池袋北口の老舗「千登利」は戦後間もない昭和24年の創業。池袋で今も残る飲み屋では最古参といえるお店です。もっとも、池袋は古いお店が多いので街の酒場は平均年齢やや高め。若者が一晩中騒ぐ街なのに、そうした老舗飲み屋の店内は静かで落ち着いたムードを保っています。
とくに北口で煮込みを楽しむならばここで間違いなしと言われるお店です。面する路地の名はロマンス通り。昭和のセンスっていいな。
まずは瓶ビールをいただいて乾杯しましょう。毎日ピカピカに仕上げられる手触りサラサラの白木カウンターに黒ラベルの金星がよく映えます。
生ビールもいいけれど、ここはやはり星を眺めながら飲めるびんでいきたいところ。
名物の肉豆腐は継ぎ足しで守られて伝統の味がいきる大鍋で出番を待っています。すき焼き風の甘めの味付けはしっかり濃い味で、これとビールの相性はたまらなくイイ。まさに絶品という言葉がふさわしい古典的な牛もつ煮込みです。荒くきったネギが食感にアクセントを加えていて好き。
もつ焼きも煮込み並んでお店の看板料理。お店はL字のカウンターが奥にのびてそこそこ客席があるのですが、焼き台は店のサイズにしてはやや小ぶり。その小さなスペースで、この道何十年って感じで店の方がもくもくと焼き上げていく様子は見ていてなんだかホッとするんです。
大々的に焼き台を広げてボーボーと火柱立てているよりは、千登利の店のイメージにはこっちがあっています。
カシラなど定番がそろうのですが、やはりここでオススメはつくねでしょう。甘辛いタレを何度も重ね塗りしていくので黄金色に輝いて見えるんです。これをチョイとつまみながら、瓶ビールを空にする。そのあとはおまちかねのホッピーへ。
千登利のホッピーはナカ焼酎がなんと乙類。麦焼酎でつくるホッピーは焼酎の甘さが際立って甲類とはまったく違う味わい深いものになります。
これを飲みながら、もう少しなにか食べましょうか。名物のすずめ焼きやうずらの卵焼きも久しぶりに食べておこうかな。
のんびりとここちの良い時間が流れている千登利。店の作りからはちょっぴり各式の高さを感じます。昭和の頃はハレの日に飲兵衛が行くようなお店だったんでしょうね!
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
千登利
03-3971-6781
東京都豊島区西池袋1-37-15 西形ビル 1F
16:30~22:30(火定休)
予算2,500円