住吉『生樽ホッピー 美好』が新築で営業再開!ホッピーハウスとは?

住吉『生樽ホッピー 美好』が新築で営業再開!ホッピーハウスとは?

首都圏には「ホッピー」のアンテナショップ的な位置づけの酒場があることはご存知でしょうか。江東区扇橋で46年続くもつ焼き店『ホッピーハウス美好』もそのひとつ。建て替えに時間がかかり、長く更地になっていましたが、この夏、店を建て替え『生樽ホッピー 美好』再オープンしました。

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創業から45年。二代目が中心となって再始動

東京駅と錦糸町駅を結ぶ都営バス「東22」系統の扇橋2丁目バス停の正面に、長らく気になるレトロな看板の酒場がありました。看板には「ホッピーハウス3号店 美好」という文字。ホッピーハウスとは何か?そして3号店とは何か?という疑問が湧きますが、気がついたら古い木造店舗は取り壊され、更地になってしまいました。

更地の期間は半年以上。閉店してしまったのでは?と心配の声もありましたが、2023年7月29日、新築になって再スタートを切りました。

外観

新たな店名は『生樽ホッピー 美好』。この店は、限られた店舗でしか提供されていない樽詰のホッピーを楽しむことができるお店です。

現在、ホールを仕切る二代目のご主人によると、ある時期、ホッピービバレッジ(旧コクカ飲料)がホッピーをビール樽に詰めた「樽詰ホッピー」を広めるために、ある種の特約店制度のような取り組みを開始。『美好』の初代夫婦はそれを受け入れ、『ホッピーハウス美好』として、樽詰ホッピーのアンテナショップ的な位置づけの中で営業するようになりました。

旧店舗時代の電照看板にあった「ホッピーハウス3号店」とは、特約店の3店舗目という意味だったようです。

樽詰ホッピーと生ホッピーについて

生ビールサーバーから注がれる樽詰ホッピーは一般的に「生ホッピー」と呼ばれていますが、実際にはホッピーは製造過程で熱処理を行っているため、液種そのものは「生」とは異なります。この点を考慮し、本記事では店舗独自の表示を除き、樽詰ホッピーと表記いたします。

内観

扇橋2丁目停留所とは目と鼻の先。バスを下車して、早速店内へ。

以前の店舗は和食店だった名残がありましたが、新店舗はカウンターなしの4名テーブル2卓と2名テーブル2卓の合計12席。

ホールを切り盛りする二代目が支えつつ、大将が焼き場、女将さんが接客のお手伝いとして店にたっています。親子二代で切り盛りする、城東エリアらしいアットホームな雰囲気です。

品書き

お酒

  • 生樽ホッピー(ホッピー・黒ホッピー・ハーフ&ハーフ):各450円
  • ウーロンハイ:450円
  • 緑茶ハイ:450円
  • レモンハイ:450円
  • 梅入りハイ:450円
  • ハイボール:450円

料理

  • 焼きものミックス(たん・かしら・レバー・もつ・つくね):600円
  • みそたれかしら3本:450円
  • みそたんかしら3本:450円
  • つくね・とん・もつ・レバー・たん・かしら:各130円
  • ホッケ開き:450円
  • さば塩焼き:450円
  • 丸干:420円
  • ピーマンレバー炒め:450円
  • にんにくレバー炒め:450円
  • 牛もつにこみ:450円
  • からあげ:500円
  • あつあげ:400円
  • ニラ玉:450円
  • バターコーン:450円
  • ポテトフライ:450円
  • ぬか漬けおしんこ:400円

3種類の味を飲み比べよう!

生樽ホッピー(450円)

さすがは「ホッピー」のアンテナショップと言いましょうか、なんとビールの取り扱いがありません。その代わり、樽詰ホッピーはホッピー(いわゆる白ホッピー)と黒ホッピーの2種類が用意されています。

樽詰ホッピーを扱う店は全国に数十軒ありますが、2種類の樽を置いている店は滅多にありません。

一杯目はやっぱりスタンダードなホッピーでしょう。まるで生ビールのようにきめ細かな泡が蓋をしています。その下には細かな泡のモヤも!

それでは極上のホッピーで乾杯!

鮮度、ガス圧、冷え具合が完璧、氷なしでつくるホッピーは一味違います。

お通し

お通しは自家製味噌を添えたキャベツ。甘辛い味噌はホッピーと相性抜群です。

みそたれかしら(450円)

店の看板料理は、初代大将がやきとり台に向かって丁寧に焼き上げる、もつ焼き。なかでも、特製の味噌をしっかりと塗りつけた「みそたれかしら」と「みそたれたん」が看板料理です。

甘くてコク深い、クセになる味わいのみそたれ。

「父のこだわりで、キャベツに添える味噌とは少し味を変えています」と二代目。みそたれといえば、蕨や西武線沿線で見かけるニンニクを効かせたものや、東松山や川越、大宮などで食べられるピリ辛味噌のイメージがありますが、『美好』の味わいはそのどちらとも異なります。

生樽黒ホッピー(450円)

二杯目は黒ホッピーをいただきます。一杯ずつ、丁寧に時間をかけて注ぐのですが、その仕事の丁寧さが感じられる、完璧なバランスです。

黒ビールと言えば苦味やコクのイメージがありますが、サーバーから注ぐ黒ホッピーは優しい苦味とほんのりとした甘さが特長。

ベースの甲類焼酎は、宝焼酎やキンミヤ焼酎といった有名銘柄ではなく、2代目が厳選した銘柄を使用しています。キリッとした甲類焼酎は、ホッピーの風味を邪魔しません。

牛もつにこみ(450円)

もつ焼きと並ぶ昔からの名物料理「牛もつにこみ」。濃いめの味噌ベースで旨味強め。トロトロの牛モツと煮込んで固くなったコンニャクの歯ごたえのコントラストが秀逸です。

生樽ホッピー ハーフ&ハーフ(450円)

この店ならではの魅力的な選択肢、「ハーフ&ハーフ」を試さずにはいられません。

ホッピーのみが接続されたニットク製のビールサーバーを巧みに操り、キレイな泡のハーフ&ハーフを注いでくれました。

黒ホッピー特有の甘さと香ばしさを引き立たせ、同時に苦味を抑え込んでいる印象です。

ごちそうさま

現在でもホッピービバレッジとの関係は強く、メニュー制作やビールサーバー(ディスペンサー)の設置補助をしてくれたそうです。

初代から二代目への世代交代が行われ、引き継ぎの真っ最中です。今後も『美好』はきっと続いていくでしょう。ホッピーがお好きな方はぜひ訪れてみてください。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名生樽ホッピー 美好
住所東京都江東区扇橋2-5-6
営業時間営業時間
17:00~23:00
定休日
不定休 ※2023年8月はしばらく休まず営業
創業1977年