西武新宿線沿線は飲兵衛にとっては実に素晴らしい街が多いです。まさに東の京成押上線、西の西武新宿線といったところ。沼袋や隣の野方は、京成線でいえば立石にあたる場所。それはもう、名店老舗新進気鋭と揃い踏み。今日も明日も、地元のお酒好きの心とお腹を満たすべく、変わらぬ暖簾が掲げられます。
そんな沼袋において、やはり語らずにはいられない老舗がここ「ホルモン」です。沼袋は戦後に東京の中心部から移り住んできた人によって発展した街。だから飲み屋も戦後の経済成長期に出来たお店が多いんです。ここホルモンも昭和39年創業です。
松竹梅の名前がかっこいい藍色の暖簾も素敵ですが、やはり昔のサッポロのロゴが老舗の証、電照看板がたまらりません。
飲み物はわかりやすく小びんか大びんの黒ラベル。酎ハイ類と甲類ストレート、日本酒は昔ながらの表記で1級2酒と書かれています。
普通にビールと頼みますと黒ラベルなのですが、指名すれば赤星もでてきます。
すらっとしてカッコイイご主人にさくっとオーダーを通して、まずはビールで乾杯です。
ニノ字構造のカウンターは昔のもつ焼き店によくある配置。一番外側に焼き台があり、ここを大将が守ります。
女将さんは冷奴や冷やしトマト、そしてドリンクの担当です。
もつ焼きは昔ながらのお店でありながら種類が多く、1本から頼めて120円と良心価格なのも嬉しいです。タレは甘めでねっとりとした旨味。これに合わせるのは、やはり甲類かな。
冷奴はこれからの季節の大定番。常連さんからのオーダーも多い、リーズナブルで食べ答え十分なサイズです。
さて、ホルモンのドリンクといえば何と言ってもコレ!星マークの輝くサッポロ焼酎です。
昔から変わらず扱っている甲類で、他ではあまり見かけないことからホルモンにきて★焼酎を飲むのが目的、なんて人も多いです。
これを軽く梅エキスで割るのがいい。下町の定番という印象が強いですが、西の沼袋でも根付いた割もの文化です。
酸っぱさのある味で、より梅っぽいのが特長。これとホルモンのもつ焼きの相性は抜群です。200円台という安さも魅力。
ホルモンのドリンクといったらコアなファンの多い桑茶割りもの忘れてはいけません。かなり癖のある味ですが、これが飲むごとに健康な気分にしてくれるから不思議。
ビールが赤星、焼酎もお星様と来たら緑茶割りもやっぱりこれ。緑色の強い玉露割りは根強い人気のお茶割り専用のお茶「業務用玉露茶」を使ったサッポロ系のドリンクです。
昔ながらのカウンターで黙々と食べつつ飲みすすめるドリンクはどれも本当にホッとします。
お店の雰囲気、店主の醸し出すオーラ、なにより種類豊富で安いもつ焼きは、まさに西武線のもつ焼き老舗の代表にふさわしいパワーを感じます。
常連さんに配慮しつつ大人な飲み方を楽しみたいですね。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
ホルモン
03-3385-1508
東京都中野区沼袋1-38-3
17:30~22:00(日祝定休)
予算1,800円