綾瀬『駅前酒場』3年ぶり再開!豊洲で仕入れた鮮魚と一緒に味わう酎ハイの魅力

綾瀬『駅前酒場』3年ぶり再開!豊洲で仕入れた鮮魚と一緒に味わう酎ハイの魅力

1977年に創業し、二代目夫婦で切り盛りするアットホームな『駅前酒場』が、2023年4月8日に3年ぶりの店内営業を再開しました!焼酎ハイボールが待望の復活です。海鮮をたっぷり使ったつくりたての「駅前さつま揚げ」や刺身をつまみに、みんなで乾杯しましょう!

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復活の駅前酒場は、すべてが懐かしい

綾瀬駅前に位置することから、その名も『駅前酒場』。1977年の創業以来、40年以上もこの地で愛され続けてきた人気店です。そろそろ50年の歴史を刻む老舗酒場として、多くの人々に親しまれています。

店内はコの字型のカウンターのみで、20名入れば満席になります。

私も10年ほど通っていますが、昔は先代がカウンターの「端」で煮込み料理を作っていた、硬派寄りな酒場でした。先代は強面な印象を受けますが、とても気が利く方で、適度にピリッとした雰囲気の中で心地よく飲ませてもらいました。

タスキを受け継いだのは先代の息子さんの奥さんで、先代と一緒に働きながら少しずつ店を継承してきました。現在は、先代の息子さんで豊洲市場の氷製造販売会社で働くご主人と女将さん、そしてお手伝いの皆さんで営業しています。

ときにはお客さんが、3代目(候補)のお子さんたちをあやすこともあり、下町情緒あふれる楽しい酒場です。

豊洲市場で働くご主人が仕入れてくる新鮮な魚介類は、同店の新たな名物となっています。

また、世代交代後はインターネットでの情報発信も盛んに行うようになり、新しいお客さんが増加。昔からの常連さんと混ざり、「シン・駅前酒場」として新たな一歩を踏み出しはじめた矢先――

2020年3月がやってきます。店内営業を取りやめ、店頭でのテイクアウト販売のみとなり、その後、約3年間にわたり、駅前酒場の店内営業は休止状態が続きました。

3年間、待ちわびた駅前酒場がいよいよ営業を再開します。店内は極力そのままに、床や水回り、厨房機器を一部刷新。

「ここまで年季が入っていると新しくしたほうがいい」と業者からは言われたそうですが、酒場はその雰囲気も含めて店の味。先代から受け継がれた酒場の雰囲気そのままに再始動します。

品書き

お酒

  • ハイボール(焼酎ハイボール):350円
  • 生ビール(アサヒスーパードライ):600円
  • 日本酒(江井ヶ嶋酒造 神鷹):350円

日替わりおすすめ料理

店内のホワイトボードにて掲示。豊洲市場水産仲卸から仕入れる魚介類が人気。

取材時は、

  • 明石鯛刺身:600円
  • ヒラマサ生ハム:500円
  • ホタルイカ天ぷら:400円
  • 大アジフライ:500円
  • イワシ梅煮:400円

など

定番料理

  • 駅前さつま揚げ:600円
  • 自家製メンチカツ:600円
  • もつ煮込み:400円
  • 生のり納豆:350円
  • らっきょう甘酢漬け:250円

など

変わらぬ味と、ブラッシュアップされた味

ハイボール(350円)

店の名物は「ハイボール」です。ハイボールといっても巷のウイスキーハイボールではなく、城東エリアに多い色付きの甲類焼酎ハイボールです。

駅前酒場創業当初から酒は「鈴木酒販」が配達しており、同社が江井ヶ嶋酒造の「SS鈴藤 白玉焼酎」をプライベートブランドとして販売していることから、駅前酒場の焼酎ハイボールはずっと「白玉焼酎」です。

グラスに書かれた「SS」は、実は鈴木酒販のマークなのです。

再始動にあたり、カウンターの端にマルチサーバーを設置。以前は瓶詰め炭酸でしたが、2023年からはサーバーからでる炭酸水になりました。ガス圧は高めでキリッとした味。

酸味を効かせた独特の味わいは、先代の頃に極めて近く、常連さんもニッコリ!

焼酎ハイボールはもつ焼きと合わせる店が多いですが、同店のハイボールは酸味を効かせることで魚とのバランスをとっています。このようなペアリングは他では味わえないため、是非一度試してみてください。

明石鯛刺身(600円)

焼酎ハイボールに使う白玉焼酎を製造する「江井ヶ嶋酒造」は兵庫県明石の酒蔵です。そこで、明石つながりということで、プレオープン時は明石の真鯛を用意されていました。なんと「松皮造り」です。引き締まった身に良い脂が乗っていて、絶品の味わいでした。

ヒラマサ生ハム(500円)

以前からホウボウの塩焼きなど、なかなか普通の酒場では出さないような料理がありましたが、再始動後も期待できそうです。塩締めで引き締まった白身(ヒラマサ)に粒胡椒が素晴らしいアクセント。

カツオたたき

カツオはやっぱり分厚くなくては!ニンニクスライスがつく土佐づくり風です。

駅前さつま揚げ(600円)

名物の「駅前さつま揚げ」は、ぜひ食べてみてほしい一品。様々な店で自家製のさつま揚げを食べてきましたが、駅前酒場のものは一味違います。

ふかふかの揚げたてで、具には貝類なども入る海鮮たっぷりの逸品です。テイクアウトで買って食べてきましたが、やはり揚げたての美味しさは格別。

自家製メンチカツ(600円)

魚料理ばかり紹介してきましたが、自家製メンチカツも触れずに駅前酒場の記事を書くわけにはいきません。

大きく、みっちりと詰まったメンチカツは、箸で切り分けると肉汁がじゅわっと滲み出てきます。そして、それを吸ったキャベツもまた、お酒のつまみになることは言うまでもありません。

ケチャップや辛子がついてきますが、下町(広い範囲の意味で)の酒場らしく、ウスターソースでヒタヒタにして食べるのもオススメです。

アサヒスーパードライ 生ビール(600円)

2020年以前は、ハイボールの割材に炭酸の瓶や、ビールもキリンラガーの大瓶のみを扱っており、サーバーは設置されていませんでした。しかし、先に紹介したハイボールの項でも触れたように、再開後にはマルチサーバーが導入され、ビールは生ビールになりました。

銘柄は設置場所の樽サイズの都合もあって、アサヒが選ばれました。

ご主人が豊洲の氷関係の仕事をされている関係もあって、サーバーにもこだわりがたくさんあります。ビール樽ごと氷水に浸ける独自の方法をとっているなど、ビールの提供設備に詳しい人にも興味を引くはずです。

こだわりをもって注がれたスーパードライの生ビールはもちろん絶品です。

大アジフライ(500円)

ホワイトボードのオススメを頼んでおけばまずは間違いないのが駅前酒場。この日はアジフライに”○大”のマークがあり、期待が高まります。でてきたのは、長皿からはみ出すほど大きな真鯵です。

肉厚でとってもジューシー。ザクザクに揚がっているので、ソースをかけても衣のエッジはピンとしたままです。

自家製のタルタルソースがたっぷりついてくるのも嬉しいポイント。これで焼酎ハイボールが進まないわけがありません。

ごちそうさま

以前から利用されていた方はもちろん、最近、大衆酒場に興味を持ったという方にもぜひ訪ねてほしい、下町情緒たっぷりの名店です。

焼酎ハイボールは美味しくてついついたくさん飲んでしまいがちですが、焼酎がしっかり入っているため、飲み過ぎにご用心。

家族経営のワイワイとした雰囲気が好きな方ならきっと通いたくなるはず!

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名駅前酒場
住所東京都葛飾区小菅4-10-5
営業時間16:00~21:00(日祝定休)
開業時期1977年(2023年4月8日営業再開)