築地6丁目、聖路加病院にも近い居留地中央通り沿いに、もうすぐ創業一世紀になる老舗の大衆中華(いわゆる町中華)の店『中華幸軒』があります。地元率はほぼ100%。焼売、焼豚などをつまみに、お昼からキリンラガーで日常を幸せを感じませんか。
目次
築地にしゅうまいが名物の『幸軒』は2軒ある
東京都中央区築地。銀座に隣接しながら、銀座に負けないくらい「食」に対するこだわりの強いエリアです。
料亭、割烹、寿司にはじまり、予約制のフレンチやイタリアンなども集まるグルメなまち。それでいて、老舗の大衆酒場やもつ焼き店、新進気鋭の立ち飲み、大衆食堂まで幅広く存在するなど、日常の外食・飲酒にもまったく困りません。
例えば、普段から食事がてらの一杯を楽しむ大衆中華(町中華)といえば、1927年創業の『中華幸軒』が地元の人の定番でしょう。
さて、「幸軒」を屋号に掲げる中華店は、同じ築地エリア内に2軒あります。1軒は築地場外市場(築地4丁目)で70余年になるカウンターだけの小さな店『幸軒』。あちらは朝から飲める市場系の中華食堂です。そして、もう1軒は築地6丁目、聖路加病院に近い場所に店を構える、本記事で紹介する『中華幸軒』です。
外観
東京の大衆中華の多くは戦後に店を始めていますが、『中華幸軒』は違います。さらには、築地を食のまちに育てた東京都中央卸売市場(築地市場)が開場する1935年(昭和10年)よりも古い1927年(昭和2年)に開業しています。
内観
店内は地元客でいっぱいです。近隣で飲食店を営む夫婦や、食材の配達途中に立ち寄るドライバー、仲卸風の年配の常連さんなど、お客さんはほぼ全員築地らしい顔ぶれです。
店はそれほど広くなくカウンターもないので、ピーク時はゆっくりお酒を飲む雰囲気ではありません。ですが13時ころになれば、瓶ビール1本に続けてワインや紹興酒を飲むお人の姿も見られ、お客さん同士の会話も聞こえてきます。
品書き
お酒
ビールは瓶のみで、キリンラガー小瓶:550円、キリンラガー大瓶:650円。日本酒:500円、紹興酒:500円、ワイン(カルロロッシ)赤瓶・白小瓶:各500円。大衆中華ながらワインまであるところに「飲んでいい店」を感じます。
一品物
名物は焼売:100円/個※2個以上から。餃子5個:500円、焼き豚:600円、レバニラ炒め(水金限定):600円、野菜炒め:600円など。
夜限定メニュー
夜はお酒を飲む人に嬉しい、揚げワンタン:400円。カツ煮:700円、酢豚:1,000円、かに玉:800円などが加わります。
セットメニュー(参考)
参考までに定食の品書きがこちら。
食べ飽きないという美味しさ
乾杯はキリンラガー大瓶(650円)
パイプ椅子と合板のテーブル。これぞ大衆中華という店内にはキリンの大瓶がよく似合います。暖簾越しに差し込む光を浴びて黄金色に光るビアタンを持ち上げ、では乾杯。
チャーハン(750円)
食事がてらの飲酒なら、チャーハンは十分におつまみになると思いませんか。パラパラというよりフカフカという食感のチャーハンです。築地という立地だからでしょうか、蟹身が入り、風味がより豊かになっています。
具はシンプルながら味は深みがあり味濃いめ、キリンラガーとも相性抜群です。
焼売2個(200円)
おつまみとしては、むしろこっちが主役でしょうか。ピンポン玉ほどの大きさで食べごたえ十分。添えられたキャベツと一緒にソースで食べる人もいるようです。
粗挽きの肉と大きめにカットされた玉ねぎ、ジューシー感はなく、ねっとりとした食感と美味しさです。
美味しいものがぎゅっと集まる築地ですが、それぞれの店や料理に求める美味しさは様々です。ここ『中華幸軒』は、いつもの美味しさで、食べ飽きずに通いたくなる味なのです。普段と変わらない幸せ、ここにあり。
ごちそうさま。
【参考】築地場外市場『幸軒』はこちら
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 中華 幸軒 |
住所 | 東京都中央区築地6-6-3 |
営業時間 | 11:00~14:00・17:00~19:00(土日祝定休) |
開業年 | 1927年 |