国内有数のホップ産地・遠野。
毎年秋に限定出荷される「キリン一番搾り とれたてホップ生ビール」できっと皆さんも一度は飲んだことがある遠野産ホップの味。そんなホップの産地には「遠野醸造」というタップルーム併設のマイクロブルワリーがあります。
2018年春のオープンとまだ新しいですが、遠野の中心街で存在感あるスポットとなっています。ビールの里へ訪れる際は、マストで立ち寄りたいよきお店ですので、「普段はクラフトビールはあまり飲まないよ」という方もぜひ覗いてみてください。
市役所から徒歩1分ほど、JR釜石線の遠野駅からも徒歩数分の場所。もともと酒販店だった建物をリノベーションしています。木材を多用しつつ直線的な構成でモダンな空間のタップルーム。カウンター席でスタッフの方とビールトークを楽しむもよし、テーブルでゆったり味わうのもよし。
自社で醸造するビール3種類に、ゲストビール、そしてナショナルビールとして一番搾りと、常時5種類が用意されています。この日のゲストビールは同じ遠野にある上閉伊酒造のズモナビールのセッションIPA。遠野ホップを使用した産直ビールを一杯500円からとワンコインで楽しめます。
このほか、ジントニックやスプモーニなどのカクテルも用意。夜10時までやっていますので、遠野に宿泊したならば、ナイトキャップの一杯にバーとして立ち寄るのもよいですね。
遠野で生産に力を入れているパドロンやビールのお供の大定番・フィッシュアンドチップスにソーセージなど、料理もしっかり揃います。
軽くつまむ程度に…とお探しでしたら、おまかせ3種盛りがおすすめ。ビールとおつまみでぴったり千円。気軽に立ち寄れます。
それでは、注いでいただきましょう。空冷の樽からそーっと注いでいきます。
遠野産ホップ「IBUKI」などを使用したESB(エクストラストロングビター)と、もう一杯はキリンビール仙台工場で醸造されたキリン一番搾り。では乾杯!
ESBは、IBUKIに加えイギリスのチャレンジャー(Challenger)をアクセントに加えているとのこと。スパイシーな香りと適度な苦味は、ナショナルビールで飲み慣れたIBUKIの風味を際立たせているように思います。なかなかよい味。
おつまみ3品。豆腐の味噌漬けなど、郷土色を感じるものがでてきました。えんどう胡麻和えなど味の主張がしっかりあるので、個性派ビールの口直しにもぴったりです。
遠野の飲食店は半世紀以上の歴史をもった大衆酒場から、遠野醸造のように熱意をもって新たなセンスを取り入れ、町の楽しみ方を豊かにしてくれる新進気鋭まで揃っています。ちょうどいい田舎で、ちょうどよく現代的。こういう街で飲み歩くのはとっても楽しいです。
元は電機メーカーにお勤めだったという太田さん。遠野醸造は太田さんをはじめ3名の方によって開設されたブルワリーで、テーマは「コミュニティーパブ」。ビール愛飲家とホップ生産者がいっしょになって乾杯できるお店がある、産地ならではの魅力を感じます。
グラウラーと呼ばれる持ち帰り容器も用意されていて、近隣の方は自宅でも遠野産ホップを使用したビールが楽しめるのだそう。東京にいれば、いろんな飲み屋さんが選び放題だけれども、旅先にはより豊かな飲酒シーンが溢れていることを再認識させられました。
ビールの里へご旅行されてみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビール株式会社)
遠野醸造TAPROOM
0198-66-3990
岩手県遠野市中央通り10-15
17:00〜22:00(土日は12:00から・日は21:00まで)
予算1,600円