角打ちの魅力。
それはなんといっても、「お酒が安い」ということ。これは、硬派な店からお洒落な角打ちまで、どんなタイプでも共通に言えることです。
硬派には硬派としての魅力があるのですが、それはまた今度。
お洒落な角打ちでは、これに加えて「酒を学ぶ場」としての価値があります。売っている人は酒屋さんなので知識が豊富。しかも、あれこれと飲み比べすることができるので、これほどまでにお酒の知識を深める空間は他にありません。お客さん同士でも、それぞれの得意分野などがあるので、交流を深めていくことで学ぶことも多いです。
まさに「お酒塾」といえますね!
さて、今回はとっておきのお店をご紹介。こんなに毎晩飲み歩いていても、まだまだ知らないことは多く、今でも新たな発見に興奮します。「フェアリーゴールデン」は、そんなお店のひとつです。
八丁堀と新富町の間にあり、界隈は飲み屋街でもないのですが、少し歩けば月島も銀座も人形町も近いという立地。店名は犬舎からつけられたそうで、営業主体は内山商店という歴史ある酒販店です。
店内は大きなスタンディング用のテーブルと、その両側にはずらり酒瓶が並びます。
常連さんがすでに心地よく飲まれていますが、私も混ぜてもらいましょう。
一杯目は生ビールで(黒ラベル)。300mlの小ジョッキが酒屋価格でいただけます。泡の具合、ガス圧、洗浄、さすが酒屋さん完璧です。うーん、やっぱり一杯目はビールでしょ!
おつまみに生ハム(200円)をいただき、次のお酒はベルギーの新ジャンルを。なんだかお洒落な感じ。
生ハムを食べるのならば、次のお酒はワインでしょう。
グラス売りのワインが数種類あり、よくあるパック入りではなく、そこそこのレベルのものが揃い、価格は200円から。ワインの輸入も手がけているそうで、店内がワインをメインにディスプレイされている理由がわかりました。
※写真はうっかり飲んでしまってからのもので、結構な量を入れてくださいます。
百十郎は岐阜県各務原市の林本店がつくるお酒。地元では栄一が定番です。
この百十郎、最近見かけることが増えてきましたが、実は現蔵元が2012年に立ち上げた比較的若いブランドです。蔵元が女性ということもあり、いま注目の銘柄です。
辛口のお酒ですが、旨味が深く、「ほぉ」ってなる味わい。まだ飲めるお店も少なく、ごく一部の特約店での販売になるので、ご興味ありましたら八丁堀まで行ってみるのが良いかと思います。
こちらはワイン棚。地域別でわかりやすい説明付き。こう並ぶと選ぶ楽しさがありますよね!
掘り出し物から大手系の定番までひと通り。抜栓料500円を支払えばボトルを角打ちで飲むこともできるので、数人で来ていくつか試してみるなんていうのも楽しそう。
イエローテイルが1,000円くらいなので、1,500円でボトルワインが飲める計算に。使い勝手がいいですね。
角打ちですので定番おつまみもひと通り。缶詰に加えてオリーブやサラミなどの簡単なお皿に盛るものも200円から300円でいただけます。
店主は内山さんという女性。もっともっと楽しんでもらえる酒屋を目指したいという熱心な方で、いろいろ奮闘されています。
居心地はとてもよく、またお店の方が女性ということもあり、はじめてのお一人様も安心して飲めるお店になっています。渋い角打ちはまだ怖くて…という方はどなたでもここは楽しめそう。
ちょっと駅から離れていますが、お昼から飲めるということもあり、ぜひ一度お試しになってほしいお店です。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見なゆ)
フェアリーゴールデン
03-3551-3403
東京都中央区湊2-6-6 芦田ビル
12:00~20:00(日祝定休)
予算1,000円