鶯谷「関所」 神社の下の40年続く昭和な世界で豊富な海鮮を

鶯谷「関所」 神社の下の40年続く昭和な世界で豊富な海鮮を

2016年1月25日

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上野の関所といえば、山手線から見えるお馴染みの酒場。昭和49年の創業だからもう40年この地でやつていることになります。いや、見た目や立地からすれば、昭和初期からやっていると言われても不思議ではありません。関所という名前は、もちろん職場と自宅の間に通らなければいけない空間があるという意味から。

上野の関所、ここにあり。東北から東京出張で来ている方が帰りの列車までの時間をここで過ごすなんて姿は昔からみられる光景。最近は北陸も北東北までも新幹線ができて東京の滞在時間が伸びたから「もう一杯」余分に飲めてイイですね!

なんとこのお店、神社の一階にあるんです。ここをご存知の方は頷くと思いますが、知らない方からすれば、「神様はビルに住んでいるの?」と考えてしまうかも。鎌倉時代にできた歴史ある「元三島神社」で、根岸の鎮守様です。その社殿の下になんとこの居酒屋があるんです。元三島神社を建て替えるときに現在のように一階を店舗にしたのだそう。神社の入口はこちら側にないので、言われなければ神社下とは気づきません。

お酒のご縁を求めて飲みに行ってみましょう。

 

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境内の下なので結構広い。公民館の集会場のような空間にずらりとテーブルが並びます。そしてそこにメートルがあがった白髪の紳士たちが顔を赤くして笑っています。元三島神社は七福神の寿老神がまつられているので、ここで飲むお父さんたちもご長寿さん。

ビールはガツンとくる苦味を味わうみんな大好きキリンラガー。しゅっとした大びんがこの空間に実によく似合う。

 

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お通しがついてきますが、とてもリーズナブルなので安く飲もうと思っている人も心配不要。毎日変わる気の利いた小鉢。おぉ、今日は数の子ですか。

 

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そして、ここ関所といえばやはり海鮮。とくにお刺身はぜひ注文の中のひとつに入れておいてください。はずれなくレベルの高いものが味わえます。ここのご主人はもともと寿司の人。だから大衆酒場になっても寿司屋時代の仕事はしっかり維持しています。

日本酒をいただきましょう。宮城の塩竈(しおがま)市の銘酒、浦霞。澄んだ米の味とフルーティーな風味で安定した美味しさの銘酒です。北の玄関・上野らしいチョイスです。

 

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かれいの煮つけ。卵もちで大きくぷりぷり。えんがわの部分から箸でちょちょっと摘んでひとくち。味付けは優しく上品。余韻に浦霞をきゅっと。こういう時間、大好き。

 

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れんこんのはさみ揚げ。揚げ物メニューが多いのはやはり大衆酒場らしい。でも、単純な料理ではなくちょっと仕事がされたものが多いです。それでいて、変に奇をてらったものではなく、ロマンスグレーのお父さんたちが安心して楽しめる料理ばかりなのが素晴らしい。やっぱり酒場というのはこういう安定感が欲しいですね。

 

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鶏てん。たっぷりのおろしポン酢でいただきます。

 

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ハンペンフライも人気の料理。きつね色の衣にたっぷりソースをかけて。料理は本当に安くて300円~400円がほとんど。こんなにリーズナブルでよいのかと心配になってしまいます。だって鶯谷駅とはいえ山手線の駅だし、なによりここ改札から徒歩40秒位のすごい駅近なんですもん。

近くには同じくらいの価格帯で大衆酒場や食堂好きに愛されるお店が数軒ありますし、もしもここのお店で飲んだことがなければ、ぜひ一度お立ち寄りを。そして、この界隈の酒場パトロールどうぞ。

年配の方が多いお店はいいお店。人生の先輩から学ぶことはまだまだありますね。

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

居酒屋 関所
03-3872-4168
東京都台東区根岸1-7-3 元三島神社 1F
17:00~24:00(土祝16:30~・日定休)
予算2,400円