歌舞伎町の中心部にある『萬太郎Jr.』は、安心・明朗会計のやきとり酒場です。また、都内でも珍しい樽詰ホッピーを取り扱う店として酒場好き・ホッピー好きの間で知られています。西武新宿駅近くにある『萬太郎』の支店であり、店主一家が2店舗を行き来しながら切り盛りしています。
本店よりも広く利便性
1993年(平成5年)に新宿歌舞伎町で串焼きの店をはじめた『萬太郎』。界隈では貴重な個人店であり、味よし、値段よしということで多くの飲兵衛さんに親しまれてきました。人気店となった『萬太郎』は歌舞伎町内にもう一軒出店し、それが今回ご紹介する『萬太郎Jr.』です。
長らく本店を初代が、『萬太郎Jr.』を二代目が切り盛りしてきましたが、初代が引退することとなり現在は両店を二代目親族が運営しています。
両店の違いですが、いぶし銀の酒場感が漂うカウンターメインの本店と比べ、『萬太郎Jr.』のほうが幅広い世代が利用しやすい雰囲気です。場所は歌舞伎町さくら通りの花道通り寄りという歌舞伎町の中心部にあります。
店はビルの二階。カウンター5席と、テーブル28席ほど。ギラギラとした外のネオンと対象的な落ち着いた雰囲気です。
品書き
お酒
樽生ビールはサッポロ生ビール黒ラベル中:500円、瓶ビールはキリンクラッシックラガー大瓶:620円、赤星ことサッポロラガー大瓶:620円。
名物は歌舞伎町で唯一の生ホッピーこと樽詰ホッピー:500円。
酎ハイ類はレモンサワー、トマトハイなど:各420円、日本酒は新潟の菊水辛口:500円です。
料理
看板料理の串焼きは、もも、砂肝、つくね、たん、かしら、しろ、はらみなど:各150円。
他店とは一味違うのは牛スジ煮込み:580円で韓国風のピリ辛の味付けが特長です。
常連さんに聞いたおすすめはウインナーケチャップ炒め:530円。ほかにも先代が80年代に埼玉で焼肉店をやっていた頃の名残を感じる牛生センマイ刺し:400円も人気です。
筆者のおすすめは本店にもあるハツモトの甘辛煮:330円。これは必ず注文しています。
樽詰ホッピーを目当てに来る人もいる!
樽生ホッピー(500円)
一杯目はやはり樽詰ホッピーでしょう。樽詰ホッピーとは、一般には瓶でしか販売されていないホッピーを、生ビールのように樽詰めしたもの。流通量は少なく、限られた店舗のみで提供されています。サーバーから注いだ樽詰ホッピーは、クリーミーな泡とほどよいガス圧のマイルドな味が特長です。
氷なしで、グラス、甲類焼酎も冷やした三冷スタイルが夏はとくに嬉しい。それでは乾杯!
キリンクラッシックラガー大瓶(620円)
爽快な喉越しのホッピーをまずはキレイに飲み干して、ここからはじっくり杯を重ねるべく、キリンクラッシックラガーを。大瓶をちびちびビアタンに注ぐのも酒場時間の心地いい使い方です。
ハツモトの甘辛煮(330円)
ハツモトのモチモチ・コリコリとした歯ごたえが好きな人は絶対気に入る甘辛煮です。
コク深く辛さも効いたつまみで、ビールが進むこと間違いなし。お手頃価格で、尚且つ素早く提供されるので、串が焼けるまでのつなぎ役にぴったり。
焼鳥・もつ焼き(150円/本)
基本的にその日の提供分を店で下ごしらえするという、鮮度を意識した串焼き。大きめの串に丁寧に串打ちされており、キレイな短冊状をしています。炭火で焼き上げていて、絶妙な焼き具合で外はパリッと、中はしっとり。
タレも特筆できるポイントです。長く継ぎ足してきたことがわかる深いコクは鶏、豚ともに非常によくあいます。とくにシロがタレを纏うと思わずうなずきたくなる美味しさです。
比較的広いスペースで、4人組など多少人数がいても利用しやすいお店です。30分だけのクイックな利用から、しっかりとした飲み会まで幅広く対応してくれます。
和牛中落ちカルビ(860円)などの贅沢メニューもありますが、手頃な焼鳥とビール、ホッピーだけでも大満足です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)