橿原神宮前「万葉」2代目の料理は100品超。鮎や鱧で地酒を楽しむ

橿原神宮前「万葉」2代目の料理は100品超。鮎や鱧で地酒を楽しむ

2021年8月2日

100品超えの黒板メニューは圧巻!2代目が守る半世紀続く老舗のれん「万葉」。料理やお酒の大半は500円未満とリーズナブルなのも嬉しいポイント。アットホームな雰囲気のカウンターが特等席です。

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橿原で50年続く大衆居酒屋

奈良県中部、奈良市に次ぐ県下第二の街・橿原市にやってきました。橿原神宮の最寄り駅で近鉄南大阪線と橿原線、吉野線のターミナル駅となっている橿原神宮前駅を降り、目的の居酒屋を目指します。

京都、大阪阿部野橋から近鉄の特急列車がでていることもあり知名度のある駅なのですが、駅前を歩くとすぐに田畑混じりの住宅街となり飲食店街のようなものはありません。駅前の目抜き通りを2分ほど歩いて、「万葉」がみえてきました。

創業は1970年頃。店舗は一度移転しており、現在の場所では約25年続けているとのこと。料理とトーク上手な2代目ご主人が迎えてくれます。

店は厨房に向いたカウンター席と小上がりというつくり。口開け直後に訪ねるも、すでに常連さんたちの姿がありました。ボトルキープや店内の掲示物をみるに、長く地元の人々に親しまれている様子。

まるで漁港が近くにあるのではないかと見まごうほど、魚介類がびっしりとつまった冷蔵ショーケース。これは期待が持てます。

「お客さんが安定して多い、だから食材の回転がよく魚種を豊富に揃えられる、だからお客さんも来る」という素晴らしいサイクルがまわっています。

乾杯

まずはビールから。中瓶のアサヒスーパードライで乾杯。

突き出しは日替わり。取材時はヒメサザエとザーサイでした。

品書き

さぁ、何にしましょう。見てください、この膨大なメニューを。あんこう、とり貝、白エビ、鮎、インドマグロ、イサキ、活ハモ、生牡蠣、国産サーモン、金目鯛、鯛、銀ムツなどなど。

黒板は2枚あり、先ほどのものでも品数が多くて悩んでしまうのに、さらに居酒屋の定番系がここに加わります。

見上げればごはんものが、これまたずらり。

料理がどれも一回り安く感じますが、お酒も品数豊富で、これまたほとんどが500円均一と割安感があります。

派手じゃないけどしっかり美味しい

活ハモ湯びき(500円)とみむろ杉辛口純米(500円)

桜井の酒蔵・今西酒造がつくる地元のお酒「みむろ杉辛口純米」に、あわせるはハモ湯びき。初夏のハモと冷酒のペアリングは間違いないですね!

淡い甘みと脂の旨味が絶品。

稚鮎の唐揚げ(300円)

もともと鮎漁が盛んな奈良。京都もそうですが、稚鮎が居酒屋に並ぶと季節を感じます。6尾で300円、手頃な価格ながら、非常に美味。サクッとした衣の中、しっとりとした細かな身から旨味が溢れてきます。

河豚ひれ酒

料理屋ならばおなじみの飲み方ですが、手頃な価格で飲める街の居酒屋では案外貴重かもしれません。

地物の漬物などもしっかり美味しい

長芋やきゅうり浅漬(200円)など、ちょっとした摘みもお酒と相性がとてもよく、時間を忘れて飲んでしまいそうです。

明るい人柄の大将と安くて種類豊富な料理たち。飲食店が少ない橿原神宮前周辺で貴重な一軒です。橿原神宮前に限らず八木など近隣の街に用事がある際も、近鉄電車で足を延ばして飲みに行きたくなるお店でもあります。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名万葉
住所奈良県橿原市石川町282-7
営業時間営業時間
月~土 17:00~02:00 LO 01:30
定休日
日  月2日休み無しで営業
開業年1970年頃