札幌『揚子江・黄金寿司』昭和39年開店。寿司と中華が共存する圧倒的な人気店

札幌『揚子江・黄金寿司』昭和39年開店。寿司と中華が共存する圧倒的な人気店

2022年9月7日

酒場好き必見。札幌を訪れたら立ち寄らずにはいられない、唯一無二の大衆酒場『揚子江・黄金寿司』をご紹介します。店名から想像できる通り、なんと中華と寿司が共存した酒場です。刺身、毛ガニから、カツカレーまである!連日、近隣の人々で満卓になる超人気店。

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北海道の魅力が集約された大人のファミレス

外観

札幌の中心街からやや離れた大通西15丁目にある『揚子江・黄金寿司』は、地元の人の間ではお馴染みの超人気店。マンションとオフィスビルが立ち並ぶ静かなエリアにありますが、同店だけは開店から閉店まで満員御礼の大賑わい。

揚子江・黄金寿司』ほど突出したインパクトがあるお店はそうはありません。魅力を簡単に表すならば、「北海道の食の玉手箱」。中華も寿司もあり、ニシン刺身、アワビ、毛ガニ、ホッケにザンギ、道産豚のカツカレーまで揃えています。北海道をまるごと揃えたレストランは新千歳空港や札幌駅にもありますが、こちらは唯一無二の個人店。スタイリッシュな雰囲気は皆無ですが、暖かい昭和酒場の雰囲気に満ちています。

内観

店の始まりは、昭和39年。夕張からでてきた大将が、現在の店舗の向かい側で大衆中華『揚子江』を創業。黄金寿司もまた同じ頃に開店し、当初は別々の店だったそうです。昭和42年に現在の店舗となり、やがて黄金寿司と揚子江は一体化。何十年と、ダブルネームで営業してきたそうです。中華は大将、魚は二代目、接客は人気者の女将さんたちという分担で、家族二代で営んでいます。

店内は正面左に厨房を囲むL字カウンターを配し、右手はテーブル席。奥には座敷というつくり。厨房はカウンター側が寿司、壁面側が中華と区分けされています。寿司を握る二代目の奥で大将がかに玉をつくる、なんとも不思議な光景が繰り広げられています。

ニッチな場所にあるためお客さんは地元の方ばかり。札幌に事務所を置く企業が、道外からきた出張者、転勤者をもてなす場のように使っている様子です。札幌のビールメーカーさんたちも御用達。

宴会・飲み会利用にかぎらず一・二人客の姿も多く、カウンターは魚好きがずらりと並び皆さん舌鼓をうっています。

品書き

お酒

樽生ビールサッポロ生ビール黒ラベル)小:500円、中:600円、大ジョッキ:750円。ビール大瓶黒ラベル):600円。

凍結酒:450円、お酒:550円、焼酎グラス(酎ハイ):450円。ボトル焼酎では、麦焼酎和ら麦:2,600円、鍛高譚:2,100円など。

中華のおつまみ

八宝大菜:1,000円、かにたま:1,000円、ヒナ鳥カラアゲ:1,000円、酢豚:1,000円、ブタ肉カラアゲ:1,000円、ヤキブタ:1,000円、鶏肉野菜スープ:300円など。

中華の麺・ご飯類

炒飯:700円、カニライス:700円、カツカレー:800円、炒麺:750円など。

黄金寿司の料理

新子巻:600円、鉄火巻:1,600円、生寿司:1,800円~、生ちらし:1,800円~。刺身まぐろの中落ち手巻きくじらベーコンタチぽんホッケハタハタししゃもといった各種焼き魚、人気の毛ガニなどは品書きに記載はありません。店員さんに口頭で相談することで注文できます。

ジャンルを気にせず食べたいものを頼む楽しさ

サッポロ生ビール黒ラベル大ジョッキ(750円)

一杯目はビールから。札幌の乾いた気候がビールをより美味しくします。恵庭で醸造された道内産のサッポロ生ビール黒ラベルで乾杯!どーんとたっぷり入った大生にしました。昔の赤い星マークのレトロなジョッキが今も現役です。

お通し

お通しから魚介類でテンションアップ。ナマコ酢やイクラなど日替わりです。この日はきゅっと引き締まったツブ貝。出汁は控えめでツブ貝そのものの上品な甘さがしっかりと引き出されています。

刺身盛り合わせ・おまかせ1人前

品書きにはありませんが、カウンター席は目の前に二代目が包丁を握っているので、手すきタイミングにあわせて刺身の相談をしました。飲んで食べて3,000~4,000円くらいのつもりで、刺身はいい塩梅に切ってもらいました。

手前から、ニシン、道産サーモン、まぐろ、ヒラメ、数の子。どれも北海道らしい顔ぶれ。毎朝、札幌市中央卸売市場で仕入れているそう。一人飲みならば十分すぎる豪華な内容です。

新鮮でハリがあり、なおかつしっかり脂がのったニシンの刺身は、他の魚介類では例えようのない美味しさがあります。クキュッとした食感がたまりません。

凍結酒(450円)

お酒のオススメは凍結酒とのこと。お店がオリジナルで凍らせているもので、ビヤタンいっぱいに盛り付けてくれました。意外にも冬でも人気なのだそう。北海道の酒場は冬でも暖かいですもんね。

中華飯(750円)

刺身で飲んだあとは、『揚子江・黄金寿司』らしく中華料理を頼んでみました。

ここでは中華飯と呼ばれていますが、天津飯です。カニ身など魚介系の具材やしいたけがたっぷりはいっており、食材からでる旨味が満ちています。ごはんを少なめで注文すれば、これも立派なおつまみです。

中華のおつまみはヒナ肉のカラアゲが人気のようで、テーブルで飲んでいる常連さんは皆さん注文しています。

優しく人懐こい接客と、豪快な料理の数々。人気の理由がわかります。次回、札幌を訪ねたときは、「またここで別の料理に挑戦してみよう」、そう思える楽しい酒場でした。

週末は宴会の予約で埋まっあるそうです。一人、二人ならばカウンターの空席に滑り込めそうですが、確実に訪ねたい方は予約されたほうが安心です。

ボリューム満点、お腹いっぱいです。ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名揚子江・黄金寿司
住所北海道札幌市中央区大通西15丁目3
営業時間11:00~13:30・17:00~22:00(日祝定休)
開業年1964年