築地「加賀屋築地店」 魚の町で親しまれてきたもつ焼きの老舗暖簾。

築地「加賀屋築地店」 魚の町で親しまれてきたもつ焼きの老舗暖簾。

東京を代表する酒場の「のれん」といえばどこを思いつきますか?と、先日、質問される機会がありました。チェーン飲食店を含まずに、純粋な暖簾分けで広まった店を挙げるならば、私は「加賀屋」だと思います。

東京近郊で約50店も存在する加賀屋は、飲み屋に興味を持たれる方ならば一度は立ち寄っているのではないでしょうか。

板橋で創業した加賀屋の一号店は、30年ほど前から本郷三丁目に移り、本店を名乗り現在も大変な賑わいとなっています。店名の由来はご想像の通り、創業者の出身地からです。

今回はそんな加賀屋から、魚河岸(築地場外市場)の街・築地で「加賀屋築地店」をご紹介します。

 

世界中に知られる魚の町、築地。早朝から海鮮丼や鮨屋には長い行列ができますが、もともとは築地本願寺の門前町であり、戦前からの住宅地でもあります。路地を歩けば、意外にも魚ではなく焼鳥やもつ焼きなどの肉料理の大衆酒場が多いです。

普段から魚が身近にあるからこそ、もつ焼きが食べたくなる!のだと、仲卸の方が話していました。また、市場が休みになる水曜日の前日、火曜の夜が賑わうのもこの地の特徴です。

 

立派なカウンターを配した昔ながらの酒場空間。飴色に輝くカウンターには生ビール(530円)が似合います。王道的な形状のジョッキがかっこいい。アサヒスーパードライで乾杯!

 

加賀屋を代表するのものといえば、ホッピーです。古くからホッピーを提供してきた老舗暖簾で、ここのホッピーに憧れた人も多いはず。私も加賀屋がホッピーデビューの場所です。酎ハイには玉露割りもあるので、緑の濃いあの業務用お茶割りが飲みたい人にもおすすめ。

 

札に書かれた品書きがいい味をかもしていて、あれもこれも頼みたくなります。炭火の煙でいぶされている店内ですが、同時に清潔感もあり、なかなかいい雰囲気です。

 

もつ焼きは2本から、300円均一でカシラ、ナンコツ、タン、シロ、ハツ、コブクロ、レバー、ガツというラインナップ。正統派の顔ぶれです。もつ煮込みは加賀屋の伝統。こぶりの土鍋にもられてやってきます。

 

もつ焼きのおともに、大根おろしは欠かせません。トッピングをしてもよし、そのまま箸休めでつまむもよし。あとはトマトも食べておけば、健康でいられるおまじない完成。

 

かしらが好物です。手打ちで仕込む加賀屋のもつ焼き。鮮度がよくジューシー、焼き具合もちょうどよく肉汁でたぷたぷです。大ぶりなので一度に頼みすぎないようにご用心。

 

口いっぱいの旨味に誘われて、次のお酒はホッピーです。氷いりとはいえ、グラスの2/3の位置に水位が来ています。”ナカ”(甲類焼酎)が多いと”ソト”(ホッピー)がなかなか減らずに、ナカを何度もお代わりすることに…。ベースの焼酎は20度ですが、お酒はくれぐれも適量で。

 

そうそう、これですよ。氷いりだっていいじゃない。味わいしっかりの黒ホッピーで、もつ焼きの脂を流します。

 

シロはタレで。やや粘度のあるタレをまとい、蒲焼きのように仕上がっています。柔らかくとろとろ、大ぶりでもぺろりと食べられます。

 

界隈に暮らす家族連れの姿も多く、銀座から徒歩10分の距離にいながら、お店の雰囲気はどこか私鉄沿線の小さな飲み屋街のよう。今日も変わらない酒場時間が流れています。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

加賀屋 築地店
03-3543-2667
東京都中央区築地7-15-10
17:00~23:00(日祝定休)
予算2,000円