2020年に移転しました。移転先の記事はこちら
田町「駒八本店」 移転しても駒八おやじのパワーは変わらず!
田町駅前の慶応義塾大学とNEC本社とJR田町駅を頂点としたトライアングル地帯には細い路地がくねくねと伸びていて、そこには大衆酒場や今風のバルがぎっしりと立ち並んでいます。老舗のお店が多く、街そのものの歴史を感じます。NEC城下町ということでスーツ姿のグループや慶応の学生でも賑わっていて、とても活気のある地域です。
おもしろいお店がいろいろあるのですが、まずはここを語らずして田町の話はできません。名物社長が元気に切り盛りされる居酒屋学校「駒八」です。
居酒屋業界の有名人、駒八おやじ(心をこめて敬称略)がつくった繁盛酒場。創業40年、田町を中心に5店舗展開しています。その本店をご紹介しましょう。
本店は駒八おやじご本人もフロアに立たれています。田町に駒八は3店ありますが、駒八おやじに会いたくて本店に飲みに来る常連さんも多い。店内は厨房の様子がよく見える長いカウンターと、その先にテーブル、堀ごたつの小上がりというつくり。小上がりは20人くらいまで入るので田町という場所柄らしい宴会で利用するグループの姿も多々。
木のぬくもりがあるほっこりとした空間。居酒屋は会社と自宅の間の第三の居場所。だから切り替えるためのこういう暖かい感じはとてもいいと思います。
さて、何から飲み始めましょう。やっぱり生ビールかな。瓶ビールも取り扱いあり。じゃあアサヒスーパードライの生をお願いします。
じゃじゃーん。どんと登場。ここのジョッキ、しっかり入る昔からのデザインでとても好き。乾いた喉をスーパードライがすいすいと流れていきます。キリっとしていて心地いい。
おつまみはどうしましょう。刺盛り、鉄板料理、鍋に揚げ物。最近はなにかに特化した居酒屋が多いですが、駒八は昔ながらの居酒屋料理を貫いています。
こちらが日替わりメニュー。駒八おやじがすすめる「目玉」という商品。ここに来たらまず食べてねというその日その日のおすすめ料理です。今日は白魚刺身。お刺身のラインナップが多く、いかにこのお店の食材が回転している、つまり繁盛しているかがここからもよく伝わってきます。
お店オリジナルのさつま揚げ、かぼちゃのアーモンド揚げなど気になる料理が多い。何を食べようか迷ってしまいます。目玉と一品ものを2品くらいを頼む常連のお一人様。一品でボリュームのある料理は半分や一個などサイズダウンすることも可能です。
天豆は注文してから茹で上げます。ほくほくで甘い初物のそら豆が嬉しい。
白魚は半透明でぷりっぷり。生姜醤油をつけてつるりといただきましょう。目玉商品でもしっかり質がイイ。
大衆酒場といえば煮込み。田町の名物酒場の煮込みはとても個性的。力強い丼にたっぷりとはいったモツ。味付けは白味噌で豆腐やキャベツが入った鍋料理風のもの。うまみたっぷり、もつ特有のクセもなくとても食べやすい。
煮込みとくれば、飲み物はやっぱりホッピーでしょう。名物おやじのお店には名物社長がやってくる。ホッピービバレッジの3代目、ホッピーミーナこと石渡美奈社長も駒八にいらっしゃるそうです。
酒場の人気モノ、ホッピーで乾杯です!ホッピーミーナは氷なしですが、私は氷いりでちびちびと。ソト1・ナカ3くらいがいいかな。
うちの焼き鳥も美味しいよ、と駒八おやじ。お客さんの食べ具合・お酒の具合をよくみていらっしゃるので、絶妙なタイミングでおすすめしてくれる。近すぎず遠すぎず、この接客は真似したい。っていっても、私は居酒屋ライターだから真似できないけれど
もちもちとした食感の焼き鳥。海鮮が多いですが焼き鳥も取り揃えているというのはいいですね。
室蘭やきとりというものをご存知ですか?北海道室蘭の郷土料理で輪西の屋台から始まったもの。「やきとり」といっても「やきとん」のことで、玉ねぎを間にはさみ、甘さと粘度の高いタレにつけたものをいいます。練がらしをたっぷりつけて食べれば、これが実に美味。
さつま揚げは名前のとおり揚げ物。なんと注文してから揚げます。出来立てのさつま揚げを食べる機会ってあまりないのでちょっと感動。もちもちとした食感、自家製・出来立てってこんなに違うんだと驚きます。
かぼちゃのアーモンド揚ってはじめて。甘みと旨味がしっかり。一品で頼むと量が多いのでアスパラ揚げとさつま揚げを混ぜて盛ってくれました。
駒八は地酒飲みくらべを目的にする、という人も多い人気メニュー。本醸造から大吟醸までなんでもOKで930円というお得なセットです。
田酒や真澄、〆張鶴など日本酒好きの心をしっかりくすぐるこのラインナップ。獺祭や久保田などの注目の銘柄もあり、これを飲み比べられるのは素敵でしょ。
さらにメニューにない日本酒もあるので、店長に聞いてみると季節ならではのラベルを出してくれることもあるので、日本酒好きの方はぜひ聞いてみてください。
甘め、普通、辛めで、その中でも日本酒の種類をしっかりと楽しんでいただけるものを選びました、と店長。
右から順に飲んでみてください。奥深い日本酒の世界が楽しめますよとのこと。大衆酒場でしっかりとした提案をしてくれるなんて嬉しいじゃないですか。
陸奥八仙は超辛だから、なるほどこういう並びね。
しっかりと統制のとれた厨房と接客。中の人も料理について説明してくれたりとても雰囲気がいいです。飲食ですから食べ物はもちろん大切ですが、お客さんにくつろいでもらうための心意気みたいなものもとても大切ですね。
駒八の接客術やお店の作り方は居酒屋業界でも有名で、社長もとても人気モノ。その原点がここにあることがよくわかりました。値段切り口、コンセプト切り口、いろいろな飲食業がありますが、駒八は本来あるべき「居酒屋」の見本を貫いているように思い、とてもよいお店です。
常連さんが板前さんと仲良く日常会話をしている光景もあり、一人客からグループまで幅広く愛されているなということを感じました。
居酒屋業界関係者さん、飲みに行ってみてください。きっと参考になりますよ。あれ、このブログ、いつから業界人向けに…(笑)
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
駒八 本店
03-3453-2530
東京都港区芝5-16-1 橋本ビル 1F
17:00~23:30(日祝定休)
予算2,800円