錦糸町「三四郎」 街を代表する元祖酒場でボールとくりから焼き

錦糸町「三四郎」 街を代表する元祖酒場でボールとくりから焼き

2016年7月31日

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今日は錦糸町に来ています。総武線沿線はどの街も駅周辺は酒場の宝庫ですが、そんな総武線各駅の中で一番の飲み屋街はやはり錦糸町でしょう。駅の北側は比較的おとなしいお店が多く、老舗も多い。南側は雑多な感じであらゆるタイプの飲食店がひしめき合うように並んでいます。とくにマルイの裏は、錦糸町飲み屋街のコアとも言える場所。場外馬券場もあり、休日は昼間から飲んでいるのが当たり前という独特なムードになっています。

そんな錦糸町飲み屋の中心に位置する代表的存在の酒場「三四郎」をご紹介します。1951年創業、江東橋界隈のどの酒場よりも古い元祖酒場です。もつ焼き、焼鳥、鰻が名物ながら、カツ丼があったりと食堂の名残も品書きに残っています。

 

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佇まいからして、もうお酒が飲みたくなります。藍色の暖簾に「三四郎」の文字。昔ながらの品書きに、キリンラガー、清酒、焼酎ハイボール、もつ焼きの文字が書かれています。

 

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三四郎の飲み物といえば、元祖ハイや下町ハイボールなんていう名前で浸透している焼酎ハイボール(420円)で決まり。ほんのり黄金色の酎ハイです。エキスは天羽飲料かな、なんていうことは置いていおき、これが度数が強くガス圧も程よく、なかなかの美味。白木のカウンターに座り、酢のものを摘みに、乾杯です。

 

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お刺身、小鉢、漬物類はだいたい400円前後。竜田揚げやハムカツなどの大衆酒場の定番もありますが、三四郎は刺身が美味しい。とくにまぐろは、常連さんがいつもお目当てに来るくらいのものを揃えています。

 

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酎ハイからの瓶ビール。生ビールはアサヒスーパードライですが、三四郎に昔から通っている人はやはりこれ。白木の大きな板の上にキリンラガー、カッコイイです。懐かしのロゴ入りビアタンに、とととっと注いで嬉しさアップ。

 

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入り口すぐの焼き場で備長炭を使って焼き上げる串類。とくにくりから焼き(500円)は昔からの名物です。錦糸町といえば大横川など古くから河川と運河の街。鰻が地場の定番料理というのも納得できます。

味がぎゅっとつまったくりからは、さらっとした甘めのタレでいただきます。ぐーっと広がってくる旨味にすかさずボールやビールを。

 

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鰻屋のやきとりはいつも美味しい。その法則は三四郎も同じ。おおぶりの焼鳥は、鰻用のぼっか串で焼かれた大きなもの。提供直前に串から外されます。肉汁がたっぷりつまったジューシーな逸品。

 

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もつ焼きも各種。シロの下ごしらえは完璧だし、ハツやカシラなども鮮度の良さを感じます。土曜日は早い時間から営業していて、夕方の閉店前にはだいたい売り切れてしまいます。

 

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牛乳をつかって拭きあげるという白く耀くカウンター。一枚の長い板を組み合わせて船のような形のV字型になっています。ここのカウンターでボールと焼鳥でひとり飲めるようになることに憧れて、がんばって暖簾をくぐった人も多いはず。私もそのひとり。

地元の職人さんの常連が多く、下町らしいゆったりとした中にも背筋がぴんとしている空気が流れています。これが好きで好きで仕方がない。

 

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ご近所の方だけでなく、錦糸町が通り道の方はぜひ一度勇気を持って暖簾をくぐってみてはいかがでしょう。土曜日のお昼間に昼酒を狙って飲みに行くのも心地いいものです。

名物のボールにくりから焼き、キリンラガーにまぐろの中落ち、老舗酒場の元祖を味わいましょう。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

三四郎
03-3633-0346
東京都墨田区江東橋3丁目5-4
17:00~21:30(土は12:30~16:30・日定休)
予算2,200円