【閉業】下高井戸「酒処 吾作」 縄暖簾にカウンターの正統派。夕方には満席の人気店

【閉業】下高井戸「酒処 吾作」 縄暖簾にカウンターの正統派。夕方には満席の人気店

2018年9月2日

縄暖簾をくぐるときの高揚感がたまりません。期待を高めるいい香りや笑い声、そして独特の緊張感。

京王線の下高井戸駅ホームから見える昭和な雰囲気の酒場「吾作」は、そんなワクワクできる一軒です。

夕暮れどき、ぼんやり灯る行灯と店の明かりに誘われて、今日もふらりと立ち寄ってきました。

 

下高井戸といえば都内でも珍しい路面電車がはしる街。ここ下高井戸から三軒茶屋までを結ぶ東急世田谷線は、小さくてかわいい電車がゴトゴトと往復しています。こんなのんびりした雰囲気も私鉄沿線の酒場ならではの魅力。

 

創業から35年、昔ながらの酒場らしい佇まいは、駅のホームから見かける度に吸い込まれそうになります。

 

縄暖簾をくぐると、マスターの親しみ感じる笑顔と「いらっしゃい」の声で迎えられます。カウンター、テーブル、小上がりという典型的な配置で、板場に面したカウンターは17時前にもかかわらず常連さんで満席近い賑わいです。皆さん楽しそう!

一杯目は生ビール(550円)。吾作の樽生はキリン一番です。昔ながらのたっぷり入るジョッキが素敵。キンキンに冷やされピカピカのサーバーから注がれます。我慢できません、では乾杯!

 

お通し(300円)は日替わりで、今日はなんと鯖の塩焼きです。脂がのっています。マスターの釣り好きを感じる壁に飾られた魚拓の数々。刺身の種類も多いのですが、まさかお通しで焼き魚とは、恐れいました。

 

飲み物は生ビールがキリン一番搾り、瓶ビールはキリンラガーの大びん(550円)です。酎ハイ類は博水社のハイサワー系、価格は200円台からととってもお財布に優しい。

 

豊富なおつまみは、まんべんなく酒場の王道揃い。カレイの唐揚げ(380円)やオムレツ(380円)で夕飯がてら飲んで行きたくなる内容です。ネギ塩焼きそば(380円)は〆に食べたい!牛すじ煮込みは人気メニューだそう。

 

このほか、お刺身などはホワイトボードから。ヒラメ、カワハギ、ブリ、マグロ、釣り鯵、お刺身の400円前後でとっても良心的です。

 

そんなお値段とはあべこべに、刺身のクオリティはピカイチ。かつおのお刺身をお願いしましたが、みてください、この分厚さ、身質の良さ。薬味もたっぷりで、思わず頬が緩む一品。食べごたえがありますので、お酒だってよく進みます。

 

ビールから酎ハイへ。濁りのある緑茶ハイ(300円)が嬉しい!結構焼酎は濃い目で、あっという間にほろ酔いです。

 

常連の皆さんの会話もリズムよく楽しい感じ。通えるご近所の皆さんが羨ましいです。「ここは下高井戸の井戸端会議の場所なんだなー」なんて感じつつ、レモンサワーをゆったりと。

最近の飲み屋では見かけることの少なくなった、ほんわかな空間に癒やされます。

 

ほっこり飲めて、料理も美味しい。そしてリーズナブルに飲めるお店「吾作」。途中下車して、ふらっと縄暖簾の向こう側を覗いてみてはいかがでしょう。

早い時間から人気のお店ですので、予約されるかタイミングをずらしてどうぞ。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

吾作
03-3324-2220
東京都世田谷区松原3-28-11
16:30~24:30(日祝定休)
予算2,500円