宮崎『一平』昭和41年創業、元祖レタス巻きで知られる老舗寿司。昼飲みにも!

宮崎『一平』昭和41年創業、元祖レタス巻きで知られる老舗寿司。昼飲みにも!

宮崎には、世界の食文化に影響を与えた一軒の老舗寿司店があります。店名は『一平』。欧米の「sushi roll」や回転寿司の軍艦巻きでも多用される寿司とマヨネーズの組み合わせは『一平』のレタス巻からはじまりました。

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チキン南蛮もいいけど、日中から寿司店で飲むのもイイ!

九州沖縄地方で6番目の人口規模を誇る40万人都市、宮崎市。鬼の洗濯板と呼ばれる波状岩に囲まれた青島や、鵜戸神宮(日南市)などの観光地が有名ですが、お酒好きとしては雲海酒造をはじめとした酒造メーカーの存在と、県下最大の歓楽街「ニシタチ」のほうが重要かもしれません。

南国の雰囲気漂う街並みは、鹿児島や大分とはまた違った魅力で溢れています。

そんな宮崎市を代表する料理「酒の肴」は、網焼きで燻すように仕上げる地鶏炭火焼きや、チキン南蛮、肉巻きなどが知られています。また、宮崎市は人口あたりのスナックの数が日本一であり、夜の賑わいは相当なものです。日中は静かな「ニシタチ」が、夜になるとまるで縁日のように飲み客でごった返します。

ですが、そんな話題性のある情報ばかりではなく、忘れてはいけないのは寿司の存在。それも、王道の握り寿司や伝統料理ではなく、変わりダネの巻き寿司です。

世界で初めてマヨネーズを使った寿司を提供した店『一平』をご紹介します。

外観

店はJR宮崎駅から1kmほど。宮崎県庁の近くにあります。1966年に創業し、現在は2代目が『一平』を原点として飲食店を複数展開しています。

県庁から徒歩わずかの距離で、老舗の大箱。きっと数多の飲み会が開かれてきたことでしょう。

15時から17時まで中休みはあるものの、お昼から営業しており、ゆったりとした空間でお昼酒も楽しめます。有名店ということで旅行者の姿もありますが、駅やニシタチから離れていることもあり、お客さんの多くは地元の常連さんです。

内観

入ってすぐに職人さんがたつ付け台を備えたカウンター席。奥はテーブル席や座敷となっており、一人から宴会利用まで用途は様々。

親切な仲居さんがテキパキと給仕されており、年季の入った店ながら明るい雰囲気が嬉しいです。

品書き

お酒

  • 生ビール キリン一番搾り:650円
  • 瓶ビール アサヒスーパードライ・キリンクラシックラガー中瓶:650円
  • 芋焼酎 霧島(白・黒・宮崎限定):600円
  • 芋焼酎 木挽(白・黒・ブルー):600円
  • 麦焼酎 中々:750円
  • 日本酒:700円
  • 冷酒 初御代(雲海酒造):900円

料理

  • 元祖レタス巻:1,200円
  • 名物かに汁:650円
  • にぎり寿し:1,300円~
  • お刺身盛り合わせ:1,500円~
  • 酒肴盛り合わせ:700円
  • 煮魚:800円
  • 天麩羅:1,500円

元祖レタス巻は、思いのほかお酒と合う

キリンクラシックラガー(650円)

焼酎は2杯目の楽しみにとっておき、まずはビールから。樽生はキリン一番搾り生ビール、瓶はキリンクラシックラガーなど。

『一平』は長年キリンを扱っているとのこと。老舗寿司店で飲むクラシックラガーは、少し特別な気分になります。それでは乾杯

突き出しは、日々変わり、南蛮漬けや甘露煮など。ローカル感満載の箸袋も酒の肴に、レタス巻を待ちつつビールが進みます。

元祖レタス巻(1,500円)

漁港も近い宮崎で、地魚ではなくわざわざレタス巻?と思った方にこそ、試して欲しい逸品です。プリプリのゆでエビに特製マヨネーズ、これをレタス、酢飯、海苔で巻き上げた見た目通りの変化巻き寿司なのですが、これが絶妙なバランスでまとまっています。

マヨネーズの酸味、海老の旨味、海苔の風味がグイグイと焼酎飲みたい欲求を高めてきます。「元祖だから食べる」のではなく、焼酎の肴として積極的につまみたい料理です。

写真では細巻きのように見えますが、細巻きと太巻きの中間ほどの太さがあり、他にもおつまみを頼むのであれば、シェアしてちょうどいい量でしょう。

霧島《宮崎限定》(600円)

宮崎ではスタンダードな焼酎を徳利で提供するスタイルで登場。選んだお酒は、文字通り宮崎でしか飲めない、霧島酒造発県民向けの芋焼酎(白麹仕込み)です。昔ながらの濃厚な香りが嬉しい!

ブリあら煮(800円)

お酒やみりんをしっかりつかったあら煮。九州らしい甘い味付けです。

名物かに汁(650円)

ガザミ(ワタリガニ)を贅沢に一杯使用し、麦味噌で仕上げたかに汁は、ほとんどのお客さんが注文する人気料理です。その理由は食べてみてすぐにわかりました。650円とカニ汁としては良心価格なのに、かにの可食部はたっぷりあり、カニスプーンで格闘していたら、焼酎がもう1合進んでしまいそうな満足感があります。

ごちそうさま

旅先の老舗寿司店へ入ったら、普段であれば地魚が食べたいですし、サラダ巻き(宮崎では”レタス巻き”表記も主流)などは注文することはまずありません。そんな私ですが、ここのレタス巻きは食べてよかったと思える一品でした。宮崎のお昼飲みに、お試しあれ!

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名一平
住所宮崎県宮崎市松山1丁目8-8
営業時間営業時間
11:00~15:00(L.O.14:30)
17:00~22:00(L.O.21:30)
日曜営業
定休日
火曜(※祝日の場合営業)
開業時期1966年1月