今日は門前仲町。皆さんは門前仲町で飲んだことはありますか。
良心価格と盛りの良さで賑わう老舗海鮮酒場や、和酒が豊富な角打ち、美人三姉妹が仕切るカウンター飲み屋の人気店など、富岡八幡宮の参拝だけではない魅力があります。飲兵衛ならばこの街は絶対に楽しい。
さらに、闇市から始まり、いまでも昭和のムードたっぷりの横丁「辰巳新道」まであります。道幅3mに満たない細い路地が50mほど続く路地で、30数軒の小箱飲食店が立ち並びます。若い人がはじめたショットバーから、何十年も変わることのないスナックまで、バリエーションは豊かです。カウンターだけの小さな酒場もあり、夜な夜な常連がキンミヤや二階堂の瓶を傾けています。
そんな辰巳新道にある立ち飲み「ニューもつよし」は、比較的入りやすい雰囲気の酒場です。黄色いテントとガラス扉。店内は焼台と煮込み鍋を眺めて飲むカウンターが奥に続いています。
大将が一人で切り盛りするお店で、若い人の常連さんも意外と多い。
もつ焼きは2本で200円、ホッピーセットは350円、酎ハイ類は250円からと良心的です。ビールはアサヒスーパードライの生が300円と、ホッピーと十分対抗できる価格で飲ませてもらえます。
支払いは食券制。飲みたいもの、食べたいものをポチポチと選び、大将に手渡しましょう。券売機式のお店は、買いに行くのが手間という人もいらっしゃいますが、徹底した明朗会計でもあるわけで、「今日は予算1,000円!」と決めていたらそれがしっかり守られます。
それではレモンハイ(250円)で乾杯!
チューハイやレモンハイなどの炭酸系ドリンクは、アサヒの樽詰めチューハイ「樽ハイ倶楽部」がベース。コンクをいれてくれても値段が変わらない。ちなみにホッピーのベースは下町の名脇役ことキンミヤ焼酎です。
もつ焼きと煮込みがお店の看板メニュー。350円の煮込みは味が染み込んだ豆腐と、ふわふわになったシロなどの豚もつ、そして根菜類が入ったボリューム満点の一品です。ネギとたっぷりの七味をかけて、ハフハフしながら頬張り、余韻にホッピーをぐんぐんと当てていく。これぞ、闇市起源の東京もつ焼き酒場らしい感覚です。
もつ焼きはタン、カシラ、シロ、レバー、そして焼鳥、鶏皮、つくね、ねぎという定番が並びます。注文を受けてから丁寧に焼いていく串は、火の入り具合が丁度いい。
日替わりのおすすめメニューもあり、券売機で「日替わり券」を購入することで食べられます。手羽先や塩豚、焼きうどんまであります。200円から400円でお財布に優しいのは言うまでもありません。
今日は軽く立ち飲みで済ませたいなという日にも、これからどの店に飛び込んでみようか、その作戦会議にも使える手軽な立ち飲みです。駅から徒歩1分、雨の日でもなんとかなる立地もありがたいですね。
常連さんだけでなく、初めての人でもこういう立ち飲みが好きならばきっと溶け込めるはず。ノスタルジックな空間に浸る、そんな楽しみも横丁にはあります。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
ニューもつよし
03-3643-6880
東京都江東区門前仲町2-9-4
15:00~23:00(土祝は16:00~22:00)
予算1,200円