浅草『中華料理 あさひ』観音裏の百年中華で、昼から餃子で黒ラベル

浅草『中華料理 あさひ』観音裏の百年中華で、昼から餃子で黒ラベル

観光客で賑わう浅草寺の裏手、通称「観音裏」。花柳界の風情が残るこのエリアに、創業から一世紀を超える老舗『中華料理 あさひ』があります。大正3年創業という歴史を持ちつつ、いまも老若男女で賑わい続ける人気店。お昼から名物の餃子でビールを飲もうと、暖簾をくぐりました。

スポンサーリンク

観音裏の街並みが昼飲みを美味しくする

浅草といえば、雷門や仲見世通りの賑わいまイメージが強い。ですが、言問通りを越えた北側、「観音裏」と呼ばれるエリアには、また別の顔があるんです。かつての花街としての艶っぽさと、職人たちが暮らす下町の生活感が混じり合う独特の空気感。 目指す『中華料理あさひ』は、そんな観音裏のメインストリートの一つ、浅草柳通りに店を構えています。

最寄りの駅からは少々歩きますが、その距離がむしろ心地いい!観光地としての浅草の喧騒が遠のき、住宅と商店が入り混じる下町らしい街並みを散策しているうちに、大人の隠れ家に辿り着いたような気分になってきます。

創業は1914年(大正3年)。現在は4代目が暖簾を守っています。日本の中華料理店の歴史においても極めて早い時期に産声を上げた一軒。創業は日本橋でその後、浅草へ移転されたそうです。戦後の混乱期や高度経済成長期を経て、今もなお多くの食通や地元の方々に支持され続けています。

正統派の大衆中華の味が昼飲みにはちょうどいい

サッポロ生ビール黒ラベル中瓶:700円

店名は『あさひ』ですが、ビールはサッポロ黒ラベル。使い込まれていても清潔に保たれたテーブル席に腰を下ろし、中瓶を注文。トクトクと手酌でグラスを満たし、まずは乾杯。

メディアではラーメン店として紹介されることも多いですが、私の中では「飲める町中華」。周囲を見渡しても、餃子やうま煮、炒め物を肴に、ゆっくりと杯を傾けている常連さんの姿が目立ちます。BGM代わりのテレビの音と、中華鍋を振るう小気味よい音が、最高の酒の肴です。

肉たっぷりの炒め物と焼餃子

肉やさい炒め:850円

まずは「肉やさい炒め」から。味付けがいい。シンプルながら実にバランスが整っています。シャキシャキとした野菜の食感と、豚肉の脂の甘み、そして醤油ベースの香ばしい味付け。ビールのピッチがつい上がってしまいます。

餃子:600円

続いて、看板メニューの「餃子」が焼き上がりました。

こんがりとした焼き目が食欲をそそります。一口噛めば、カリッとした皮の奥から、野菜と肉の旨味が詰まった熱々の餡が溢れ出す。黒ラベルとの相性は言うまでもありません。

奇をてらわない王道の味ですが、そのバランスの良さに、100年以上続く老舗の技を感じます。

伸びる心配のないワンタンもおつまみです

麺類も魅力的ですが、ゆっくりお酒を楽しみたい私のようなタイプには「ワンタン」という選択肢も。

麺が伸びるのを気にすることなく、つるりとしたワンタンを肴に紹興酒をきゅっと。スープ代わりにもなり、お腹も心も満たされます。

紹興酒:750円

よりつまみっぽいものが食べたい方は、揚げワンタンもオススメ!

観音裏、下町の日常に溶け込むひととき

お会計を済ませて外に出ると、まだ日が高い。少し散歩して入谷へ向かいましょうか。昔から普通に美味しいと評判の『あさひ』。ですが、100年以上も「ふつう」の味を守り、提供し続けることこそ、実は最も難しいことなのだと思います。

観光地の喧騒を離れ、歴史ある町中華で一杯。 浅草の奥深さを感じるひとときでした。

店名中華料理 あさひ
住所東京都台東区浅草3丁目33−6
営業時間11時30分~14時30分
17時00分~20時30分
月定休
創業1914年