和泉府中『蔵元』地ダコお造りが絶品!家族三代で続ける名店

和泉府中『蔵元』地ダコお造りが絶品!家族三代で続ける名店

2023年1月9日

大阪湾・泉州沿岸などであがる地魚が食べられる黒帯ノンベエ向きの名店『蔵元』。創業から半世紀以上続く、界隈きっての老舗です。甘鯛太刀魚穴子…料理の品揃えをみても、店のパワーが感じられます。二代目と三代目の息の合った仕事風景も人気の理由でしょう。

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大阪南部のベッドタウンで、名店に出会う

JR阪和線の快速で天王寺から20分。大阪府南部の住宅街・和泉府中にやってきました。関西国際空港からも25分ほどで、関空利用者には便利な街です。

周辺の街の中でも比較的大きく拠点的な場所となっており、JR阪和線は特急列車も停車します。駅前にはレトロなアーケード商店街が広がっており、懐かしい風景が残っています。和泉国の国府があったとされており、街の歴史はかなり古いです。

どこか懐かしい雰囲気の和泉府中駅前。

アーケード商店街には飲食店も多く、夜は提灯が灯り賑やかになりそうです。

外観

そんな和泉府中駅前で、古参の居酒屋といえば『蔵元』です。たなびく「炉端焼」の文字が入った藍色の暖簾が実にかっこいい!

三代で切り盛りしており、あたたかい雰囲気で迎えてくれます。

営業時間は長く、開店は11時。以前は夜22時まで通しで営業されていたようですが、伺ったときは14時頃から中休みをされるとのことでした。もし13時から17時で訪ねようとお考えでしたら、念のためご連絡をされることをおすすめします。

内観

一階はカウンター席。宴会などでは二階も使えるそうです。

なんといっても、このカウンター周辺の雰囲気が素晴らしい。ゆとりをもってつくられた広いカウンターと、炉端焼の店らしい傾斜の浅い冷蔵ケース、そして焼鯛という一連の構造です。座った目線の高さに焼き台がくるので、仕事風景がよくみえます。

品書き

お酒

  • 瓶ビール大瓶キリンラガーサントリー ザ・モルツ):600円 ※以下取材時の価格
  • 樽生ビールサントリー ザ・モルツ):中500円
  • ハイボール:400円
  • 日本酒1合(沢の鶴):300円
  • 生酒(沢の鶴):500円
  • 酎ハイ(レモン、ライム、かぼす、うめ、トマトなど):400円
  • 赤玉パンチ:400円
  • 本格焼酎 芋・麦各種:500円

日本酒は原則沢の鶴で揃えられています。

料理

  • 鯨フライ:1,200円
  • 鯨コロ:400円
  • 鯨油皮湯びき:1,000円
  • 甘鯛塩焼き:2,500円
  • 太刀魚塩焼:1,500円
  • 黒メバル煮付け:1,500円
  • ガッチョ(メゴチ)唐揚げ:700円
  • 穴子天ぷら:1,000円
  • キス天ぷら:1,000円
  • タコ串焼:700円
  • アンコウあら煮:1,200円
  • 地鳥タタキ:1,000円
  • タイ造り:1,000円
  • ヒラメ造り:1,000円
  • シマアジ造り:1,000円
  • ヨコワ造り:1,000円
  • ケンイカ造り:1,000円
  • 地ダコ造り:700円
  • カツオタタキ:1,000円
  • フカ酢味噌:700円
  • アンコウ胃袋湯びき:700円

加えておばんざいが、アジ南蛮ポテトサラダイイダコゆり根海老芋など。

張り出された日替わりメニューと一部重複はありますが、さらに定番の献立まで用意されています。非常に充実した品揃えに驚かされます。

常連さんと並んで、和泉の味に舌鼓をうつ

キリンラガービール(600円)

ダイビンのキリンラガーをもらって、スローペースではじめます。まだ先は長いですから、ゆっくりと味わいます。それでは乾杯

地ダコお造り(700円)

まずはお造りから。

一人飲みには1,000円以上の贅沢なお刺身は持て余しそうなので、と選んだ地ダコですが、これが大正解。久しぶりにこんな美味しいタコを食べました。鮮度よし、もちろん冷凍品ではありません。

ハリ・ツヤがあり、水っぽさは皆無。ねっとりとした食感と広がる濃厚な旨味に思わず頷きます。明石、淡路など、大阪湾から瀬戸内にかけてはタコが有名ですが、泉州の地ダコも素晴らしいですね。

沢の鶴(300円)

こうなると、欲しくなるのが日本酒です。

『蔵元』のお酒は沢の鶴が定番酒です。普通酒は業務用のプリントビンにはいった上撰沢の鶴。ビンごと湯煎で燗をつけられます。

燗をつけると甘さが広がる沢の鶴。タコとの気取らない組み合わせが楽しいです。

菜の花辛子和え

箸休めに菜の花を。これも地のものだそう。和えごろもが実にいい味です。辛子シャキシャキとした食感から鮮度の良さも感じられます。

スリ身天ぷら(500円)

注文を受けてから揚げてくれる、スリ身の天ぷら。お玉ですくってつくるから格好はまちまちですが、外はサクっと、中はしっとりとしていて、食べていて楽しくなる逸品です。

これを専用の甘い醤油タレでいただきます。

続いてきた理由がわかる、技のある居酒屋でした。

関西国際空港を発着する夕方~夜の航空機を利用する際は、『蔵元』目的であえて和泉府中で途中下車するというのも選択肢の一つではないでしょうか。

次回は地穴子や泉州地域の郷土料理「がっちょの唐揚げ」なども食べてみたいです。

ごちそうさま。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名蔵元
住所大阪府和泉市府中町1-8-3
営業時間11:00~22:00(中休みありとのこと・月定休)
創業1960年代