宇都宮「出世街道」 ノンベエの心を鷲掴み、昼から”せんべろ”で出世する!?

宇都宮「出世街道」 ノンベエの心を鷲掴み、昼から”せんべろ”で出世する!?

2016年12月17日

今日は栃木の街からこんばんは。日本全国酒場めぐり、今回は宇都宮の年中無休の昼酒スポットをご紹介します。その名は「出世街道」。なんともご利益のありそうなありがたい名前なのです。

宇都宮はJR宇都宮と東武宇都宮の間が路線バスにちょっと乗りたくなるほどの距離で離れています。その間に街の中心があり、県庁などの行政機関もそこにあります。両駅の間に酒場が多く、餃子だけでなく宇都宮はバーの街としても知られています。

ただ、明るい時間からバーに行くわけでもありませんし、まずは出世街道でスタートダッシュを決めようではありませんか。

午前11時オープン。商店街の入口でノンベエを吸い寄せる暖色照明がいいあんばい。ガラス戸で店内を外から見渡せるのですが、ほぼ満席に近い賑わいです。

中央のコの字カウンターと、その周りに並ぶテーブル席という造り。宇都宮はお昼から飲めるお店は、餃子屋さんを除けば大変貴重。刺身から揚げものまでなんでもござれの大衆酒場といえば、やはり「出世街道」なのです。

地元のお父さんたちが集う酒場は、郷愁とぬくもりがなんともいえません。

おつまみは、自家製しめ鯖や店自慢のまぐろといった刺身類から、豚焼き肉という「生姜焼き」とは違う心地よいリズムを感じる炒め物まで種類豊富。

まぐろステーキやまぐろユッケがある通り、まぐろが店の推しなのは間違いありません。天ぷら盛り合わせ610円かぁー、これと地酒の四季桜(栃木・宇都宮酒造)でしっぽりやりたいなー。揚げなすと一刻者ロックというのも幸せになりそうです。

とはいえ、まずは大衆酒場の基本の流れ、瓶ビールで乾杯です。おぉ、一番搾り栃木づくり(JI)の瓶が飲めるとは。瓶ビールはキリンラガー(CL)も置いているので、どちらを飲もうか悩んでしまいます。ちなみに中びん390円とビールを飲んでも余裕のせんべろ価格です。

生ビール(一番搾り)も400mlほど入るジョッキで一杯390円!

メニューに星マークがつくおすすめの品から「ハムカツ」をチョイス。3枚で460円なのですが、値段に見合ったかなり立派なものが登場。どうしよう、食べきれないかもしれません。なんて思うのも、ひとくち食べて心がかわりました。このハムカツが美味しいんです。「また、たかがハムカツに大げさな。」と冷めた目で見ていただいて構いません、でもこれが厚み、衣の味、揚がりのサクサク感ともに絶妙なんです。これはチューハイを合わせたい。

レモンサワーを注文。樽詰めの酎ハイかと思いきや、お店オリジナルのものが登場。そういえば、よくみればベースの焼酎でキンミヤがあるではありませんか。宇都宮まで来てキンミヤ&ホッピーが楽しめるとは思いもしませんでした。やや、今夜は飲みませんけどね。

お手製、ふっくらほくほくのだし巻き卵。数量限定で遅い時間には売り切れていることもあると聞きます。ハムカツにだし巻き、酒場の基本形がちゃんと美味しいお店は安心できます。甘めでしっかりとした味付け、お酒が進みます。

唐揚げを食べたいなーと思いつつ、しばしぼーっと酒場に心を浸らせます。この瞬間、ふっとストレスから開放されたような気分になるのがたまりません。

ジャンパー姿で顔を赤くしたお父さんたちのオアシス、やっぱり良い店には地元のノンベエが集いますね。昼間は食堂メニューもよくでるそうです。そんな昼から通しで夜は24時までやっている。なんどきでも飲める素敵なせんべろ酒場は素敵です。

アットホームな個人経営の飲み屋でほっとひといき。これからも宇都宮のスタートダッシュとして末永く出世するまで通わせていただきます。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビールマーケティング株式会社)

出世街道
028-634-0691
栃木県宇都宮市江野町2-8
11:00~24:00(無休)
予算1,500円