宇野『池田屋』瀬戸内海の玄関で、地魚・地酒に舌鼓を打つ

宇野『池田屋』瀬戸内海の玄関で、地魚・地酒に舌鼓を打つ

2020年9月11日

ここは岡山県の南端に位置する玉野市。美しい瀬戸内海に面した港町です。瀬戸大橋が開通するまでは、玉野市の宇野港から国鉄航路「宇高連絡船」が高松港までを結び、本州と四国を結ぶ重要なルートでした。多くのヒトとモノが行き交った宇野は、今も瀬戸内海に浮かぶ島々を結び、人々の生活の足として利用されています。

瀬戸内国際芸術祭アート作品など、新たな名所が加わり注目を集める玉野市、そして直島。旅で訪れたなら、やっぱり楽しみたいのは土地の味です。

終戦間もない1948年(昭和23年)から続く宇野の老舗「池田屋」をご紹介します。

玉野市のターミナル、宇野駅へは岡山駅から宇野線(宇野みなと線)で約1時間。

レトロだけど、晴れの空に映える黄色い電車で宇野駅にやってきました。土曜日(一部日を除く)には、La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)という全車グリーン車の観光列車も走っています。

かつて宇高連絡船への乗り換えで賑わっていた宇野駅も、いまは一時間に1~2本の電車がやってくるだけ。列車の発着が終わると駅は静かになります。インフォメーションなど旅行者向けの設備が充実していて、旅で訪れるには楽しい駅です。

青空の下、個性的な駅が似合います。駅舎そのものがパブリックアートなんですね。

宇野駅から歩くこと5分。池田屋にやってきました。もともとはレトロなお店でしたが、駅同様にこちらもリニューアル。

明るいトーンで統一された店内。ランチタイムは地元の人にお昼ごはんに、旅行者向けの昼飲みスポットになっています。お座敷もあることから、夜は地元で集まる場所として昔から利用されているようです。

さあさ、まずはビールから。黒ラベルをもらって、では乾杯!

お酒がしっかり充実しています。樽生はアサヒスーパードライ(580円以下税別)、瓶ではアサヒ、キリン一番搾り、サッポロ黒ラベル(560円)、ヱビス(610円)と3社揃え。

日本酒は、地元の酒蔵・宮下酒造の極聖(きわみひじり)をはじめ、赤磐市の桃の里(赤磐酒造)、倉敷の備前伊七(熊屋酒造)など、県内のお酒が豊富。

ランチは定食を食べる人が多いですが、品書きとは別におつまみを出してもらうことが出来ます。お通しに頂いたのは、鯛白子。さすが鯛が名物の岡山・宇野。

入浜式塩田発祥の地であり、現在も日本有数の塩の産地。海とともにある玉野は、地魚も豊富です。県民が愛してやまないサワラや鯛、メバル、タナゴ、マナガツオ、穴子、タコなど盛りだくさん。

瀬戸内海でもウニがとれます。ぐるりと囲む魚介類も瀬戸内のものばかり。鮮度抜群、産地だから味わえる贅沢な美味しさです。

あわせるお酒はお店の名前「池田屋」がはいった特別ラベルの極聖 純米吟醸。キレのよい味ながら、最初に華やかに広がる米の香りとコクも楽しめるお酒です。

お寿司から煮魚、天ぷら、鰻まである、昔はどの街にもあった、和食全般をだす割烹・寿司の池田屋。握り(写真はお椀がついて1,800円)は、瀬戸内の海老、地ダコ、真鯛などがでてきました。

定番のマグロもよいですが、やはり土地の味、タコが際立って美味しいです。

〆のお椀。

お腹もいっぱいになりましたし、船で四国に渡りましょうか。港が目と鼻の先にあるため、列車から船へ乗り継ぐ合間に、池田屋は丁度いいお店です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名寿司・割烹 池田屋 本店
住所岡山県玉野市築港1-10-27
営業時間営業時間
11:30~14:00(13:30L.O)
17:30~22:00(21:00L.O)
定休日
火曜日