松島海岸で、海を眺めながら殻付き牡蠣を頬張れるスタンド『げんぞう』。焼き牡蠣は1個250円と、そぞろ歩きの休憩がてらに立ち寄るのにはちょうどいいお店です。もちろんお酒もあります。宮城の地酒をちびりと飲みながら、ご当地の牡蠣に舌鼓を打つひとときを。
松島観光に欠かせない土地の味
宮城の松島は、東北を代表する景勝地のひとつ。仙台からはJR仙石線で40分ほど。松島海岸駅を降りると、もうそこは観光地。観光船の案内所や売店、飲食店が立ち並んでいます。
松島といえば、紀行文「奥の細道」の冒頭で「松島の月先心にかかりて」とあるように、松尾芭蕉縁の地。260あまり浮かぶ松島湾の島々がつくる景色は、不変の美しさがあります。
330年前の芭蕉がみた景色を楽しむのも良いですが、お酒好きとしてはまずは一杯楽しみたいものです。
そんなときにオススメなのがスタンド『げんぞう』です。瑞巌寺五大堂の入り口付近、福浦島へ渡る福浦橋にも近い県立自然公園松島に隣接した売店のような建物がそうです。
公園の茶屋でお酒が売られていると、ついつい吸い寄せられてしまいます。それも、松島湾となれば別格です。
『げんぞう』は、もともと観光地の写真店(松島観光写真)で、かつてはインスタントカメラなどを販売していた店だそう。店名も、写真の「現像」から来ています。カメラがフィルムからデジタルへ移行する中、2008年にはカメラ店から牡蠣やお酒を販売する売店へ業態転換したといいます。
ほろ酔いで松島の眺めを楽しむ、写真とはまた違った旅の思い出が記憶に残りますね。
品書き
お酒
生ビール(アサヒスーパードライ):600円、缶ビール(アサヒスーパードライ):400円、キリン氷結:400円、冷酒利き酒セット:800円など。
料理
牡蠣殻焼き:250円/個、冷酒セット(牡蠣2個と日本酒):1,100円、ホタテ貝焼き:450円、かきチャウダー:500円など。
選べる日本酒
冷酒は3種類から選べます。伯楽星特別純米、日高見辛口純米、あたごのまつ特別純米。いずれも宮城のお酒です。
酒飲みに焼き牡蠣誘う松島や
冷酒セット(1,100円)
選んだお酒は伯楽星。宮城県大崎にある造り酒屋・新澤醸造店の銘酒で、名馬池月物語が名称の由来。果実を感じる上品な香りと軽快さ、キレのある余韻は牡蠣などの海産物と相性抜群です。
牡蠣は焼き立て・熱々で提供されます。そのため注文してから3分ほど待つのですが、その間も松島海岸を眺めているわけですから、あっという間に時間が過ぎていきます。
松島の絶景がお酒を誘い、牡蠣の香りがお酒を進ませます。
ふっくらとした焼き牡蠣が2個に、日本酒を徳利一本。ちょうどよいバランスです。人気のお店ですが、皆さん牡蠣をぺろりと平らげていくので回転がよく、すぐ席につけると思います。
宮城観光で松島を訪れた際は、ふらりと立ち寄られてみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | げんぞう(松島観光写真) |
住所 | 宮城県宮城郡松島町松島町内110 松島公園グリーン広場中 |
営業時間 | 10:30~17:00(火定休) |
開業年 | 2008年に飲食店に転換 |