雑多な雰囲気が残る五反田は大衆酒場が多く、飲み歩きが楽しい街です。老舗もありますが、特にここ10年は新進気鋭の酒場が次々とオープンしており、駅周辺の雰囲気までもが変わりつつあります。
今回はそんな五反田で明るい時間から楽しめる『昼飲み』スポットを7軒ご紹介します。どの店も筆者が実際に利用しており、安心してオススメできる店です。
1,『うお宿』
クラフトマンやBEETLE、大鶴見食堂などを展開するプロダクトオブタイム社が作った正統派の大衆酒場『うお宿』。レトロな内照式看板に縄暖簾と昭和の酒場ムード全開ながら、オープンは2017年。まだまだ新しいお店です。
随所に老舗酒場へのリスペクトが込められており、その魅力に誘われてベテランさんから若いグループまで老若男女で賑わっています。
いまは取り扱う酒場が少なくなった樽酒(菊正宗)もあり、樽香のついた灘の下り酒が楽しめます。
店名の通り、料理は魚介類が中心で、ホワイトボードには売り切り御免の旬の刺身の名前が書き出されています。千葉県産のイワシ、神奈川のタチウオなど近海物が食べられるのが魅力。
土日祝日は午後2時から営業。平日も少し早めの16時オープン。大きな店なので人数が多い飲み会などでも利用可能です。
住所 | 東京都品川区東五反田1-18-5 山口ビル ライオンズマンション東五反田1F |
営業時間 | 営業時間 【月〜金】16:00〜24:30 【土日祝】14:00〜24:30 ※ご予約は18時半まで 日曜営業 定休日 元旦 |
開業時期 | 2017年11月2日 |
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2,『大衆酒場BEETLE 五反田』
「うお宿」と同じ、プロダクトオブタイム社が運営する『大衆酒場BEETLE(ビートル)』。「うお宿」はテーブル席多めの造りなのに対し、BEETLEは煮込み鍋をメインにしたコの字カウンターが広がる酒場です。
魅力はなんといっても活気ある雰囲気と安定の料理の数々。とくに肉豆腐は絶品です。
2016年のオープン当時は、居酒屋といえば宴会ができる大箱店か、もしくはかなり尖った料理を提供する「専門店」スタイルが一般的でしたが、ビートルは少人数向けで、尚且つ料理も定番料理ばかりです。酒場の基本を丁寧に磨き上げ、カウンターの酒場に慣れていない人でも入りやすくしたことで大ヒットとなりました。
早い時間からカウンター席で一杯。チェーン店のような気軽さと、個人店で感じられるような「第三の居場所」感が融合した空間は同社の十八番といったところでしょう。
納得感のある価格設定、一人飲みでも利用しやすいボリュームもポイントです。20代の方もぜひ勇気をだして訪ねてみてください。きっと酒場が好きになると思います。
住所 | 東京都品川区東五反田1-23-7 メリス五反田ビル 1F |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 16:00~01:00 [土日祝] 14:00~01:00 日曜営業 定休日 元旦 |
開業時期 | 2016年 |
WEBで予約 | 食べログ |
3,『大衆食堂スタンド そのだ 五反田店』
東の「ビートル」、西の『そのだ』。2016年頃、首都圏ではビートルが”ネオ大衆店”として新たな酒場のトレンドを築いたと注目を集めていました。一方、関西では中華そば店から進化した『そのだ』が新進気鋭の酒場として話題になっていました。両店をベンチマークして、類似するカウンターメインの「ネオ酒場」が多数開店したのは有名な話。
2021年、『そのだ』は東京進出を果たしたのですが、なんと出店場所は五反田でした。
食事もお酒も楽しめる大衆食堂を現代風にアレンジし、昭和っぽさと令和のテイストをあわせた若い人も利用しやすくした店、それが『そのだ』です。
料理は肉豆腐やチャーシューエッグ、メンチカツに平打ち麺の焼きそばなど、酒場や食堂の王道料理ばかりですが、どれも少しずつSNS映えする要素を取り入れています。値段は手頃で料理のほとんどが500円前後。
明るく元気な雰囲気で、お昼11時から23時まで通しで営業。20~30代で酒場がお好きな方にはとくにオススメの一軒です。
住所 | 東京都品川区東五反田1-15-5 第5宮本ビル 1F |
営業時間 | 営業時間 11:00~23:00(L.O.22:00) 日曜営業 定休日 年末年始 |
開業時期 | 2021年9月11日 |
4,『もつ焼きばん 五反田店』
中目黒発祥で、三軒茶屋や恵比寿にも店を構える、昭和33年開業のもつ焼きばんの系譜。五反田にも支店があります。なんと五反田のばんは、11時30分に開店したあとは、翌日の朝4時まで休むことなく営業を続けています。お昼飲みだけでなく、深夜も山手線の始発直前まで営業するという非常にパワフルな酒場です。
名物は『もつ焼きばん』で命名された「レモンサワー」。酎ハイや焼酎ハイボールをと言われていた甲類の炭酸割りにはじめてサワーという名前をつけた店と言われています。※諸説あります
もつ焼きばんに炭酸水を卸していた博水社は、そんなばんのレモンサワー人気を見て、自社でもレモン炭酸水を開発。ハイサワーと名付け、全国区の割材へと成長していきました。
レモンサワーを飲みながらつまむのは、1本120円ほどの安くて満足感の高いもつ焼きです。ワッパやなんやわ、チャンポンなど独特な呼び名のモツが19種類もあり、あれもこれもつまみたくなります。
日中からもつ焼きが食べられる貴重な一軒。カウンターがあるので一人飲みも安心です。
住所 | 東京都品川区東五反田1-12-9 イルヴァーレ五反田ビル 1F |
営業時間 | 営業時間 11:30~翌04:00 日曜営業 定休日 なし |
5,『デビルクラフト五反田』
シカゴ風ピザ(ディープディッシュピザ)と20TAPのクラフトビールが自慢のビアバー『デビルクラフト』。神田が1号店で、五反田には2016年に誕生しました。土日は15時から営業しており、早い時間からクラフトビールが楽しめます。アメリカのパブのような非日常感が特長。
オーナーのひとりは、アメリカの自宅でビールを造っていたという熱心なビールマニアだったことで知られています。
クラフトビール好きの間では有名なお店で、連日ビールマニアで賑わっています。個性豊かなビールが常に20タップ揃えられており、そのうち約半数は品川にある自社ブルワリーで製造するオリジナルビールです。
作りたてのクラフトビールを楽しむ個性派のビアバーへ、軽く一杯だけでも飲みに立ち寄られてみてはいかがでしょう。
住所 | 東京都品川区西五反田2-7-8 誠實ビル 9F |
営業時間 | 営業時間 [水~木] 17:00~22:00(フードL.O.21:00 ドリンクL.O.21:30) [金・祝前日] 17:00~23:00(フードL.O.22:00 ドリンクL.O.22:30) [土・日祝] 15:00~22:00(フードL.O.21:00 ドリンクL.O.21:30) 日曜営業 定休日 月曜・火曜 |
開業時期 | 2016年7月4日 |
6,『グリルエフ』
70年以上続く老舗の洋食店『グリルエフ』は、五反田が生活圏の人には有名な店です。洋食店ながら二階は畳敷きの座敷になっており、1950年という時代にタイムスリップしたような気分に浸れます。
こだわりのデミグラスソースでつくるハヤシライスが名物ですが、実はハヤシライスは裏メニューでした。
一般的なソースメインのハヤシライスとは一線を画す、牛肉や玉ねぎがたっぷりと入った具だくさんのハヤシライスは、一度食べたら忘れられません。
ヒラメのムニエル、蟹コロッケ、ビーフシチューなど、正統派の洋食が揃っており、夜はしっかりとコース風に楽しむことも可能です。日中もランチのピークを外せばお酒が飲める雰囲気ですので、遅めの昼食がてら瓶ビール(サッポロラガー)やワインを1杯いかがでしょう。
住所 | 東京都品川区東五反田1-13-9 |
営業時間 | 営業時間 [月~土] 11:00~14:30(L.O.14:00) 17:00~21:00(L.O.20:40) 定休日 日曜日、祝日 |
開業時期 | 1950年 |
7,『うなぎ料理 よね山』
2008年に東五反田にオープンした『うなぎ料理 よね山』は、親子で切り盛りする家族経営のうなぎ料理店です。ふっくらと蒸し上げてから焼く関東式のうなぎ蒲焼が評判。しかもうな丼が2,000円程と良心価格なこともあっていつも賑わっています。
夜は肝串焼き(400円)、う巻き(2,300円~)、うざく(1,000円)、白焼き(2,100円)、鰻の南蛮漬け(1,200円)など鰻のおつまみが充実しています。
お昼はうな丼(2,000円)、うな重(2,900円~)、蒲焼定食(3,300円)などで一品料理はメニューにありませんが、お酒の注文はもちろん受けてくれます。
お通し(突き出し)としてでてくる、鰻の煮こごりは絶品。ビールだけでなく日本酒も注文したくなってしまいます。
主役の鰻はフワフワ、トロトロに仕上がっています。うな重は「上」か「特上」なら写真のように二重になって盛られてきますので、こうなると鰻のほうがご飯より多いくらいです。
こんな素敵なおつまみを前にしてビール(サッポロ生ビール黒ラベル 600円)や清酒 初孫(1合400円)を飲まないわけにはいきませんよね!
住所 | 東京都品川区大崎4-1-2 ウィン第2五反田ビル 1F |
営業時間 | 営業時間 ランチ 11:00〜14:30 (L.O.14:00) ディナー 月〜金17:00〜21:30 (お食事L.O.20:30、お飲物L.O.21:00) 土 17:00〜20:30 (お食事L.O.19:30、お飲物L.O.20:00) *売り切れ次第終了 定休日 日曜祝日、不定休 |
備考 | 2008年 2015年に現在の店舗へ移転 |
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)