大井町『野焼』魚も鶏も生ビールも美味しい、王道の大衆酒場

大井町『野焼』魚も鶏も生ビールも美味しい、王道の大衆酒場

2020年4月25日

今日は大井町の王道酒場「野焼」をご紹介します。老舗チェーンから独立したお店で、創業は1976年(昭和51年)。よい食材を手頃な価格で出す、安すぎるわけではないけれどお店をあとにするとき「あぁ、いい酒場だったな」と感じさせてくれるような一軒です。

大井町の酒場といえば東小路飲食店街、平和小路に集中しているイメージがありますが、西口にも何軒かよいお店が点在しています。駅前の再開発や都市計画道路の整備でだいぶ街の表情は変化してきましたが、野焼は昔のままの雰囲気です。

美味しくてほどほどに美味しい、そして、チェーン店より個人店で飲みたいというベテラン層が通う野焼。大井町は鉛筆メーカーや鉄道工場、町工場など、駅周辺に事業所が多く、大井町の飲み屋街を潤してきました。飲み慣れた感じのお父さんたちが集まるお店は、自然と雰囲気もよいというもの。

市場から仕入れた鮮魚がずらりと並ぶショーケース。漁港の食堂か寿司店かと思うような品数の多さで、刺身が390~600円ほどと値段も手頃です。

大将が立つ板場に向いたカウンターが特等席。常連さんのグループは仲間で共有するボトル焼酎を飲み、一人客はカウンターで思い思いに過ごしています。穏やかなムードのなかで、ほっとひといき。では生ビールで乾杯!

ビールは昔からサッポロビール。1L入るメガジョッキがあり、ここはビヤホールかと驚かされます。メンテナンスがよく美味しいと評判の野焼の生ビール、銘柄は黒ラベル(たっぷり入る中ジョッキ650円)です。瓶ビールも黒ラベル(大ビン650円)。

男ウメサワーなどの酎ハイは380円。ホッピーは白・黒用意があります。

酒場の主役級がずらりと並ぶ楽しい品書き。鮮度自慢のいわしや自家製しめ鯖などは390円と嬉しい値段。そんななかで890円の”生”まぐろも気になります。自慢の煮込みにブランド鶏を使い注文の都度串打ちをして焼き上げる焼鳥も人気です。

こだわりの肴が多いお店ですが、人気ナンバー1はやはりさつま揚げ(490円)。

店で練った白身魚にみじん切りのイカゲソが入った一品。揚げたてホクホクででてきますので、やけどにご用心。しっとりジューシー。そのままでも美味しいですが、醤油ではなく、つゆに薬味のおろし生姜を溶かし潜らせるとまた美味しい。ビールも日本酒も酎ハイも進ませる逸品。

2本300円のねぎま。さらっとしているのに旨味の余韻が長いタレをまとい、たぽたぽに肉汁を蓄えた焼鳥。

あわせる一杯は、武蔵小山の割材メーカー・博水社がつくるビール風飲料のハイサワーハイッピー割(380円)で。ノンアルビールで割ったような味ですが、より爽やかな印象。暖かい季節にぴったりの一杯です。

お刺身、炉端鯵焼き、山芋磯辺揚げなど酒場らしいおつまみをあれこれしっかり食べて飲んでも、ひとり2,000円台で収まります。コンセプト酒場ほど派手さはありませんが、だからこそ落ち着くよいお店。元気なスタッフの皆さんもお店の魅力です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名野焼
住所東京都品川区大井1-8-4
営業時間営業時間
15:00~23:30(L.O.22:30)
日曜営業
定休日
月曜日
開業時期1976年