森下で酒場といえば有名店がいくつかありますが、もつ焼『稲垣』の人気も相当なもの。名物は大きくて良心価格のもつ焼きや、料理名に「稲」がつくるオリジナル料理の数々。年中無休で営業しているため、日曜日に老舗でもつ焼きが食べたくなったら、稲垣は必ず思い出したい酒場です。
目次
本店の創業は昭和32年という立派な老舗
東京・墨東エリアで飲んでいる人にはおなじみのもつ焼き酒場『稲垣』。本所吾妻橋駅前の本店のほか、スカイツリーを見上げる押上店(墨田区業平)と、新大橋袂の森下店(江東区森下)の三店舗を展開しています。
「一串入魂」をキャッチコピーに、良心価格で誠実な料理、心地よい接客でファンが多いです。本所吾妻橋の本店は創業から半世紀を超えており、東京墨東エリアを代表するもつ焼き店のひとつとなっています。ファミリー利用が多く、親の代からの常連というようなヘビーユーザーで連日満員近い賑わいです。
今回はそんな本店ではなく、2010年に誕生した支店の「もつ焼 稲垣 森下店」にやってきました。品書きや接客スタイルは本店と同じ。
基本的に無休の店ですが、ときどき臨時定休があり、その際は3店舗とも一斉に閉まります。
外観
都営地下鉄森下駅から地上に出て徒歩1分。2010年オープンとは思えない堂々とした酒場らしい店構え。新大橋通りに面して掲げられた赤ちょうちんの明かりが営業中の目印です。
間口こそ狭いですが、店内は奥へと長く続いており、10席以上ある長いカウンター席のさらに奥に4人用のテーブル席が並んでいます。ニ階への階段を登れば、宴会利用もできる畳敷きの入れ込み座敷が広がってます。席数はすべてあわせて120。
これだけ広くても週末は満卓になるのですからかなりの人気店です。当日利用の少人数は予約を受け付けなく、先着順となります。
品書き
お酒
樽生ビールはアサヒスーパードライとマルエフことアサヒ生ビール、アサヒ黒生の3銘柄。ハーフ&ハーフも選べます。中ジョッキ600円、大ジョッキ800円。瓶ビールはアサヒスーパードライ大瓶:600円。
日本酒(大関):大徳利600円。
割もの系は、ホッピー外:300円・中:200円、レモンハイ:350円、初恋サワー:500円、ハイボール:350円など。
料理
串物は、かしら、しろ、レバ、たん、はつ、焼き鳥、手羽先、鳥たたき、つくね、ホタテ串焼きなど、4本500円~。注文は一部を除き2本単位(合計で4の倍数になるようにする)で可能です。
また、もつ焼き店ですがサイドメニューが充実しています。
刺身はまぐろ刺中トロ:900円、いわし刺:400円、かんぱち刺:800円、あじたたき:800円、たこぶつ:300円など。
焼き魚は、サバ塩焼き:400円、鮭ハラス:300円、穴子白焼:800円、ぶりてり:800円、鯛かぶと塩焼:700円など。
煮魚は、銀ダラ煮:700円、カレイ煮付け:700円、鯛かぶと煮:700円、さばみそ:400円、ぶり味噌煮:700円。
揚げ物は、からあげ:700円、なんこつ唐揚カレー風味:700円、串カツ:700円、カニクリームコロッケ:700円、あじ南蛮:800円、揚げ焼売:400円など。
一品料理は、もつ煮込み:300円、稲スタミナ炒め:300円、豚の角煮:600円、べいなすみそ焼:400円、稲グラタン:500円、稲バーグ:700円、稲ピザ:300円、焼餃子:400円など。
「稲」を冠した名物料理と大ぶりの串は必ず頼みたい
アサヒ生ビール(600円)
アサヒビール本社に近い本所吾妻橋に本店を構える稲垣のビールはもちろんアサヒビールです。相当、アサヒの営業担当やサポートチームが通っているのでしょう。なにより店の人のこだわりもあり、稲垣で飲むアサヒビールは非常にレベルが高いです。
とくに、近年「マルエフ」ことアサヒ生ビールの取り扱いも始まり、専用タンブラーで飲む一杯がより楽しみになりました。
それでは乾杯!
超繁盛店で、伺った日も店員さんはてんてこ舞い状態の様子でしたが、生ビールの状態はこのとおりばっちり。しかも提供が早い!
稲スタミナ炒め(300円)
100品近い品揃えがあり、どれを注文するか毎回迷います。もつ焼きは当然お願いするとして、サイドメニューはまずは「稲」がつくものを注文しておけば間違いないと思っています。
イチオシは、稲スタミナ炒め。フライにしたレバーを玉ネギ、ニンニクの芽とあわせて甘辛くとろみをつけて炒めたもの。パンチの効いた味がクセになります。
レモンハイ(350円)
もつ焼きのお供に、ビールの次は定番のレモンハイを。昔ながらの435型タンブラーが使われていて、しっかりとした飲みごたえがあります。
レバ、かしら(合計4本500円)
さあ、主役が焼き上がりました。稲垣のもつ焼は品書き上では同一部位が4本単位となっています。ですが、実際は同じ金額の串ならば、2本ずつ、合計4本になるようにオーダーを受けてくれます。そうなれば、いろいろと食べ比べてみたくなりますが、注文のし過ぎにはご用心。なにせ、ここの串は巨大なのです。
“これで125円/本?”とびっくりする大きさです。大ぶりだからこそのジューシーさと「豚モツを食べてる!」と感じるワイルドな美味しさがあります。
50年以上営業し、全3店舗、しかも高回転率の店ですから、仕入先との太い関係があるのでしょう。モツの鮮度はいつも期待以上です。
タン(2本250円)
口いっぱいにタンを頬張る幸せがここに!アゴが疲れるのを忘れて、滲み出る肉汁にうっとり。
鳥たたき(2本250円)
タン2本と鳥たたきで合計4本1セット。さて、鳥たたきとつくねが両方品書きにのっていると、気になりませんか。見た目はつくねですが、こちらが鳥たたき。つくねよりも粗目にたたいたもので、串に巻きつけて焼かれています。ナンコツの比率が高くコリコリとした食感が楽しめます。
梅ハイ(400円)
下町(広い範囲で)のうめハイというとシロップを垂らした焼酎ハイボールを連想します。稲垣では、果肉たっぷりの梅ぼしを沈めた梅干しハイボールです。甘酸っぱく、もつ焼きの脂にそまった口の中をリフレッシュしてくれます。
稲グラタン(500円)
稲ピザに稲バーグと気になる「稲」メニューが並んでいます。なかでも稲グラタンは本店でも人気の看板料理です。酒場のグラタンだからと侮るなかれ、チーズがたぷたぷになるほど敷かれています。注文を受けてから焼き始めるので、締めで注文する場合はお早めに。
分厚いチーズの層の下からは、家庭的な懐かしい味のホワイトソースとマカロニがでてきます。もつ焼のタレ味との相性もなかなか。もつ焼き店でグラタン、意外といい組み合わせなんです。
食べたいものが尽きない店『稲垣』。今度の日曜日も、小名木川散策のあとはここで飲もうかな。
ごちそうさま。
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本所吾妻橋「もつ焼き 稲垣」 下町らしさ全開!ごまかしなしの一本勝負
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | もつ焼 稲垣 森下店 |
住所 | 東京都江東区森下1-12-5 ライオン堂ビル 1F |
営業時間 | 17:00~24:00(基本無休・臨時休みあり、公式FBで告知されます) |
開業年 | 2010年(本店は1957年創業) |