浅草寺の北側、古くから「観音裏」と呼ばれる千束エリアに待望の角打ち誕生。土日はお昼から営業。お酒の種類が豊富で、しかもびっくりするほど良心的。それでいてカフェ感覚で落ち着いて飲めるのですから、角打ちファンは行くしかありません。
目次
お酒好きこそ、再びの角打ちを
国際通り沿い、浅草酉の市で有名な鷲神社の向かいに一軒の酒販店があります。創業1902年創業の『菊本屋』です。
120年を超えて地元の人々や飲食店に親しまれてきた老舗ですが、2020年以降の酒類規制・行動変容の影響が直撃し、新たな事業が必要になりました。そうして開設されたのが角打ちコーナーです。小売や業務用配達に並ぶ3本目の柱として、外食が復活してきた現在も、多くの愛用者で賑わっています。
角打ちコーナー外観
入谷駅、浅草駅、どちらからも徒歩圏ということもあり、週末は観光がてら飲みに来る遠方のお客さんも多いそうです。
内観
店の一部の棚をテーブルに変えて簡易的な飲酒スペースにする角打ちが多い中、同店は小売りスペースとは完全に独立した角打ち店舗を隣接させています。
完全着席で、一人飲み用のカウンターから2~6人で利用できるテーブル席まで完備。隣の酒販店と同名でなければ、新規オープンの”一杯飲み屋”にも思えそう。店の中央には、堂々と江井ヶ嶋酒造の神鷹の菰樽(こもだる)が鎮座しているあたり、こだわりも感じられます。
レジ脇には、一杯売りのウイスキーやリキュールがずらり。希少価値が上がってきた国産ウイスキーから、浅草界隈に縁がある合同酒精(浅草でみかはや銘酒店として創業)系のお酒までずらり。
酒屋だから当たり前と思うかもしれませんが、『菊本屋』で一杯売りしているお酒の種類は膨大で数え切れません。全国津々浦々角打ちを巡ってきた私が知る中でも、日本トップクラスです。
一杯売りしているお酒とおつまみ一覧
ここで紹介するのは、扱っているお酒のごく一部です。角打ちながら樽生ビールもあります。銘柄はサッポロ生ビール黒ラベル。
『菊本屋』が創業した1902年の翌年に、浅草の向かい、吾妻橋を渡った場所に「札幌麦酒東京工場」が竣工し、1900年代、浅草は札幌麦酒一色に染まりました。終戦後の分社化により吾妻橋からサッポロビールの工場は撤退しましたが、『森本屋』は店の看板にもあるようサッポロ推しがみられます。
- サッポロ生ビール黒ラベル:400円
- サッポロラガービール・アサヒスーパードライ・キリン一番搾り中瓶:各400円
- デュワーズハイボール:250円
- サッポロ玉露入りお茶割り:250円
- 男梅サワー:250円
ホッピーは3冷ホッピーで提供されています。
国産ウイスキーもご覧の通り。こんな安さでいいの?と驚きます。
もちろん日本酒も豊富な品ぞろえです。とくに江井ヶ嶋酒造は特約店ということで、タイプ別で様々な銘柄が用意されていました。
蛍光灯に照らされた空間ですから、専門店的な情緒より「効率型」ではあるものの、ここに来ればリーズナブルな値段で希少銘柄があれもこれも楽しめます。安さばかりが注目される角打ちですが、酒屋は文字通り「酒の専門店」ですから、いろいろ味わいたいときの最適解ではないでしょうか。
おつまみは簡易的なもの。ご近所の豆腐屋さんの手作り豆腐(200円)なんて魅力的ではありませんか。
角打ちは、大人のための駄菓子屋
店先のベンチにこしかけて、国際通りの往来を眺めつつサッポロ生ビール黒ラベルで乾杯!
よく磨かれたサーバーから鮮度の良いビールを、キンキンに冷やしたジョッキに注いでくれます。散策途中の一杯にこれはたまりません。
焼鳥2本(200円)
簡単なおつまみをつまみつつ、次のお酒を。
ハイボールいろいろ
デュワーズにする?それとも角ハイボールにする?私は電気ブランハイボールも好き。
玉露ハイ(250円)
常日頃から玉露ハイが好きだと話していますが、ここでも見つけました。この色、この濃さがいいんです。
乾きもの・スナック菓子
手頃な値段でいろんなお酒が飲める『森本屋』に、気分は駄菓子屋飲みなのですが、実際に数十円からのスナック菓子もあります。
江井ヶ嶋酒造 日本魂 水酛仕込み(300円)
え、この値段でいいの?と思えるクオリティの高いお酒。透き通る米の甘さとコク。余韻の香りが心地良い一杯です。
神鷹
もちろんスタンダードな神鷹もあります。お燗でいただきましょう。
ジーマ
いろいろあるから本当に悩んでしまいます。最後にデザート感覚で「冬」を意味するZIMA(ジーマ)を。アメリカで人気になったRTDでモルソンクアーズの商品、日本国内では白鶴が輸入販売中。ほんのり甘いアメリカ発のチューハイです。
ごちそうさま
まだまだ飲みたいお酒がたくさんあります。リーズナブルなので、ついついたくさん飲んでしまいそうになりますが、お酒は適量を心がけたいですね。土曜日・日曜日は13時から営業していますし、休みの日の昼飲みスポットとしてオススメです。
今回はあまり触れませんでしたが、洋酒の品揃えも素晴らしく、その道の愛飲家の方にもぜひ。
店名 | 菊本屋 |
住所 | 東京都台東区千束2丁目33−10 |
営業時間 | 営業時間 月曜 18:30~23:30 火曜 定休 水曜 18:30~23:30 木曜 18:30~23:30 金曜 18:30~24:00 土曜 13:00~23:00 日曜 13:00~18:00 |
創業 | 1902年創業 1978年現在地へ移転 2022年角打ち開設 |