【保留】奈良「はりまや食堂」 猿沢池近く、地元で働くお父さんの味方で絶品かつ綴じ

【保留】奈良「はりまや食堂」 猿沢池近く、地元で働くお父さんの味方で絶品かつ綴じ

2016年10月24日

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居酒屋を探すなら県庁の裏、これ、地方の酒場巡りの基本です。でも、奈良は例外です。

近鉄奈良駅から春日大社にかけてが街の中枢です。県庁や県警本部もこの観光地の真ん真ん中にありますが、周囲は御存知の通り野生の鹿が自由に歩き回るエリアで、残念ながら酒場が並ぶ一角はありません。東大寺の大仏も近く、あまり浮かれてはいられないのかもしれませんが。

奈良で飲むならば、登大路から南側、ひがしむき商店街から南側がいい感じ。街の中心を突き抜ける登大路から南に進むのに「ひがしむき」という不思議な名前の道ですが、これは昔、興福寺の境内の際(きわ)に沿うように道が伸びていて、立ち並ぶ商店がすべて東側に向いていたのが由来。現在は興福寺が小さくなり、道の対面にも店が立ち並び、奈良を代表する商店街になりました。最近はいい感じの昼酒酒場もありますが、それはまた別の機会に。

奈良で飲むなら南側、それはお昼酒もいっしょ。まっすぐ寺社仏閣を目指すのもいいけれど、軽く立ち寄ってみませんか、素敵な味わい食堂へ。猿沢池の横に、界隈の観光客向けの店とは真逆の渋い食堂「はりまや食堂」があります。

 

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お客さんは地元で働くお父さんたちを中心に、お昼から飲んでいる人も多い昭和食堂です。青磁色の渋いテーブルが昭和40年頃から変わらない佇まいを感じさせます。

昔ここに飲みに来てはまってしまい、奈良に来たらふらりと立ち寄りたい”食堂飲み”のいいところです。ビールはキリンラガーで大樽(生)は取扱なし。中びんではありますが、観光地価格ではない日常のありふれた食堂価格なのがかっこいい。

では乾杯!

 

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まじめで丁寧な接客をされるご主人と、厨房を預かる女性の二人で切り盛りするお店で、阿吽の呼吸で次々とオーダーに応えていきます。

メニューは蕎麦・うどんを中心に、ハンバーク定食や天ぷら定食などの、しっかり食べる系のメニューのみ。ですが、ここは「アタマ」をつまみにいくのがイイ。日本酒も燗酒と冷酒を選べるなど、飲み屋としての利用ももちろん可能で、定食のおかずだけをつまみにします。

そして、イチオシはこの「カツ丼のアタマ」です。かつ綴じは裏メニューですが飲む方にはどなたでも注文可能。カツ丼のごはんをただ抜いただけでなく、つゆが多く玉子がふんわりと広がる素敵な肴です。かつは分厚く、そして出汁が古い食堂ならではのしっかりと効いたものになっており、汁だけでビールや日本酒が進みます。

 

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奈良に来たら茶粥や柿の葉寿司もよいけれど、大和ポークだって立派な名物。そしてなにより、地元の人が愛用する食堂で、派手さはないけれどしみじみ美味しいかつ綴じを食べるのはいいものです。

 

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誰かと一緒だったり、少しお腹に余裕があれば奈良のご当地料理の身欠きにしんの蕎麦も食べてみてください。関東風ではない、あっさり白い合わせ出汁を味わうお蕎麦です。身欠きにしんの甘さも染み出し、昼飲みのシメにもちょうどいい。

 

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どこかのお寺から聞こえてくる鐘の声。穏やかな日差しが差し込む地元の日常食堂でぼーっと飲む時間。せわしなく名所をめぐるのもいいけれど、合間にこういう時間を取り入れたほうがきっといい旅になりますよ。

これからもずっと、かわらずに良い食堂でありつづけますように。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

はりまや食堂
0742-23-3044
奈良県奈良市樽井4
11:00~19:00(木定休)
予算1,700円