八丁堀『支那麺はしご入船店』排骨としゅうまいでビールが進む

銀座で約半世紀前に創業し、銀座6丁目に本店を構える担々麺の人気店「支那麺はしご」。その支店のひとつ「支那麺はしご入船店」は、夜はお酒を楽しむ人多数。せいろで蒸したてのシュウマイや排骨をおつまみにビールが楽しめます。

「はしご」もここは飲める雰囲気

新富町や八丁堀から徒歩数分、新大橋通り沿いに店を構える「はしご入船店」。入船とは明治時代につくられた入船川が由来で、川は埋め立てられましたが地名に町の歴史を残しています。

この界隈は飲食店が密集するエリアではないもののこだわりの飲食店が路地に点在し、銀座をこえて訪れる人も多いです。

はしご入船店はそうした飲食店から梯子酒をしに訪れるお客さんや地元住民に親しまれています。

まずは瓶ビール（サッポロ黒ラベル）で乾杯。

品書きは町の中華ではなく「ラーメン店」の内容です。看板料理の担々麺を「だんだんめん」と濁点をつけて呼ぶのが特徴的です。

お酒を飲む人はこちらの面が大事ですね。

アルコール類はビール（サッポロ黒ラベルのみ）と日本酒、ともに600円。おつまみは、看板料理の排骨担々麺のトッピングになっている「排骨（ぱいこう）」や「太肉（だあろう）」（各500円）があり、はしごで飲む楽しさがあります。

しゅうまい（4個400円）、餃子（5個900円）、きゅうりとばんぱんち（300円）など、ほかにもお酒の肴が揃います。

はしごの「排骨」は実にビールを誘う味です。厚さ1cm、手のひらサイズの排骨にオリジナルの八角が効いた台湾で味わえるようなソースがかかります。バリっとした濃い味の衣も印象に残ります。

みっちりと豚肉がつまった、ほぼ肉団子のようなしゅうまい。かたく箸がすんなり入らないわど。噛むほどに濃厚な肉汁が広がる逸品です。

ちなみに餃子が900円としゅうまいに比べ割高に思えますが、非常に大きく肉がぎゅっとつまった特製の一品で、その価値はあります。

夜遅い時間に飲みに行くと、ほとんどの人がビールを傾けています。当然1杯で済むはずもなく、おかわりが続きます。

「はしご」の担々麺は一般的な中華店のそれとはまったく異なります。麻も辣も強い主張はなく、優しい旨味とピリリとした余韻がじんわりとやってきます。醤油ベースのスープに複雑な香辛料の味が心地いいです。

たまにはこういう飲み方も楽しいですね！

ごちそうさま。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）