横浜生まれの麒麟麦酒は創立110年!誕生日をお祝いしに横浜工場に潜入取材

横浜生まれの麒麟麦酒は創立110年!誕生日をお祝いしに横浜工場に潜入取材

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【シリーズ】人生に寄り添うビール応援プロジェクト

私たちが毎日のように飲んでいるビール。お父さん・お母さんも、おじいちゃん・おばあちゃんも飲んできた定番ビール。一世紀を越えて愛され続けているビールはご存知の通り3社あります。昨今、クラフトビールが注目されていますが、毎日飲んでも飽きない、日本のあらゆる料理にマッチするビールはやっぱりナショナルビールです。

酒場を愛するものとして、酒場と100年以上歩み続けてきたナショナルビールをSyupo<シュポ>は応援いたします。

 

麒麟麦酒は1907年2月23日創立

ナショナルビールの一社、皆さんの日常で目にしない日はないかもしれない麒麟麦酒は、今からちょうど110年前の2月23日に横浜で創立されました。

前身のジャパン・ブルワリー・カンパニーの時代から操業していた初代の工場は横浜山手にありましたが、関東大震災の被害を受け、現在の横浜市鶴見区生麦に移転しました。そんな歴史背景もあり、麒麟のビールづくりの中心であり、プライドは現・横浜工場に受け継がれています。

 

お祝いのために潜入取材!

キリンビールの皆さんだけでお誕生日を迎えるなんてもったいない。せっかくならば、筆者もライターとして「文章」でお祝いしたい!と駆けつけました。朝の強い風雨のなか、生麦駅から工場へ。通常の工場見学ルートは何度か遊びに来ていますが、今回は「お祝い」という建前で押し掛けています。

特別な計らいにより、普段は越えることの出来ないこのレンガ壁の向こう側へ潜入です。

 

ビールの製造事業所の衛生管理はすばらしい。私も着替えを済ませて、麒麟麦酒のコアともいえる醸造タンクのもとへ。

 

ずらりと並ぶタンクは、それぞれ糖化、搾り、ホップを加えて煮沸、ワールプールの役割があり、工程をひとつずつ釜を移して進めていきます。いっぱい似た形状のものが並んでいるので、どれも同じ役割のように思われるかもしれませんが、この建屋の中を順次麦酒の素にになる麦汁が旅をしていくわけです。

 

そういえば、上のガラス張りの通路から視線が。そうか、これは見学ース!横浜工場の見学内容は2016年にリニューアルされていますので、こちらも遊びに行こう。

 

そんな見学コース側から見るとこんな眺め。見覚えのある、これぞビール工場見学の光景ですね。

 

こうして旅をしてきた麦汁が、この仕込み空間の最終工程となる醸造釜へと流れていきます。バルブを回して、というアナログな作業ではなく、プログラム通りの時間になると流れてきました。この工程を「麦おろし」と呼ぶそうで、実際に滝のようにざーっと釜の中へ麦汁(冷却麦汁)が流れ出し溜まっていきます。

このタンクに来るまでは発酵前。ここで酵母と混ざり、数日低温で寝かせることで発酵が進み麦汁の糖は炭酸ガスとアルコールに分解され、ビール(正確には若ビール)へと生まれ変わります。つまり、ここが醸造の瞬間。普段飲んでいるビールの一部が、目の前のタンクを通過したと思うと不思議な気分。ナショナルビールはいくら工業製品と言われても、規模が大きいだけで醸造家の作り出す「手作り」と変わらないんです。

 

麒麟110歳の誕生日に麦おろしされる横浜づくり

2015年より全国の工場ごとに異なる味で醸造された地域限定の特別な一番搾り[工場限定醸造]。作年に引き続き、今年も横浜工場限定「一番搾り横浜づくり」の発売が決定しました。その「横浜づくり」の第一号の麦おろしが、まさにこのタンク、目の前で始まりました。

誕生日に醸造するビールが横浜づくり。大手酒類企業であっても、やはり醸造家らしい祝い方です。

 

地元、FMヨコハマのLovely Day♡の中継で、リポーターの藤田優一さん。”【街角リポート】街角リポータ ーのプレミアムフジタ君の街角リポート!”という企画で、110周年の取材でした。

 

熱心に醸造釜を覗いていた作業着姿の人は、実はキリンビール横浜工場の醸造長。横浜づくりの味を作り上げた方で、2015年の初代横浜づくりから毎年担当されています。今年も度数6%で、横浜グルメにも負けない華やかな味が楽しめそうです。

この醸造釜で若ビールとなった横浜づくりは、貯蔵タンクへと移動し、しばし約0度の空間で熟成されて私たちが普段飲むビールへと育っていきます。発売は4月25日、楽しみですね。目の前で醸造の始まりを取材したことですし、一刻も早く飲んでみたい!

 

一刻も早く!早すぎて発酵していませんが、最速「横浜づくり」レポート

飲んでみますか?との言葉に、”くい気味”で「はい、飲みたいです!」

醸造釜に入ったばかりで、まだ酵母が糖をアルコールに変えてくれる前なのでビールではないのですが、それでも一刻も早く、関係者以外初?の「横浜づくり」2017年Verを試飲しました。

モロミの状態と、冷却麦汁の2種類。

ここだけの話、「JY」というのは、横浜づくりの社内記号。47都道府県一番搾り(工場のある県の◯◯づくり以外)は、「JI」ですが、◯◯づくりはそれとは別に「JY」や「JM」などが割当られています。(※JMは仙台づくり。以上、超マニアックネタでした。そもそもこの記事自体がファン向けですが。)

 

最速レポート!一番搾りならではの雑味のない味かな?ガツンとくる苦味は?…

甘くて、これを好むビール酵母(微生物)でなく人が飲んでも美味しい。ですが、これがどんなビールに育つのかまったくわかりません。麦汁を試飲しただけで味が想像できれば、私も醸造家の仲間入りだと思ったのに(笑)

最速すぎて、役立たずの記事。いや、だってわかんないって。これで想像できるような人間だったら、むしろ飲ませてくれないでしょうし。発売を待ちましょう。

麦おろしをしたころには雨風も収まっていいお天気に。

 

貯蔵された若ビールは?

ビール工場のアイコン的存在といえば、巨大な貯蔵タンクの存在。このなかに、一人が一生かけても飲めない量のビールが美味しくなるために眠っています。ときがきて、濾過(キリンクラシックラガーなら加熱処理)されて、完成したビールとなります。

 

出来上がったビールは、次々と缶・瓶・大樽へ充填されていきます。瓶ビールは王冠の栓を打たれて、箱詰め機によってP箱へ収められ、ベルトコンベアーに乗って出荷口へ。トラック、鉄道コンテナに載せられ、最終的に皆さんお馴染みの酒販店へ。

 

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酒販店から、家庭へ、飲食店へと移動しこの瞬間を迎えます。瓶ビールの最初の一滴が流れるとき、ビールを囲むみんなが笑顔になる。「おいしさを笑顔に」(2007年~2015年 キリンコーポレートスローガンより)という意味が、工場の出発点から見てくるとよくわかります。

「飲み物」を進化させることで、 「みんなの日常」をあたらしくしていく(2015年~ キリン理念より)。横浜づくりは、神奈川県内の酒場の日常に、新しい美味しさと楽しみを添えてくれそうですね。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビール株式会社)