2014年に移転オープン。「しげ」は以前は東急大井町線の高架下にあり、ガード下のもつ焼き店特有のディープなムードが漂っていました。雰囲気だけでも飲めるようなお店でしたが、なによりの特長は、そのもつ焼きの美味しさです。
地元に愛されてきた店
大井町は飲み屋街が巨大です。東急線とJRの接続駅という事情だけでなく、戦後のヤミ市由来の小路の存在や、近隣に大規模な工場が立ち並んでいたことも、大井町の歓楽街を育てた理由でしょう。
東急大井町線の高架は近年、大井町線の再整備にともない新しいものにかけ替えられましたが、以前はそれはもう激渋でした。
ガード下の商店街の名前は「大井サンピア」。そこで長くもつ焼き店を営んでいた「しげ」は、そうした中で移転し、現在は駅南側に徒歩5分の地階という、知る人ぞ知る場所で再開しました。
外観
比較的新しいビルの中にありますが、古びた提灯やかつて大井サンピア時代のデザインの看板から、老舗らしさも感じられます。
店内は奥に広く、つきあたりに常連さんが集うカウンター席が配置されています。物腰柔らかで気遣い上手のご主人はみんなの人気者。
店内には、昔から通い続けている常連さんがプレゼントしたカレンダーが多数掲げられています。
豚も鶏も種類豊富(品書き)
樽生はスタンダードなスーパードライの他にアサヒのブラックもあります。サワー類が充実しています。
差し込みメニューでコーヒー酎(495円)を発見。
食べ物は、もつ焼き・焼鳥を中心に、肉料理がずらり。豚モツと鶏の焼鳥がともに種類豊富です。鶏つくねと豚つくねのように、2種類用意があるものも。
串が大きく、ジューシー!
なにはともあれ、ビールから始めたい!銘柄はアサヒスーパードライ(樽生中ジョッキ627円・以下税込表記)です。それでは乾杯。
お通しは日替わり。今日はおでん風の豚バラ煮がでてきました。お通しからしっかり美味しいお店は、その後も期待し1品料理の注文が増えてしまうというもの。
煮込み(605円)
味噌ベースの煮込み。脂がある程度残ったシロですが、特有のクセはほとんど感じられず、コクが際立っています。
もつ焼き(1本132円~)
表明はパリっと、中はジューシーなかしら。ねぎ正肉もあとをひく美味しさです。
鰻の蒲焼きなどに使うぼっか串に打たれており、一般的な焼鳥の1.5倍ほどの大きさがあります。ボリュームがありますし、さめてしまうので、一度に頼みすぎないことをおすすめします。
冷酒は生駒の中納言
お酒は、定番酒が八重寿(秋田県大仙市)。冷酒の瓶は、奈良県生駒のお酒、上田酒造の辛口本醸造中納言です。
濃厚なタレと豚モツの脂にも負けないしっかりとした味。それでいて余韻はキレがよく次の串が食べたくなるお店の料理によくあったお酒です。
ナンコツ
ほどよく肉が残っていて、食感のコントラストが楽しい一品。すじっぽさはなく、これもまたとてもジューシーです。
つくねは嬉しいお店オリジナルのもの!俵型でみっちりと肉で固められています。タレを重ねて焼いたことによる香ばしさも美味しさのポイント。
レモンサワーと酎ハイ。レモンサワーはしぼりたてです。
お会計をお願いすると、食後のサービスがでてきました。お椀、バケット、果物とサービス満点。ちょっとした割烹のシメのような内容ですね!
比較的お店は大きく、4人グループでも利用しやすい「しげ」。世の中が落ち着いたら、ぜひみんなで美味しいもつ焼きを食べに行ってみてはいかがでしょうか。もちろんカウンター席での一人飲みも楽しめます。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | しげ |
住所 | 東京都品川区大井1-43-7 B1F |
営業時間 | 営業時間 17:00~23:30 日曜営業 定休日 祝祭日 |
開業年 | 2014年1月に品川区大井1丁目1-27から移転。以前の場所では20余年。 |