京都駅前で1時間あったらどう過ごしますか。京都タワーの地階にあるフードホールの『鳥せい』ならば、伏見の酒蔵・山本本家直送の『神聖 蔵出し原酒』が楽しめます。列車やバスの乗り継ぎの合間や、昼飲み、ゼロ軒目にぴったりのお店です。
京都駅で昼飲みするならば、京都タワーという選択
京都駅でお昼から飲もうと思うと、駅は大きいのに選択肢はあまり多くはありませんでした。八条口(新幹線・近鉄側)はお土産物店ばかりですし、烏丸口側は駅ビルは立派でも、お昼から飲んでいい雰囲気の店はそれほどありません。伊勢丹のレストラン街や京都駅前地下街 「ポルタ」でも、飲もうと思えば飲めますが、家族連れが多いお店でお昼から飲むのは気が引けます。
駅前には若い人たちが集まる立ち飲みもあります。それでも、この街だから飲める京都伏見の地酒が飲みたいと考えると、若者向けの立ち飲みもまた違う気がしました。
そんなことを考えながら京都駅1番線から中央口を抜けると、正面に答えが見えてきました。そう、京都タワーです。実は、京都タワーは2017年に京阪グループが主体となって商業エリアをリニューアルし、地階には19店舗が集まるフードホールができました。
中にはお昼からミクソロジーカクテルが飲めるバーや、京都クラフトジンが飲めるバル、キリンラガーと餃子のセットが楽しめるスタンドなどがあり、いわゆる「ファミリー向け」に特化していないスポットになっています。つまり、お昼から飲める場所ということです。
外観
その中には、京都を中心に展開する焼き鳥と蔵元直送地酒を楽しむ居酒屋『鳥せい』もあります。店は入口こそコンパクトですが奥へ広く、落ち着きのあるテーブル席が並んでいます。わずかな時間でも、さっと立ち寄りくつろげる雰囲気です。
鳥せいの本店は、清酒「神聖」や「松の翠」、「名誉冠」などをつくる酒蔵・山本本家の酒蔵に併設された同社の直営店。本店の店内には蔵元ならではのタンク詰めの蔵出し生原酒が設置されています。
(京都・伏見 鳥せい本店)
鳥せい本店は約半世紀の歴史があり、酒蔵が立ち並ぶ伏見の街も景観も合わさって味わい深い雰囲気です。京都タワー内の店は2017年オープンとまだ新しいですが、こちらでもあのタンク詰めの蔵出し生原酒が飲めるのです。
(鳥せい 京都タワーサンド店の蔵出し生原酒タンク)
そうそう、この無骨なタンクがいいのです。ふたつ注ぎ口があり、「たれ口」の札がついたほうは、新酒のシーズンに使われます。新酒「たれ口」は、もろみを搾ったままの原酒のこと。熱処理をしていないため、一般的には酒蔵まで出向くことで飲めるお酒です。それが京都駅前で飲めるのですから、お酒好きなら立ち寄らないといけません。
品書き
お酒
日本酒は、蔵出し原酒:460円、きき酒3種:770円、純米大吟醸 松の翠:630円、神聖 濃醇 お燗酒 大:750円など。
その他、酒サワー(蔵出し原酒と炭酸のカクテル):440円、生ビール(アサヒスーパードライ):580円、瓶ビール(アサヒスーパードライ):620円など。
おつまみ
店名の通り、食事は鶏料理が専門。宮崎産を中心とした新鮮な鶏が店のウリで、焼き鳥、たたき、唐揚げなどを揃えています。
おすすめ5本串:800円、鶏ハラミの鉄板焼:600円、もも肉の唐揚げ:620円など。
お昼はとりめしや親子丼といったご飯物を食べるランチ利用のお客さんも多いです。今回立ち寄った時間も13時頃でしたので、近隣の会社員や旅行者などで賑わっていました。もちろん、飲んでいる人も多数。
一度飲めばわかる!伏見の力強いおんな酒の美味しさ
神聖 蔵出し原酒(460円)
300年の歴史を持つ酒蔵、山本本家がつくる、やわらかで、しなやかな米の味。それでいて米と酵母の力強さを感じる一杯、神聖 蔵出し原酒。
さらに、12月から春にかけてしぼりたての生原酒「たれ口」が提供されます。火入れしていないため、酵母菌がだす微炭酸が特長的。これを目当てに飲みに来る人もいるくらい、旨い!と感じるお酒です。
砂ずりコリコリ(350円)
お酒を飲むのが目的ですので、今回は簡単なおつまみだけにしました。
砂ずりコリコリは手頃で、すぐにでてくるいいおつまみ。コクがあり、小鉢ひとつで神聖蔵出し原酒を2杯くらい進むはず。
「たれ口」と蔵出し原酒の違いは、酵母の濾過にあります。通年で飲める蔵出し原酒も十分に美味しいので、ぜひ試してみてください。ちなみに、原酒なのでアルコール度数は18%程度と高めです。美味しいからといって飲みすぎにはご用心を。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 鳥せい 京都タワーサンド店 |
住所 | 京都府京都市下京区 七条北西角東塩小路町721-1 |
営業時間 | 11:00~23:00 年中無休 |
開業年 | 2017年4月14日 |
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