大島・北砂『仙台屋』氷なし色付きの酎ハイが、甘タレもつ焼きを進ませる

大島・北砂『仙台屋』氷なし色付きの酎ハイが、甘タレもつ焼きを進ませる

都営新宿線の大島駅から徒歩7分ほど。丸八通りの「北砂6丁目」バス停真正面に、いぶし銀のもつ焼き店があります。世代を超えて親しまれてきた店『仙台屋』。城東エリアで古くから飲まれている色付きの焼酎ハイボールを飲ませてくれる酒場です。

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物腰柔らかな店主が迎えてくれる世代を超えた店

東京・城東地域にある個人経営の酒場には、色や風味がついた酎ハイが多々存在します。甲類焼酎ベースという点では一般的な酎ハイと変わりませんが、お店独自に配合するなどした特別なエキスが入り、これが各店を差別化する要素となっているのです。「あの店の酎ハイは美味しい」というように、下町・城東地域を飲み歩く酒場好きの間では、酎ハイの味が話題に上がることも。

さて、そんな下町・城東の酎ハイは、焼酎ハイボールや元祖酎ハイ、下町ハイボールなどと呼ばれており、最近は合同酒精や宝酒造がそんな下町酒場の味を缶酎ハイで再現しています。そのおかげで、気づけば全国区に。家庭でも簡単に飲めるようになってきましたが、やはりお店で飲む本物の酎ハイは特別だと思います。

Syupoでは様々な酎ハイの名店を訪ねてきましたが、今回ご紹介するのも「名店」と言われる酒場のひとつ。江東区北砂にある『仙台屋』です。

赤い暖簾の向こうにさらに縄のれんを掲げた店構えは、初めての人にはハードルが高く感じるかもしれませんが、勇気を出して訪ねてほしいです。初めての人でもウェルカムな、物腰柔らかな店主さんが迎えてくれます。おすすめは、店の雰囲気に浸れる少人数(一人・二人)での利用です。

「いまカウンターもいっぱいで。裏から入ったところにある階段を椅子にして飲めるのですが、そちらでよろしければ」とのこと。優しい!お言葉に甘え、勝手口から失礼します。

どうですか、この年輪を重ねた雰囲気。駅からやや離れていることもあり、お客さんはほとんど地元の常連さんです。三世代で通っているようなお客さんが、日常の晩酌を楽しまれています。

品書き

  • 酎ハイ・レモンサワー・シソサワー:490円
  • 瓶ビール アサヒスパードライ・サッポロラガー
  • ガツ刺し:ハーフ350円、一人前700円
  • 焼き物(タン・レバー・ハツ・ツクネ・カシラ・ナンコツ・ガツ・シロ・テッポウ・コブクロ):180円/本
  • 煮込み:ハーフ300円、一人前600円
  • 湯豆腐:400円

こぼれんばかりの酎ハイが美しい

酎ハイ(490円)

酒場の一杯目はビールという方でも、『仙台屋』に来たらまずは酎ハイで始めて欲しいです。縁が薄くやや背丈が低い独特な酎ハイに、焼酎・炭酸、最後にシロップを流し入れて完成。氷なし、スライスレモン載せ。焼酎ハイボール好きなはたまらないビジュアルでしょう。

それでは乾杯!

ガツ刺しハーフ(350円)

よく下ごしらえはされていても、旨味がぎゅっと閉じ込められているガツ刺し。ニンニクおろしで味が引き締まり、酎ハイが進みます。途中で唐辛子をかけたりラー油をたらしたりして味変すると二度、三度美味しくなります。

煮込みハーフ(300円)

煮込みは味噌仕立てでトロトロな仕上がり。モツは口の中でふわっと溶けていくような食感です。ハーフでも結構なボリューム!

焼き物・もつ焼き(180円/本)

テイクアウトも評判で、都営バスの降車ドア徒歩3歩という超好立地ということもあってか次々売れていきます。その合間を縫うように、店内のお客さん向けの串も焼台の上へ。若き大将は先輩のお客さんと和やかな会話をしつつ、匠に串の位置を動かしていきます。

どうですか、この仕上がり。タレはとろみがあり、そして平均的なものよりかなり甘めです。この甘いタレとジューシーなカシラが好相性。店の売れ筋ナンバー1なのもうなずける美味しさです。

サッポロラガービール大瓶

酎ハイを飲みつつ、合間に瓶ビールも。地場の炭酸メーカーの瓶といっしょに芯まで冷やされていました。ほら、途中に飲むビールもやっぱり美味しい。

しそサワー(490円)

バイスではなくて「シソサワー」。味も違います。よりすっきりとした味で、甘さしっかりのタレで仕上げたやきとりの余韻をスッと流してくれるような味です。

ごちそうさま

家族連れ、近隣の会社員、ジャンパー姿のお父さんたち。常連さんたちがテレビを見つついつもの酎ハイで酔いを楽しんでいますが、それでいて新規のお客さんにも優しい、素敵な大衆酒場です。皆さんの大切な場所にそっとお邪魔させてもらいました。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名仙台屋
住所東京都江東区北砂5-18-11
営業時間営業時間
17:00~21:00
定休日
日曜日