南砂「大船」 砂町銀座、老舗酒場で飲みたいときはココ!

南砂「大船」 砂町銀座、老舗酒場で飲みたいときはココ!

駅がない場所に突如として現れる、全長600メートル超の商店街「砂町銀座」。わずか4mほどの道幅しかなく、その両側にはびっしりと商店が立ち並び活気づいています。

昭和レトロな雰囲気を残す町並みのなか、手頃な価格のお惣菜を買って楽しむ商店街散歩が人気ですが、やっぱり夕暮れとともに欲しくなるのは酒場のぬくもり。

老舗酒場のカウンターで飲みたくなったら1966年(昭和41年)創業のもつ焼きの店、「大船」です。

 

砂町銀座は鉄道でのアクセスは結構歩きます。そのかわり、路線バス網が充実していて、亀戸や西大島から都営バスを利用するのが便利です。

近くには横十間川や小名木川、仙台堀川と江戸時代に整備された運河があり、現在は親水公園として整備されています。公園散歩もお酒を美味しくする大事な”おつまみ”です。

 

砂町銀座、明治通り側の入り口。お惣菜の香りが心地よいです。

 

夕食のおかずを買いに来た人たちで賑わう商店街から、角を曲がってすぐ。「大船」の赤ちょうちんに誘われます。

 

まだ夕方5時だというのに、すでに店内からは笑い声が聞こえてきます。今日も地元にお住まいの黒帯ノンベエさんが集まっているようです。あったかい雰囲気がたまりません。

 

女将さんと女性の店員さんが切り盛りするお店。7席ほどのカウンターと、4人テーブルが数卓のスタンダードなつくり。

焼鳥台から漂うもつ焼きの香りと、テレビに映る演芸番組の音、常連さんたちの「おぉ、最近どうだい?」などの会話、すべてが心地よく伝わってきます。

 

もつ焼き、煮込み、鰻が看板料理。加えて、タイやまぐろぶつなどの刺身、揚げ物、焼き物も揃っています。毎日のように通っているという常連さんも飽きさせない楽しい品書きです。

 

一杯目はやっぱりビールから。樽生はなくビンのみの取り扱いです。大瓶(600円)のスーパードライを受け取ったら、一度も置くことなくそのままビアタンへ”トトト”。では乾杯!

 

まずは大皿からきんぴらごぼうを。城東エリアの濃い味の煮物が好きです。この甘じょっぱい味に、ドライ味のビールがよくあいます。

 

創業したご主人のあとを受け継いだ女将さん。ご主人がやっていたもつ焼きを引き継ぎ、常連さんたちに変わらず愛されています。しっかりボリュームがあるのに1本100円と良心的。1本から注文可能です。

 

かしらや白が人気とのこと。ねっとりとしたタレが肉の旨味と混ざり、濃厚な旨味が舌を幸せにします。同じく串焼きで、うなぎの倶利伽羅焼き(420円)もファンが多いと聞きます。

 

「大船」の酎ハイ(300円)は、色付きのいわゆる「焼酎ハイボール」。甘さ控えめ、きりっとした味とほのかに柑橘系の香りが残ります。

 

「旬 カキフライ」の短冊を見つけたら、頼まないわけには行きません。サクサクの衣に包まれて、とろりとシューシーな牡蠣がやってきました。

フライものは400円ほど、ほとんどの料理も500円前後と手頃な値段、お酒もリーズナブブル。近くにこういうお店が欲しいものです。

 

日中の賑わいが嘘のように、静まりかえる砂町銀座。

常連さんでいつもにぎやかな「大船」。皆さん仲良く飲まれていても、新しいお客さんがくれば積極的に会話の輪にいれてくれます。気立てのよいお客さんたちと一緒に乾杯です。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

大衆酒場 大船
03-3646-8436
東京都江東区北砂4-10-5
16:30~23:00(金定休)
予算2,500円