日本全国、酒屋で飲める角打ちは街の色が濃くて観光地とは違った旅情が楽しめます。神戸元町で昼から飲める角打ちといえば「山田酒販」でしょう。
最寄りは阪急花隈駅ですが、港町神戸を散策がてら元町駅から歩いてくるのも楽しい場所。店構えの通り、現在も酒販店として営業されていて、業務用を中心に小売でもニッチなお酒を置くことで近隣の飲食店やお酒好きの駆け込み場所となっています。
山田酒販はなんといっても、昼酒が魅力です。朝9時から開いていて、まだ太陽が高いうちからお酒好きの常連さんで賑やかになるお店です。場所柄観光客が飛び込みではいってくることもあり、土地の人との良き交流の場となっています。
競馬開催日は白い新聞を片手に飲むお父さんたちで盛り上がりますが、皆さん紳士なので一見さんも安心。
さすがお酒屋さんという価格設定。大びん390円と立ち飲みとはいえ破格の値付け。この界隈でサッポロラガーを扱うお店が僅かなことから、赤星ファンが集うお店にもなっています。
生ビールはキリン一番搾り、瓶ではアサヒ、キリン、サッポロと揃っています。
角打ちの”アテ”の基本である乾きものや缶詰が中心ですが、冷食や一手間かけた料理もあって、お昼ごはんを兼ねて飲みにきてもそこそこ楽しめるのが嬉しい。
ハリハリ漬けや梅干しが小分けになっているので、ちょいと飲むにも口が寂しくなりません。
明るく清潔、お店の方もきしっと接客されていて、女性だけのグループも集まる雰囲気のよい角打ち。軽い気持ちでふらりと立ち寄れます。
宝焼酎ハイボールで乾杯。最近、西日本へも展開が進む宝の虎の子。甲類をはじめて商品化した宝酒造ですから本業の真ん真ん中ですね。角打ちでもよく似合います、では乾杯。
兵庫県は海外の文化と融合して成長した街。ソースメーカーが多いのも特長で、たこ焼きを頼んだら木戸食品のドリームソースがでてきました。
東京生まれのビールテイストの割り材も、こうしていまや全国区。甲類と別々にでてくるので好きな濃さで楽しめます。さすがに空瓶の返却の関係からワンウエイ瓶ですが、好きな人にはたまらない。
歴史あるお酒屋さんがはじめた立ち飲みスペース。缶詰やゆで卵をつまみに、昼の神戸でノンベエのコミュニティを覗かれてみてはいかがでしょう。
店主は鉄道ファンなので、旅の話題でも盛り上がるかも?
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
山田酒類販売
078-371-3737
兵庫県神戸市中央区元町通4丁目1-6 山田ビル
9:00~20:00(日祝は18:00まで・12:30より一時間休店・不定休)
予算1,200円