【保留】大船『観音食堂』 お昼から地魚で飲める喜び

【保留】大船『観音食堂』 お昼から地魚で飲める喜び

2014年5月12日

2022年1月24日午後10時50分頃、隣の和菓子店からの火災が延焼し、同店も全焼してしまいました。(2022/01/25追記)

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大船は三浦半島の付け根に位置する比較的大きな街。
江戸の頃、東海道では前後の”戸塚”と”藤沢”が宿場であり、大船はさほど重要なところではありませんでした。

駅の近くを流れる柏尾川はよく暴れていたようで、近年の治水技術が発達するまでは人の住所ではなかったそうです。

街の転機は東海道線の開通によってから。横須賀線と東海道線が分岐する拠点駅となり、街は商業中心に発展し、東京のベッドタウンとしても人気のエリアになりました。松竹の撮影所がこの地にあったことは有名ですね。

そんな撮影所が育てた食堂が駅前にあります。

観音食堂は昭和35年創業。この街では一番の老舗食堂です。駅からも近く好アクセスなだけでなく、なんとお昼から通しで営業しているため、お昼酒もできる使い勝手の良さがポイント。

食堂といっても、やはり飲めるのはあたりまえ。さぁ、今日は食堂お昼飲みといきましょう。

 

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いらっしゃい。お二人さん?こちらへどうぞ。

素朴な感じですが、こういう接客こそお酒を飲むのに向いているとつくづく思います。
ビールは、樽生がサッポロ、瓶ビールはサッポロラガー、ヱビス、キリンラガー、アサヒスーパードライの4種が揃います。どうですか、この品揃え。

ということは、ビールの味に拘る人か、お立場上会社指定の人が多いということですね。

私は、この時の気分でサッポロラガー。日本最古のビールは、こういう食堂によく合います。

こまつなのおひたし、釜揚げしらすを肴に、注文したものができるまで繋ぎましょう。

 

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地ダコのお刺身(600円)はこのボリューム。どのお刺身頼んでも、結構な量がでてきます。一人ならば、これ一品と小鉢で満足しそうなほど。
もっちりしたタコは湯で具合もよく、甘味がしっかりあり美味。

お刺身は種類が豊富で、定番のアジやイワシ、こはだに鯖といった青魚だけでなく、真鯛やヒラメ、カワハギなんていうのも揃います。

 

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キンメダイの煮付けが今回のメイン。
相模湾といったらやはり金目鯛は外せません。旬は冬と言われていますが、相模湾や駿河湾のキンメは6月までずっと美味しい。

程よい脂がのっていて、箸を当てると身離れはとても穏やか。甘さを控えめに煮ている観音食堂の味付けがよく合います。

お酒は、丹沢山という足柄の地酒を。小さな蔵で東京では滅多にみかけないラベル。やはり大船まで来るとあるものですね。

 

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待っていました!最後はメゴチの天ぷらです。

コチかと思ったら、プリプリのまるでカニカマのような身と鮮やかな赤い尾びれ。
めずらしい、これは赤メゴチですね!

中京のほうではヒメゴチなんて呼ばれていますが、このあたりでも獲れるんですね。珍しい食感ですが、淡白ながらも旨味があり、天ぷらに最適なお魚です。

このお店、隣の魚屋さんとつながっていて、お魚はそちらからまわってきます。魚屋の直営食堂ならではの魚の数々にすっかり嬉しくなり、お酒はますますペースよく飲んでいきます。

 

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あぁ、まだお外は明るいのねー。
どうしよう、藤沢にでも遊びに行くつもりだったけれど、すっかり大船の魚で満足してしまいました。

もう少し飲んでいきましょう。お酒はまだまだ飲めそうだから。

 

お客さんの平均年齢は50歳といったところ。観光客ではなく、地元の魚好きさんたちが集まっているようで、こういうお店で飲むのは間違いありません。
価格は食堂というよりはやや割高ですが、魚好きならば大船で途中下車しても間違いないでしょう。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見なゆ)


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