東武東上線の駅で、北朝霞、志木、柳瀬川、そしてみずほ台という場所。沿線を利用する人でないとあまり馴染みのない場所かもしれませんが、そんなみずほ台にある関西串かつを普段使いで楽しめる「まるや商店」がおすすめです。
決して飲食店が多い飲み屋街ではなく、郊外ベッドタウンの典型的なスーパーやファミリーレストランが並ぶ駅前。ここに飲み屋があるのだろうかと心配になってきますが、煌々とともる提灯が見えたら一安心。昨今、東京には串かつのチェーン店がJR駅周辺を中心に展開していますが、個人酒場で串かつのお店はまだまだ珍しい。
ここ「まるや商店」は、首都圏流の雰囲気を持ちつつも、個人店の串かつ屋のいいところをぎゅっと凝縮させたようなお店です。
串は一本60円からと本場もびっくりの価格設定。ビールはサッポロ黒ラベル、酎ハイ類はどちからというと関東風の顔ぶれ。生ビールが一杯390円という設定は嬉しいです!串も60円からと全体的にお財布に優しい値段設定となっています。
それでは、一杯目は生ビールで乾杯!
チューハイはプレーンが250円、椅子のある居酒屋でこの価格は攻めてますね。チューハイがサワーという名前になっていますが、これが東京圏らしさ。関西ではサワーはまだ通じないお店が多い。リモンチェッロとはまたハイカラな。
デュワーズにバカルディモヒートに和ら麦。馴染みの顔ぶれが並びます。ホッピーはセットで390円。
串はわかりやすい値段順。れんこんとかまぼこが60円で、定番の串カツは120円と関西でも通じる値段設定。本場よりもバリエーションは豊富です。店主さん曰く、串かつと同じくらい唐揚げも人気のようで、串かつにフォーカスはしているけれど、ほどよく東京周辺の酒場らしさも残しています。下町名物レバーフライの「下町」とは、赤羽のあそこか、はたまた堀切のあそこか。
昨今話題の牛カツに似た薄く決めの細かいパン粉・生地で揚げられる串。衣をつけるときに体重をかけて押し付けるようにまとわせていて、これがサクサクとしつつも旨味を逃さないお店の技。二度づけ禁止のソースょくぐらせてもご覧のとおり、きれいに衣のエッジが立っています。甘酸っぱい本場の味よりもややマイルドなソースは東京風のアレンジかな。
Aセット(500円)は、豚、イカ、玉ねぎ、うずら、れんこんの5本。お店のイチオシなので、まずはこれを食べて、それから好みを選ぶのがよいかと。れんこんは小さいからと二本くれました。
まとめて出さずに食べ具合に合わせて揚げてくれたりとここの店主さんは気遣い上手。
黒ラベルを飲み終えたあと、続いては酒場の顔「赤星」を一本。大瓶で480円。トトトっとグラスに注いでごくごくといただきます。
串かつのセットと同じくらいオーダーが入るというお店のオリジナル唐揚げ。独特な味付けがクセになりそう。ハーフサイズ(280円)でこれだから、一人で飲みに来ても食べられますね。居酒屋めぐりをしていると唐揚げを食べる機会も多いですが、ここは記憶に残る味です。揚げもの天国な状態ですが、油がわるくなっていないので食べても胃もたれしなさそうなのも嬉しい。
定番のすじ土手は、甘辛くちょっぴり濃い目に仕上げられた一品。これでチューハイが何杯飲めるかな。くさみのないどて煮で、ホルモン系の煮込みが苦手な方にもおすすめです。
最後にバカルディのラムハイを注文。油系の旨味のつよいフード、串かつとも好相性。
サクサクの串かつでチーズケーキを揚げブルーベリーをソースがわりにかけて食べるお店のオリジナルデザート。変わり種は好みが分かれるところ。
東京近郊はもつ焼き・焼き鳥文化ですが、串かつもじわじわと定番酒場として仲間入りしてきているように思います。お客さんは地元のファミリー層や界隈で働く人の仕事帰りの一杯という用途が多いみたい。カウンターでしっぽり飲んでいる常連さんも雰囲気がいいです。お店の方の意識がお店の雰囲気をつくると毎度考えていますが、ここ「まるや商店」もまさにその通り。
気配り上手の店主さんが作った明るく元気で雰囲気のいい串かつ店です。東上線ユーザーの方は飲みに行かれてみては?おすすめです。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
まるや商店
049-254-0330
埼玉県富士見市西みずほ台1-21-20 西みずほ台マンション 1F
16:00~24:00(月定休・月祝の場合は営業)
予算2,500円