三軒茶屋『長崎』誰もが驚く巨大シューマイでビールが進む、三角地帯の名物店で昼飲みを

三軒茶屋『長崎』誰もが驚く巨大シューマイでビールが進む、三角地帯の名物店で昼飲みを

三軒茶屋の駅からほど近く、細い路地が迷路のように入り組む「三角地帯」。戦後の面影を色濃く残すこの一角に、昭和51年から続く長崎中華の名店「長崎」はあります。多くの人の胃袋を掴んできた人気店で、名物はちゃんぽんとシューマイ。今回は、このシューマイにフォーカスして、三角地帯の老舗中華の昼飲みの魅力をご紹介します。

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まずは瓶ビール、そして主役の登場を待つ

のれんをくぐると、厨房を囲む9席のL字カウンターはほぼ満席。運良く空いた一席に滑り込み、まずは瓶ビールをお願いしました。

アサヒスーパードライの瓶を傾けて、グラスに注ぐ。外はまだ明るい。この瞬間がいつも最高に嬉しいです。よく冷えたビールを飲んで軽く一息。さて、料理をお願いしましょうか。

私「シューマイを、フルサイズでお願いします」

店員さん「量が多いですよ、半分もありますよ?」

半シューマイ(ハーフサイズ)という選択肢もあるのですが、今夜はこの名物を心ゆくまで味わいたい。そんな気分だったので、一皿お願いしました。

湯気を立てながらやってきたシューマイは、誰でも「わぁ」って声がでそうな大きさ。

まるで子供の拳ほどのサイズが4つ。その圧倒的な存在感に、思わず笑みがこぼれます。箸を入れると、むっちりとした皮の中から、豚肉と玉ねぎの餡が顔を出す。

一口頬張れば、じゅわっと肉汁が溢れ出し、凝縮された肉の旨味と玉ねぎの甘みが口いっぱいに広がる。長崎流儀でソースを少し垂らしてみるのも、また一興。どこか懐かしい味わいが、さらに食欲をそそります。

大衆店ならではの粋な飲み方、白鶴で仕上げる

巨大なシューマイをビールと共に楽しみ、心地よい満足感に包まれます。しかし、この店の楽しみはこれだけではありません。壁に貼られた品書きに「日本酒」の文字を見つけ、次の一杯をお願いしました。

「白鶴、お願いします」

すると、一合瓶と共に、お冷を入れる、いわゆる「ヒヤタン」が登場。お冷のコップで日本酒を注いで飲む。この気取らないスタイルが楽しい!

シューマイのしっかりとした旨味の余韻を、辛口の白鶴がするっと流すのでシューマイもペロリと完食です。

ちゃんぽんだけじゃない、奥深き「長崎」の世界

この店の看板は、暖簾に大きく書かれた「ちゃんぽん」や「皿うどん」。野菜や魚介の旨味が溶け出した優しいスープは、本場と変わらぬ美味しさ。

ですが常連客に目を向けると、「もつ煮」や「炒飯」で一杯を楽しんでいる姿も。特に、かまぼこと卵というシンプルな具材ながら、驚くほど美味しいと評判の炒飯は、一度試す価値ありです。もつ煮を大鍋でテイクアウトしていくご近所さんもいらっしゃいました。

お昼11時から夜まで通しで営業されているのも、この店の大きな魅力。ランチのピークを外せば、明るい時間からゆっくりと杯を傾ける、最高の「昼飲み」を楽しむことができます。

ひっきりなしにやってくるお客さんを、店主と料理人さんが二人で手際よくさばいていく。その活気と、カウンター越しの温かいやりとりがなにより酒の肴かもしれません。

店名長崎
住所〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2丁目15−1
営業時間11時00分~19時30分
創業1976年