しそバイスサワー:430円、クエン酸サワー:430円、緑茶ハイ:430円など。ベースはキンミヤ焼酎20°。
日本酒は、菊水:480円、佐渡の鬼ころし:480円、〆張鶴:820円、澤乃井:480円など新潟が中心。
黒板メニュー
こしあぶら天ぷら:580円、合鴨スライス:420円、あじの開き:520円、こぶくろ刺し:480円、カキフライ:480円など。
定番メニュー
看板料理のやきとんは、スタミナ(ハラミ焼肉風):160円、ホルモン:160円、シロ:140円、タン:140円、カシラ:140円、ハツナンコツ:140円、やきとり:140円、つくね:140円、手羽先:380円、串盛り合わせ6本:800円など。串単品は2本単位。
定番では、もつ煮込み:500円、ミニもつ煮込み:380円、和牛ハツ刺し:640円、馬刺し:680円、若鶏唐揚げ:480円、串カツ2本:480円、栃尾の油揚げ:380円、特製焼きうどん:680円など。
モツが新鮮!仕込みに技あり
サッポロ生ビール黒ラベル(540円)
ビールは昔から変わらずサッポロだそう。樽生ビールは鮮度、洗浄、温度、いずれも完璧な一杯がでてきます。それではサッポロ黒ラベルで乾杯!
こぶくろ刺し(480円)
新鮮、プリプリ!丁寧な下ごしらえでクサミは皆無。酢味噌のピリ辛とコクがこぶくろの美味しさをより引き出します。
ホッピー(460円)
ベースの焼酎、いわゆるナカは甲類のキンミヤ焼酎です。キンミヤロゴ入りのグラスで提供されるのがまたいいですね。ナカを追加して3杯くらい楽しめます。
もつ煮込み(500円)
『新発田屋』の名物料理がこちら。土鍋で提供される熱々の煮込みです。
ふわふわでトロトロ、白味噌ベースで具だくさん豚汁のような印象。よっぽど時間をかけて下ごしらえをしなければできないような、驚くほどきれいな味です。濃厚な旨味で、豆腐と一緒につゆまで飲み干したくなるくらい。
カシラ(140円/本)・スタミナ(160円/本)
煮込みとホッピーという、まるでお手本のような組み合わせを楽しんでいたところで、もつ焼きが焼き上がりました。大ぶりで食べごたえがありそう!
左の2本がカシラ、右がスタミナです。
どんなに家飲みが増えても、やはりプロのもつ焼き店で食べる焼きたての串にはかないません。焼きすぎずジューシーでたぷたぷのカシラ。ニンニクの風味を効かせた甘辛いタレに漬け込んだハラミのスタミナ串。どちらもひとくち食べて笑顔になる美味しさです。
レモンハイ(430円)
加賀屋から独立された方の店ではよく見かけるホッピービバレッジのレモンが、ここ新発田屋にもあります。酸味が効いたフルーティーな割材で、串焼き、煮込みと相性ぴったりです。
ソトが少し残るため、ナカを1杯お代わりすれば合わせて2杯飲めるため、一杯あたりがちょっぴりオトク。なんていいながら、あっという間に飲んでしまうのですが…。
新潟わらびのおひたし(420円)
新潟の地酒や栃尾揚げ、そして新潟のわらびなど、新潟由来のものがアクセントとして入っているのが嬉しいです。新潟・新津の酒場で「雪が多い新潟は良質な山菜の宝庫。わらびはとくに美味しい」と教えてもらって以来、新潟産わらびが大好物になりました。
味が濃くてねっとりとした独特な食感がたまりません。
テーブル利用なら予約がおすすめ
小一時間ほど飲んで店をあとにする頃には、店先に入店を待つ人々の姿がありました。週末でなくてもこの賑わい。何人かで飲みに行く場合は予約されることをオススメします。
人気の理由はここまでご紹介した通り、素直に美味しいと思えるまじめな料理でしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 新発田屋 |
住所 | 東京都練馬区早宮1-1-16 |
営業時間 | 17:00~24:00(日定休) |
開業年 | 2000年代 |