荒川区町屋、都電荒川線が走るのどかな街並みに店を構える『錦鮨』は、大正時代から100年以上営業を続ける老舗の町寿司。現在は3代目のご主人が一人で切り盛りされています。名物の元祖たらこ軍艦や、丁寧な職人技が光る逸品の数々。今回は都電の横で長年にわたり地元で愛され続ける大衆寿司をご案内します。
都電沿いで1世紀、千社札が物語る町屋の歴史

町屋駅から都電の線路沿いを歩いて5分ほど。緑の瓦屋根が目印の『錦鮨』は、大正年間に創業した歴史ある寿司店です。鮨商組合にも加盟する正統派ながら、気取らない雰囲気。

店内に入るとまず目を引くのが、壁一面を埋め尽くす色とりどりの千社札。これは約50年前に近隣の寿司店から贈られたそうで、かつてこの界隈にどれほど多くの寿司屋が軒を連ねていたかを今に伝えています。

現在は3代目のご主人がお一人で切り盛り。ご主人は単に魚を切って握るだけでなく、すべてのネタにひと手間加える「仕事」が好きなのだそう。干瓢や鯵酢、小肌などを食べてみたいですね!
足立市場直送の鮮魚と技が冴える握り

まずは瓶のエビスビールで喉を潤しましょう。お通しのホタルイカは富山県産。

お酒の肴には、刺身の盛り合わせからスタート。

足立市場で目利きした中トロ、活赤貝、サバ、ブリが美しく並びます。

とくに軽く締めたサバは絶品で、脂の甘みと酢の加減が新潟のお燗酒を誘います。


続いて主役の「特上にぎり」を注文。中トロ、穴子、ウニ、いくら、海老、カンパチなど。しっかりボリュームのある大衆鮨の握り方です。

ふっくらと握られた酢飯とのバランスが素晴らしく、職人の技を感じる仕上がり。これで3,000円ほどは、現在の物価としては良心的ですね。並にぎりはもっと手頃ですし、ランチ握りも900円ほどととってもリーズナブル。

追加で頼んだ「鯵酢」のにぎりは、ご主人の丁寧な仕事が光る一品。脂の乗ったアジが口の中でとろけます。

さらに、諸説ありますがこちらが発祥とも伝わる「たらこ軍艦」も外せません。絶妙な塩気がお酒の肴としてぴったり。
百年間おつかれさまでした

こうした手仕事を守る町寿司が少なくなっていく中で、3代目が守り続ける暖簾は町屋という街にとっても貴重な存在。息子さんも飲食の道を歩みましたが、近くでレストランを開いているとのこと。現在のご主人が元気なうちに通いたいですね。
都電の走る音を遠くに聞きながら、カウンターで粋に杯を傾ける。ふらっと訪ねて、ご主人の町屋の話を肴にお酒を寿司屋飲みを楽しんでみてはいかがでしょう。
| 店名 | 錦鮨 |
| 住所 | 東京都荒川区町屋2丁目15−2 |
| 営業時間 | 11時00分~21時00分 |
| 創業 | 大正時代 |
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