築地『中華幸軒』幸軒は2軒ある。地元率高いもうひとつの幸軒は創業95年

築地『中華幸軒』幸軒は2軒ある。地元率高いもうひとつの幸軒は創業95年

2022年4月18日

築地6丁目、聖路加病院にも近い居留地中央通り沿いに、もうすぐ創業一世紀になる老舗の大衆中華(いわゆる町中華)の店『中華幸軒』があります。地元率はほぼ100%。焼売、焼豚などをつまみに、お昼からキリンラガーで日常を幸せを感じませんか。

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築地にしゅうまいが名物の『幸軒』は2軒ある

東京都中央区築地。銀座に隣接しながら、銀座に負けないくらい「食」に対するこだわりの強いエリアです。

料亭、割烹、寿司にはじまり、予約制のフレンチやイタリアンなども集まるグルメなまち。それでいて、老舗の大衆酒場やもつ焼き店、新進気鋭の立ち飲み、大衆食堂まで幅広く存在するなど、日常の外食・飲酒にもまったく困りません。

例えば、普段から食事がてらの一杯を楽しむ大衆中華(町中華)といえば、1927年創業の中華幸軒』が地元の人の定番でしょう。

さて、「幸軒」を屋号に掲げる中華店は、同じ築地エリア内に2軒あります。1軒は築地場外市場(築地4丁目)で70余年になるカウンターだけの小さな店『幸軒』。あちらは朝から飲める市場系の中華食堂です。そして、もう1軒は築地6丁目、聖路加病院に近い場所に店を構える、本記事で紹介する『中華幸軒』です。

外観

東京の大衆中華の多くは戦後に店を始めていますが、『中華幸軒』は違います。さらには、築地を食のまちに育てた東京都中央卸売市場(築地市場)が開場する1935年(昭和10年)よりも古い1927年(昭和2年)に開業しています。

内観

店内は地元客でいっぱいです。近隣で飲食店を営む夫婦や、食材の配達途中に立ち寄るドライバー、仲卸風の年配の常連さんなど、お客さんはほぼ全員築地らしい顔ぶれです。

店はそれほど広くなくカウンターもないので、ピーク時はゆっくりお酒を飲む雰囲気ではありません。ですが13時ころになれば、瓶ビール1本に続けてワインや紹興酒を飲むお人の姿も見られ、お客さん同士の会話も聞こえてきます。

品書き

お酒

ビールは瓶のみで、キリンラガー小瓶:550円、キリンラガー大瓶:650円。日本酒:500円、紹興酒:500円、ワイン(カルロロッシ)赤瓶・白小瓶:各500円。大衆中華ながらワインまであるところに「飲んでいい店」を感じます。

一品物

名物は焼売:100円/個※2個以上から。餃子5個:500円、焼き豚:600円、レバニラ炒め(水金限定):600円、野菜炒め:600円など。

夜限定メニュー

夜はお酒を飲む人に嬉しい、揚げワンタン:400円。カツ煮:700円、酢豚:1,000円、かに玉:800円などが加わります。

セットメニュー(参考)

参考までに定食の品書きがこちら。

食べ飽きないという美味しさ

乾杯はキリンラガー大瓶(650円)

パイプ椅子と合板のテーブル。これぞ大衆中華という店内にはキリンの大瓶がよく似合います。暖簾越しに差し込む光を浴びて黄金色に光るビアタンを持ち上げ、では乾杯。

チャーハン(750円)

食事がてらの飲酒なら、チャーハンは十分におつまみになると思いませんか。パラパラというよりフカフカという食感のチャーハンです。築地という立地だからでしょうか、蟹身が入り、風味がより豊かになっています。

具はシンプルながら味は深みがあり味濃いめ、キリンラガーとも相性抜群です。

焼売2個(200円)

おつまみとしては、むしろこっちが主役でしょうか。ピンポン玉ほどの大きさで食べごたえ十分。添えられたキャベツと一緒にソースで食べる人もいるようです。

粗挽きの肉と大きめにカットされた玉ねぎ、ジューシー感はなく、ねっとりとした食感と美味しさです。

美味しいものがぎゅっと集まる築地ですが、それぞれの店や料理に求める美味しさは様々です。ここ『中華幸軒』は、いつもの美味しさで、食べ飽きずに通いたくなる味なのです。普段と変わらない幸せ、ここにあり。

ごちそうさま。

【参考】築地場外市場『幸軒』はこちら

築地市場『幸軒』朝5時から飲める大衆中華でしゅうまい・チャーシュー
創業から70年以上。築地に中央卸売市場があった頃は多くの市場関係者が通った「幸軒」。魚河岸の仕事がピークを迎える早朝にあわせ、幸軒も朝5時から営業していました。…
syupo.com

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名中華 幸軒
住所東京都中央区築地6-6-3
営業時間11:00~14:00・17:00~19:00(土日祝定休)
開業年1927年