池袋『新珍味』味の決め手はニンニク!70年続く飲める大衆中華

池袋『新珍味』味の決め手はニンニク!70年続く飲める大衆中華

2021年5月15日

台湾出身の創業者が戦後のバラックで開いた大衆中華「新珍味(しんちんみ)」。ニンニクを効かせた「清蒸鶏むしどり)」をつまみにビールで乾杯しよう!

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歴史だけでなく、いま、素晴らしい

近年、池袋北口は中国人がつくる中国人向けの飲食店が増加し、池袋チャイナタウンと呼ばれるまでになりました。しかし、そうなる以前から、この街の歴史、そして世界の歴史に名前が刻まれる大衆中華が存在しています。

池袋西一番街の派手なネオンの隙間にある「新珍味」です。東京都中央区で1952年に店を開き、池袋に移り1954年に現在の場所で店を始めたのだそう。

創業者はその後、台湾の歴史に大きく関わった人物で、新珍味には台湾人観光客の姿も多く見られました。

池袋で70年近く続いてきたお店は、どの繁華街にもある食事メインの大衆中華(町中華)のような雰囲気ですが、ここは空腹を満たす場所だけではなく、お酒好きにとっても聖地です。

なんたって、お昼から終電の時間まで、ずっとお酒が飲める雰囲気です。実際、2階は日中から乾杯するグループが多く、時間にとらわれない人々が集う池袋らしい光景が広がっています。夜は1階カウンターについては言わずもがな。

飲めるムードの大衆中華が好きな人にはたまらない場所です。私も赤星一本、乾杯。

飲む人向けにすら思える品書き

A4両面にびっしりと情報がつまった品書きが、高揚感を高めます。

樽生ビールはサッポロ黒ラベル(450円・取材時は税別表記)、瓶ビールは赤星ことサッポロラガー(中びん500円)。

サワー系は、根強いファンがいる氷彩サワー(プレーン350円)や抹茶ハイホッピーなど。老酒は永昌源、甲類焼酎はキンミヤです。ボトルワイン(チリ/Santa Rita・ヒーローズ・2000円)もあり、お酒のラインナップは完全に居酒屋レベル。

名物は店の看板にも書かれている大滷麵(特製ターロー麺・900円)。大滷麵(打滷麵)は筆者も台湾で食べたことがある定番料理のひとつ。ただ、こちらでは「北京大滷麵」と書かれています。

肉片炒飯(肉盛りチャーハン・900円)も人気で、これでもかと山盛りの豚肉長ネギ炒めがトッピングされてきます。

のんべえさんには清蒸鶏と半ターロー

清蒸鶏(むしどり・550円)

新珍味で飲むときは、絶対食べてみてほしい、イチオシの逸品「清蒸鶏」。注文が多い料理のため注文前からある程度準備されており、ビールとほぼ同時に運ばれてきます。

シンプルな料理のようで、下味に個性があり、そのままでも実に美味。鶏もも肉を蒸したものですが、蒸し鶏というと身がぱさつくイメージがあるもののそうしたことはなく、噛むほどに肉汁が染み出してきます。

そのままでもビールとの相性がとてもいい。でも、この特製ニンニクタレをつけると、箸もグラスも止まらなくなります

鶏とにんにくが好きという方ならば、やみつきになること間違いなし。

半ターロー麺(650円)

お腹に余裕があればずんぐりとした鍋貼焼ギョーザ・6個480円)もおすすめ。そして〆はぜひターロー麺を。

酸味と辛味が調和したあんかけラーメン。こちらもしっかりニンニクが効いています。

これで半ターローなのですが、ボリュームは結構あります。たぶん、半分なのは麺のことではないかと思います。

スープすべてが餡。豚肉、白菜、きくらげなどの具を溶き卵と餡でまとめています。これは巨大な液体おつまみなんです。

瓶ビールを満足するまでおかわり(※お酒は適量で。)したら、丼ぶりの底から麺をサルベージ。もちもちとした丸麺は、そんなお酒飲みのペースで食べていてもあまり伸びていません。

ひと仕事終えたような気分で、大満足。お店の人も常連さんも朗らかで、とっても庶民的な入りやすいお店。野球中継のときは、皆さんテレビに夢中になっています。

池袋の〆に、本格的な大衆中華はいかがですか。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名新珍味
住所東京都豊島区西池袋1-23-4
営業時間営業時間
11:30~23:30
日曜営業
定休日
無休
開業年1952年
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