大阪は新幹線の玄関口、新大阪駅。出張や旅行で何かと利用する駅ですが、新大阪駅前で飲んだことがあるという人は、きっと地元の方以外では多くないのではないでしょうか。
1964年の新幹線開業以前は田畑が広がっていたこの地は、次第にオフィスビルが立ち並ぶようになり、いまは立派なビジネス街。とはいえ、街としての歴史が浅いため、古くからやっているような飲食店は数えるほどしかありません。
でも、どうしても新大阪で飲みたい。新幹線の時間ぎりぎりまで飲むのだから、梅田地下街では我慢できない!そんな筆者のようなタイプにぴったりのお店がありました。新大阪駅徒歩2分、角打ち営業をする酒販店「橋本酒店」です。
新大阪は新幹線だけでなく、紀州方面や山陰、北陸へ向かう特急列車が集まる巨大ターミナル。おおさか東線の開通により放出方面へも繋がりました。ますます乗り換え合間の一杯が欲しくなるところ。
橋本酒店は、硬派な店構えで、これぞ角打ちという雰囲気です。2つある扉の左側が角打ち(立ち飲み)コーナーで、右が小売スペースです。
地元のビジネスマンでごった返えする人気店。18時頃は通勤電車並みにお客さんが立ち、思い思いに日本酒やビールを傾けています。
壁に向いたカウンターと、女将さんがたつ調理スペースに向いたカウンターの2列があり、人気はやはり女将さん側です。陽気で人当たりのよい女将さんは常連さんにとってのアイドル。みなさん、お連れの方や一期一会のお客さん、そして女将さんとのトークで盛り上がっています。
ビールは樽生がアサヒスーパードライ。瓶でサッポロラガーを取り扱い。昔から赤星があるお店だそう。老舗のカウンターにどっしり溶け込むラベルデザインがよく似合います。では乾杯!
角打ちですので乾き物が揃えられていますが、人気は女将さんがてづくりする料理など、火を通した料理たちです。居酒屋ではありませんので簡単な料理ばかりだと女将さんはおっしゃいますが、すき焼煮などつまめれば十分楽しめます。
具だくさん、トロトロ玉ねぎも嬉しいすき焼煮と、ごろごろ芋がはいったボリューム満点のポテトサラダを注文。料理は200円程度、瓶ビールは大ビンで450円と大変に良心的です。
瓶ビールをささっと空にして、おつぎはキクマサのすだち冷酒(100ml・260円)。クイクイ飲める爽快感がウリですが、角打ちの楽しいわちゃわちゃムードだとなおさら進みが早いです。※お酒は適量で。
橋本の立呑は日本酒です、そう教えてくれた大阪の飲み友達さん。200mlと一合よりも多いたっぷりサイズで360円からと良心価格です。夜明け前特別本醸造や八鹿無濾過生原酒など、顔ぶれも個性的で楽しめます。
大阪で飲んでももちろん美味しい、五郎八は、新潟新発田の菊水酒造のお酒です。米の甘さがたまりません。
樽詰めチューハイはこの通り、400ml酎ハイタンブラーに氷少なめたっぷりだしてくれます。
新幹線の時間まで残り30分をきったあたりで、そろそろ仕上げましょうか。そんな感覚でのんびりしていられる、旅行者に嬉しい角打ち「橋本酒店」。次の大阪出張の際、覗いてみてはいかがでしょう。
きっと初めての店の気がしない、あったかいムードに浸れます。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
橋本
06-6322-6021
大阪府大阪市東淀川区東中島1-16-12
17:00〜(酒屋営業は9:30から)~21:00 (土は酒屋のみ・日定休)
予算1,500円