山手線鶯谷駅。
上野駅からたった一駅なのに、ここの雰囲気はがらりと違います。もちろん、日暮里のそれともまた違って。
西側は桜木という住所で寛永寺・上野公園が広がり、高層マンションのない穏やかな街並み。
線路を挟んだ反対側は訳の分からないネオン街、そしてその先へ抜けると戦災を免れた古い街並みが残り、街歩き好きには定番のエリアとなっています。
駅そのものは山手線で一番乗降客数の少ない場所で、とても静か。そんな鶯谷駅舎よりも活気を感じる酒場が、駅前にある「信濃路」です。
なんとここ24時間営業。そして料理が300円くらいで満腹になるものばかり。お酒はそこまで破格ではないものの、真夜中でも日本酒が200円台で飲めるのは素晴らしいです。
女性のお一人様にはなかなか厳しいロケーションながら、店員さんは女性が多いこともあり、入ってしまえば居心地はいいと思います。
この場末の食堂オーラに魅了されて鶯谷駅で途中下車してでも飲みに行く人多数。
焼酎たっぷりで色が薄くなっているお茶割り(310円)で乾杯です。
鼻をこするような甲類の香りは賛否両論ありそうですが、甲類焼酎を愛飲する人にはこれくらいが美味しいかも。
メニュー全般は中華料理も扱う食堂といった感じ。
揚げ物、炭水化物と働く人のエネルギーをリーズナブルでだしています。
私はエビカツをおつまみに、お茶割りをすいすいと。美味しいかどうかといったら、まぁ普通。でも、とにかく安い。コロッケ100円、ワンタン300円、生姜焼き400円。うん、素敵。
とはいえ、揚げ物や炭水化物おつまみを食べ続けるのはヘビー過ぎて難しい。自家製の白菜のお漬物に切り替えて、終電近くなった鶯谷の酩酊時間を味わいます。
お茶割りおかわりね。「ハイヨー」とお姉さん。
この日はあまりおつまみ食べていない?
悪魔の誘惑、ラーメンの文字がカウンターで飲む目の前の短冊にかかれています。
二人で飲みに来ていましたので、頼むだけ頼んであとは任せちゃおうかな、そんな免罪符を考えつつ気づいたら頼んでしまいました。これで350円。
21世紀なって10年以上経つのになんでしょう、この前世紀的な雰囲気は。
おつまみだけではありません。
お店もほとんどが建てられたときのまんま。唯一、テレビが地デジ対応になっているくらいで、何年も値段改定していない短冊たちが燻されて変色しています。
ああ、楽しき大衆食堂。
客席は41もあり、まず満席になることはありません。ゆるくのんびり、お客さん同士の会話はまずなくて、ひたすらテレビから聞こえる音が場を支配しています。
他の店舗が締まった頃から進化を発揮する深夜の食堂、いかがでしょうか。お店が根岸の鎮守・元三島神社の下にあるというのは入った後に気が付きます。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/なゆ)
信濃路
03-3875-7456
東京都台東区根岸1-7-4 元三島神社 1F
24時間365日営業
予算1,500円
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