幼い頃から酒屋が大好きでたまらない私。
行き付けの酒屋で、当時はお酒を買うついでにリボンシトロンを買ってもらうのが楽しみでよく両親についていっていました。当時は今ほど未成年の酒販売が厳しくなくて、よく「二階堂」をお遣いにいったものです。
私にとって酒屋さんは駄菓子屋さんのような存在。それは、大人になっても変わりません。
素敵な酒屋さんが東京には山ほどあります。どのお店も、コンビニにはない温かみがあり、特長的で巡っていて飽きません。
たとえば、こんな酒屋さんはいかがでしょう。都電荒川線の荒川区役所前から歩くこと5分。商店街でもないところにポツンとある酒屋さん。そうそう、酒屋さんて昔から住宅街の中にありましたよね。
森田屋酒店は創業50年以上、歴史ある地元の名酒屋です。
向かって右が販売スペース。左側が角打ちコーナーとなっています。
「こんにちは、一杯飲ませてくださいな」
大瓶をもらって乾杯です。おつまみはレトルトのもつ煮込みにしました。乾き物か缶詰か、そんな感じのおつまみもいいじゃないですか。大人の駄菓子屋ですから。
うん、厚みのある旨味とすっきりとしたあと味にうっとり。
さて、ここは日本名門酒会の加盟酒店。日本酒の品揃えは大変素晴らしくしっかりとしたものを揃えています。ご主人もお酒について大変お詳しく、お酒好きならばいつまでもお話を伺っていたい、そう思えるような酒屋さんです。
えーっと、では新潟・長岡の美の川酒造の「朱鷺」をぬる燗でもらいましょう。
珍しいですねー、長岡には18もの蔵があり、新潟でもひときわ酒造りが盛んな土地で、越乃景虎や吉乃川といった銘酒が有名ですが、「朱鷺」というお酒も素晴らしい銘柄です。東京ではほとんど見かけませんが、バランスがよく酸味を甘味と旨味がうまく丸めているような、そんな味です。特にお燗が最高に美味。
角打ちスペースは4畳半ほどの小さな空間。店内にはお酒関係の読み物も並んでいて、酒が好きという共通点をもった人たちが集まれば自然と会話も進みます。
ご主人の温かい対応にひたすら感謝しながら、美味しいお酒をあれこれコップ売りで飲んでいきましょう。
他にも、例えばキンミヤ焼酎でつくるホッピーは200円台だったりと、懐にやさしいのも嬉しいですね。酒屋さんで飲むというのはやっぱりこうでなくちゃ。
気に入ったお酒がありましたら、一本おみやげに買って帰るものいいかもしれませんね。
いやいや、キンミヤは家に山ほどありますから、こちらでは買わないですよ。えーっ、一ノ蔵の純米原酒にしようかな。
三ノ輪から徒歩15分ほど。都電の駅からもちょうどいい距離の場所にあり、休日のお散歩の際に立ち寄ってみてはいかがでしょう。
日曜定休ですが、それ以外は10時から21時までずっと営業中。お酒好き同士、秘密基地のような酒屋の裏で銘酒をどうぞ♪
角打ちとしてだけではなく、街の酒小売店としてもとても支持されているようで、土地に根付いた酒屋さんって改めていいなと感じるひとときでした。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見なゆ)
森田屋酒店
03-3805-2805
東京都荒川区南千住6-17-5
10:00~21:00(日定休)
予算1,000円
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