【閉店】三条木屋町「よしみ」 洛中を代表する縄のれん、尋ねるべし

【閉店】三条木屋町「よしみ」 洛中を代表する縄のれん、尋ねるべし

2015年1月20日

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頻繁に京都にいく私。
歴史や神社仏閣巡りが趣味ということではなく、もちろん仕事で行っているわけでもありません。

目的はただひとつ。京都で”飲む”こと。

東京の酒場にはない魅力がつまった京都。名所巡りをしなくとも、カウンターに座るだけ、たったそれだけでも「京都」を感じられるのです。飛び交う京都言葉、品書きの「きずし」や「かす汁」といった文字。お店の人の一言一言に、京都の魅力がつまっています。

京都の酒場を楽しむときに、まずはオススメしたいお店がここ「よしみ」です。
三条木屋町の交差点からすぐ。細い路地にある一軒です。新京極と市役所の間にあり、表通りは観光客から地元の人までわんさかと賑わっていますが、一本入ると雰囲気はがらりとかわります。

戦後すぐからやっている老舗で。あ、京都では江戸時代以前から続く店が多いので、うかつに老舗とはいえませんが、とにかく酒場としては古いほう。

入り口の縄のれんと提灯が半世紀を越えた歴史を感じさせます。

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どうもー。空いていますか?
外観では感じられないほど賑わう店内は、いつきても入れるかどうかギリギリな状況。今日はついていたね、ではまずは瓶ビール(スーパードライとキリンラガーから選べます・大びん600円)から。

京都はキリンが一番多いのかな。がつんとくる苦さが喉を心地よく刺激します。

お通しは胡麻豆腐ね。じゃあとりあえず、白子ポン酢をもらいましょう。
プリプリとした食感、広がる旨味。それをきゅっと〆るようにポン酢がまとめています。美味美味。

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大きな厨房はお揃いの青い格好の店員さんたちが黙々と料理をつくっています。この厨房を囲むようにコの字カウンターが配されていて、私はこのカウンターで飲むのが好き。テーブル席もあるのたけれど、このライブ感を肴に飲みたいじゃない。

「なにになさいます?今日はおつくりは寒ブリがええですなー。」
大将はさすが京都の人。さらりさらりともてなす感じは実に心地いいです。

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勧められたら素直に従うのが飲み屋でうまく楽しむ基本。
注文と同時に、大きな刺身包丁ですーっと切り出していく大将。それを眺めながら、瓶を傾けビアタンに注ぐ。

いやー、実にすばらしい色合い。醤油をちょっとだけつけて、うん、脂がのっていてねっとり美味しい♪

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お酒は東山酒造(伏見)の魯山人・特別純米を。京都産の酒米「祝」100%でつくったお酒で、クリアな味だけれどあとからぐいぐいとくる旨味が特長。ブリや白子など旨味のつよい肴にぴったり。

ほかにも、地元の松本酒造の桃の滴や鴨川、そして土佐鶴や高清水なども。定番の燗酒には大将のお気に入り「ねのひ」盛田・名古屋が使われています。

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ハモの照り焼きがでてきました。京都や大阪の飲み屋さんは年中ハモをおいているところが多いですね。大衆酒場でも定番として置かれていることが多く、これが東京の酒場との違いの一つ。

穏やかな味付け、香ばしい余韻。そこに桃の滴をすっ…幸せ。

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エビイモの揚げ出しは毎回ここで頼む一品。柔らかいのだけれど食感にクセがあり、出汁との相性が非常にいいです。

あとは、年中置かれているおでんも是非食べて欲しいです。おでんなのに”そうめん”があったり、京芋も季節によってはでてきます。おばんざいなんてお淑やかなものではなく、普段の京都の料理を楽しむならば居酒屋がやっぱりいいんじゃないのかな。割烹より手軽に、京の地のものをたくさん楽しみましょう。

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くじら料理も揃うのですが、そこまで食べていると梯子ができなくなってしまいますので、まずはこれくらいに。
瓶ビールからはじめて冷酒二杯に最後はお燗酒1合、うん、いい気分になってきました。

地元の人の定番酒場を覗くことで街を味わえる気がしませんか?

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見なゆ)

よしみ
075-252-4110
京都府京都市中京区河原町三条上ル恵比須町534-16
16:30~23:00(日定休)
予算3,000円